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プロローグ
この世界の全てはもう、探し尽くしてしまった。
なのに何処にも居ない。
あれからどれだけ経ったのだろうか?
生きてさえいてくれれば、せめて魂さえ残ってくれれば。
それだけで良いと願ったあの時から、もう何百年経ったのだろうか。
目が覚めてから、ずっと探している。
なのに見つからない。
もう。いっそ。
私のことも、誰のことも、覚えて居なくてもいいから。
私の事が嫌いになっていてもいいから。
ただ、また会いたい。
君の居ないこの世界は寒くてしようがないよ。
そうだ。
今度こそ。次に会えた時には。
真っ先に、結婚の契約で縛ってしまおう。
今度こそ。
邪魔をされる前に。余計な事がおきる前に。
二人で願ったあの未来を、今度は真っ先に形にしてしまうのだ!
次は、決して離しはしない。
この世界の何処にも君は居なかった。
ならば、この世界の外に探しに行くまでだ。
それが出来る力がようやく戻ってきた。
今こそ、この全ての力で。
たとえまた力を使い果たす事になるとしても。
君を探しに行くよ……セシル
私の唯一と誓った花嫁。