逃げ場所がないね!
チュンチュン。
縛られたまま、アカネは気づいたら寝ていた。
『こんな状態でも寝られるとか、、』
自分に呆れていた。
ガラッ。
アカネの母であった。
無言で縄と猿ぐつわをとき、
『お風呂に入って学校行きなさい。』とだけ
伝え、家に入っていった。
アカネはシャワーを浴びて、着替えた。
リビングを見ると、朝から酒を飲んでいる父親の姿があった。
♦︎
学校についても日常は悲惨であった。
『オラっ!床に顔擦り付けて泣き叫べよ、豚があ!』
男子生徒に顔を踏みつけられ、罵倒されるアカネ。
『うわー、汚ーい。』
女生徒達がその光景を見ながら、嘲笑う。
シュンとサエとヒョウカは教室の端で顔を伏せている。
『なあ、これで叩いてみようぜ。』
生徒の1人がベルトを取り出し、アカネの肌を叩く
『痛いいいいいいいいいいいいいいいいい!やめてよお、、、。』
叩きまくられ、ミミズ腫れになっていく。
制服の腕の部分をやぶがれ、タバコを押しつけてくる生徒もいる。口の中にゴキブリをいれようとする生徒もいる。
シュンが立ち上がる。
『お、なんだなんだ部活メンバー様がこの紛い物を助けるのかー?』
生徒達のブーイングがすごい。
シュンはスタンガンを取り出して、アカネに当てた。
バリバリバリバリバリバリバリバリ!
『ぎゃあああああああああああああああああ!』
アカネが失神する。失神した瞬間、何か薬剤を打ち込んだ。
『がはっ!』
アカネは起き上がる
シュンはまたスタンガンを当てる。
薬剤をうち、またアカネを起こす。
『誰が寝ていいっていったんだ?紛い物が!』
それは小一時間続き、シュンが手を止めた。
『お前ら、、甘いぜ。レプリカだぞ?汚れものは徹底的にやらねえと垢は落ちねえよ。』
生徒達は完全にシュンのやり口にひいていた。
『まあ、今日はこのくらいでいいかな。』
『そうだな。明日はなんかもっと面白いやつ考えてやろうぜ。』
口々に言って帰っていった。
サエとヒョウカは震えながら、シュンの様子を見ていた。
『お前らも帰ったら?部活の時間ももう終わりだろ?』
なんと冷えた目だろうか。明らかにいじめるというレベルを超えていた。
♦︎
アカネは気づいたら、校庭で寝ていた。
『あれ、私、教室で、、、。』
体がボロボロだ。家に帰ってもまたボロボロにされる。でも行く先は家しかない。覚悟して帰路についた。
玄関を開けると、髪を掴まれバケツの水をかけられて、庭に締め出される。
そして庭で朝を迎えてまた学校に行き、
半殺しにされる。
アカネの心はとっくに壊れていった。