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私、みんなと一緒じゃないの?
私達は平等でない。
何気なくできることもあるし、どう頑張ってもできないことがある。
だけども、みんな他人の欠けている部分や出来ないことへのダメ出しをすることが日常なんじゃないだろうか。
この腕のみみず腫れも、顔の青アザも唇から流れている血も他の人に比べたときの欠けている部分を私以外の群衆が目を向けた結果なんだと思う。
この世は地獄だ。かつて助けてくれた仲間すら敵にまわることがある。
『ほら、食えよ!』かつての仲間がどこで取ったかわからないゴキブリを私に食べさせようとする。私の衣服は破かれ、タバコを押し付けられる。
『あつい、あついいいいいいいいいいい!』
私が泣き叫ぶたびに群衆はみな不敵な笑みを浮かべて、私を虐げる。
生まれてきて、ごめんなさい。