戦乱の世界
⚠️注意⚠️
この物語は「Call of War」というゲームのとあるサーバーでの出来事をもとにしています。
実際の歴史や国々や団体とは一切関係ありません。
また、主は軍事関係に特別な知識があるわけでは無いので、間違った知識で書いているものと理解したうえでお読みください。
初投稿作品でもあるので、どうぞ暖かい目でご覧下さい。
第二次世界大戦初期 1940年6月 北フランス ダンケルクにて
私は今、歴史的作戦に参加している。後にダンケルクの戦いと呼ばれるイギリス軍の撤退作戦だ。
そろそろ私の番が来る。祖国の地をやっと踏めるのだ。
まぁ戦友を殺したナチ共に一度復讐してやりたかったが、結局何も出来ずに終わったことだけが残念だ。
そんなことを考えていたら、私の部隊に撤退の指示が出た。
だが、私はその船に乗れなかった。
撤退の指示が出た瞬間、どこに隠れていたのか大量のフランス兵たちが船に乗り込んできたのだ。
クソッタレ。奴ら戦いもせずに隠れてやがった。今まさに祖国の危機が迫ってるんだぞ。それなのに奴らは……!クソッ!ク─────────
それが私の思い出せる最後の記憶だ。
次に私が目覚めたのは、ロンドンにある私の寮の部屋だった。
────夢?
いや、そんなはずは無い。確かにあれは現実だった。戦友の死に顔、死体の生暖かさ、まだ忘れられない。忘れられるはずが無い。しかしあれが現実だとしたら今のこの状況はなんだ?
まさか死後の世界?死んだのか?それならここは?
混乱しつつも思考を高速で巡らす。
しかし、すぐに思考が吹っ飛ぶことが起こった。突然上官がやってきて、大声で寮にいる兵たちにこう命令したのだ。
「明日!我々はオランダへ宣戦を布告する!全員1時間以内に輸送艦へ乗り込む準備をし、集合せよ!」
もうわけが分からなかった。上官に聞き返そうとも思った。しかし、そんなやつは私以外いない。むしろ、みんな「ついにやるのか」と意気揚々と準備しているのだ。
なんなんだこの状況は。
私は、ついに同じ部隊の仲間に聞いてみた。
変な事を言われるのが怖いので、物静かそうで階級が下のやつを選んだが、その選択は正解だった。
彼は大学で歴史を専攻していたらしく、非常に丁寧に分かりやすく教えてくれた。上官とということもあったのだろうが、今思えばあんな常識的なことを質問するやつをバカにしていたのかもしれない。
とりあえず、彼のおかげで
・南北戦争にて戦線が膠着し、アメリカが南北に分断されたままである。
・その影響で産業が育たず、第一次世界大戦には参戦しなかった。
・ロシア革命は成功したものの、皇帝は退位せず、ソビエト政府と帝国政府が協力し、戦線を離脱しなかったために中央同盟国は敗戦した。
・今も革命の影響は残っており、ロシア内部は分裂状態である。
・ドイツは降伏したものの、アメリカの不参戦など多くの理由が重なり、領土の一部と多少の賠償金のみで講和会議は終了した。
といったことを知れた。
また、イギリスがオランダへ宣戦布告するのは、世界的に現在は戦乱が続いているから、この状況を利用してさらなる拡張をしよう、ということだそうだ。
つまり、欧米全体が戦国時代みたいなものなのだ。
祖国が世界最強の座を手にするためだけに戦争をするなんて!?まったく信じられん!馬鹿げている!本当なら今すぐ官僚共をクビにしろ!
内心そう思った。そう叫びたかった。が、私がどうのこうの騒いだところでどうにかなる訳では無い。
─────結局私は、このおかしな世界で戦うことになってしまった。
──翌日──
輸送艦の中。この揺れは実戦では2度目だが、何度乗っても慣れる気がしない。それに、実戦前だから緊張が段違いだ。
さらに、私の配属されている部隊は特に人員が多いから、暑苦しくて仕方がない。気が滅入りそうだったんで、汗と煙草の臭いが混じった気持ち悪い臭いの部屋で私はこの世界について考えた。
昨日は混乱していて思いつかなかったが、この世界は私のいた世界とは違う世界なのだろう。
────並行世界?異世界?転生?召喚?
あーダメだ!考えてもわからん!全て馬鹿げている!ちくしょう!私は頭がおかしくなったのか?
とにかく、このクソッタレな世界で私が出来ることはたった1つ。
"生き残る”
それだけだ。
この物語は、イギリス人兵士の視点で描かれていますが、私がプレイしているときは別の国での視点なので、解釈の違いなどがあることをここに書いておきます。