停戦の犠牲
⚠️注意⚠️
この物語は「Call of War」というゲームのとあるサーバーでの出来事をもとにしています。
実際の歴史や国々や団体とは一切関係ありません。
また、主は軍事関係に特別な知識があるわけでは無いので、間違った知識で書いているものと理解したうえでお読みください。
初投稿作品でもあるので、どうぞ暖かい目でご覧下さい。
1939年 某日 オランダ アムステルダムにて
───オランダ侵攻後───
まさかこれほどオランダ軍が弱いとは思わなかった!
先遣部隊が上陸して1週間も経たないうちに降伏するとは……!
私の部隊が到着したころには、大きな戦闘も終わっており、もはやアムステルダムへ進軍するだけだったのだ。
これほどイギリス軍が強いのであれば、敗戦などはあまり心配しなくても良いかもしれない。
ただ、危惧すべき点もある。
まず、ドイツ軍がイギリス軍と同時にオランダへ侵攻していたことだ。
幸い、アムステルダムを先に占領した事もあり、講和会議の主導権はこちらが握れたようだが、北部では軍事衝突が起きているとの噂も耳にした。
次に、北欧の問題だ。私たちがオランダで小競り合いをしている最中に、ロシアがフィンランドとの軍事同盟の締結を宣言し、フィンランドへ進駐したのだ。どうやら、ノルウェーを併合したスウェーデンへの対抗同盟らしい。
当たり前だが、これにスウェーデンは反発した。
「我が国とフィンランドの友好関係は、最大の国防であり、最大の利益であり、最大の幸福である。」
というスウェーデンの外務大臣の演説は世間では大きな話題になった。
結局この問題はイギリスの仲介によって一応は解決したようだが、未だにフィンランドを挟んで睨み合っている状態だ。
────大きな戦争にならないと良いが。
ひとまず、私は一時の平和を謳歌していた。
兵士たちにに踏み荒らされたチューリップ畑で酒場から拝借した酒を飲み、大声で歌を歌う。
なんて気持ちが良い!
この時だけは、私も祖国の拡張戦争への怒りを忘れた。
夜、私の部隊が泊まる宿に戻ると、仲間たちがやけに騒がしくしていた。
みんなで祝杯でもあげているのだろうか?
私がなぜ騒がしいのか尋ねると、新聞のとある記事を指差した。
─────イギリスがドイツへ宣戦布告──────
その言葉を見た瞬間、私は戦慄した。
ドイツ軍、その単語だけでもトラウマが甦る。
この世界でもドイツ軍の質は圧倒的なのだ。オランダ軍とは比べ物にならない。
さらに、ドイツはイタリア、ルーマニアと同盟を結んでいるのだ。勝てるわけがない。
────その後、ユーゴスラビアがイギリスへ宣戦布告、ルーマニアも参戦を表明した。
3ヶ国からの宣戦布告に戦争だと息巻いていた軍首脳部もさすがに怖気付いたのか、結局イギリスは開戦から1ヶ月で条件付きでドイツと停戦した。
「ベネルクス地方からの撤退。」
それが停戦の条件だ。
だが、私はこの条件を飲んだ官僚たちに憤慨した。
もちろん、戦争には反対だ。停戦自体もして良かったと思っている。でも、ただ1つ。
"なぜ簡単に撤退するのにオランダ侵攻なんてしたのか"
私はその怒りでいっぱいだった。
個人的にドイツ軍との軍事衝突はビビった。