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みんな集合だよ

カンナと風呂に入り、アカネは食堂に向かった。


ソノエが1人で食べていた。

『あ、アカネだ。ソノエと一緒に食べる?』


『うん。』


今夜はカレーらしい。セルフサービスでよそって

テーブルまで運ぶ。


ソノエは尋ねる。

『アカネも大変な思いした?』

『うん、大変だった。屋根があるところで寝れるのは久しぶりだよ。』

『そうなんだ。ソノエは野宿の経験はないけど

落ちつけるのはいいよね。』

なんだかソノエとの会話は不思議だ。心を抉ることなく辛いことを聞いてきて、無理なく答えられる。


『他のみんなは?』

『ほら1人来たよ。』


『おう、新入りかあ!ソノエ、今日もかわいいねえ!新入りの子もいいねえ!』

『リュウヤ、アカネはダメよ。ソノエが許さない。』

『へえへえ。まあ、でも飯はみんなで食べた方が美味いだろ?なあ新入りちゃん?』

『うん、一緒に食べよう』

アカネは少し流し目で男に返事した。

リュウヤの顔が赤くなる。

『あら、ソノエでも赤くならなかったリュウヤが

アカネには一目惚れかしら。』

『そ、そんなんじゃねえよ。』

リュウヤはいそいそとカレーをよそいに行く。


『ごめんね、アカネ。リュウヤはナンパ野郎なの。』

『リュウヤ君、カッコいいもんね。わかるよ。』

『リュウヤがカッコいいアルか。趣味悪いアル。』

後ろに黒髪をおだんごにして、前髪ぱっつんのチャイナドレスの女の子が立っていた。

スタイルはとても良い。

『新入りアルか!よろしくアル!我はライと申す!』


アル口調だが、申すとは、めちゃくちゃ国際的でないかと、アカネは思った。


『しかし、アカネはたぶんしっかり食べれば

いろいろと育つアルよ。私のお手製の肉まんも食べるアル。』

といい、胸元から肉まんを1つ取り出した。

出来たてのアツアツだ。


『あ、ありがとう。』

アカネは困ったような笑顔で肉まんを受け取った。


『あら、ライさんの肉まん私にも1つくださるかしら。』

金髪で髪はいわゆる縦ロール。服装は、なんだかどこぞのお姫様といった感じのゴージャスな真っ赤なドレスをきた、これまたパンチの効いた女性が現れた。


『キミコは肉まんなんか食べるアルか?お嬢様なのに。』

『あら、私肉まんは好物なの。よく食べたものよ。』

ライはまた胸元から肉まんを1つ取り出した。あの胸元は肉まん製造機なのだろうか。


『美味しいわね。アカネさん?と言ったかしら。私はキミコ。これから長きにわたり同じ窯の飯を突く仲よ。光栄に思いなさい。おーほっほっほ。』


なんだか癖の強いメンツではあるが、みんなレプリカだ。ここではいじめもなく穏やかに過ごせる。


『みんな、よろしくね!』

アカネはかつての元気いっぱいのアカネに戻りつつあった。

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