第2回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞 への投稿作品
旧型聖女
河原で、夕陽を眺めがら『そろそろ引退かなぁ』と黄昏ていた 聖女ゆいこ。
対岸を幸せそうに歩いて行く親子に気が付いた。
『あの子は?』と見ていた刹那。
親子は、車に撥ね飛ばされてしまった。
咄嗟に跳んだ ゆいこだったが、救えたのは、小さな男の子ダケだった。
男の子の入院中のベッド傍で居眠りしていた ゆいこの前に女神が現れて『貴女は、どうあったも運命に抗うのね』
気配に気が付いた ゆいこ。
女神の言葉で全てを覚った ゆいこ。
ゆいこ:『かつて、あの母親を私が助けたことを言っているのですか?』
女神:『貴女が、あんなことをしなければ、貴女は、とっくに女神に転生できたのょ』
ゆいこ:『目の前で、助けを必要としている人が居たから助けただけです!』
ちょっと声が大きかった。
男の子が目を覚ました。
スマホを持ってない ゆいこ。
SNSを知らない ゆいこ。
最近の新型聖女にはかなわない、すっかり旧型になっていることを思いしる ゆいこだったが、男の子に ぽんこつ扱いされつつ
運命では、産まれないはずだった男の子を育て、とことん運命に抗う聖女ゆいこ。