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罪過の魔術師  作者: 汐崎 昂稀
第一章 記憶の狭間
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第三話 出会い

4回位消えて心が折れそうになりました……

さてと、ノエルとクロウは学校が違うからもう別れたけどやっぱり一人になると学校に行きたくないって気持ちが強くなるなぁ……


それに最近、自分の身体に違和感を感じるし。

なんだろう……なんて言うか、自分の中にもう一人誰かがいるような気がする。

まさか二重人格なんて言わないよな。

でも今の学校に行きたくないって気持ちはこの、存在しないコイツに話したら少しは気が晴れるのかな?


それじゃあ、ちょとしたくだらない話に付き合ってくれよ。


最初、僕はこの学校に途中転入ってことで入学したんだ。

僕の容姿は少し目立つからね。スグに話題に上がってたんだ。

なにせ、この学校はそんなに有名でもないから僕みたいに地毛で金髪なんて居なかったからね。


それを気にしないで接してくたクラスメイト達はみんな気のイイヤツだったよ。

僕もこの学校の事が好きになれるそう思ってた……


そんなある日、僕は学校から帰ってる途中で初対面の話したこともない女子(あんまり可愛くない)がいきなり告白してきた事があったんだ。

正直まったくタイプでも無かったから、やんわりと断ったんだけどそれが全ての始まりだった……


まず僕に告白してきた名前が……えーと何だったっけ?ああ、思い出した近藤真希(こんどうまき)って名前だったかな?

ああ、嫌なこと思い出した。


まぁ、いいや。近藤のせいで僕の学校生活が最悪なものに変わったんだ。


まず、近藤は既に彼氏がいるにも関わらず僕に告白してきたことが後から分かったんだ。しかも、その彼氏ってのがこの学校の不良のリーダーみたいでね。自分の彼女が他人に告白したことにキレたみたいなんだ。

まぁ、当然といえば当然だけどね。

そこで終わってくれたらよかったのに、そのリーダーは自分の彼女が告白したのにOKしなかった事にもキレたみたいでその矛先がどこに向くかなんてすぐに分かるでしょ?

当然すぐに僕が告白された相手だって気づかれてそっから先は簡単に言うとイジメだよね。


まぁ、そっから先は最初はただの罵詈雑言だったんだけど。

そのあとどんどんエスカレートしていって今じゃ、不良グループから殴る蹴るは当たり前になってきからな

ホント、近藤のせいで散々な目にあってるよ


おっと、こんな不毛な事を考えてる内にあと少しで学校に着いちゃうなぁ……


「オイ、糞ガキ!ぶつかってきたのに謝んねぇとはどういう事だ!」

「そっからぶつかってきたのになんであたしがあやんなきゃいけないの!」


まったく、なんでこんな所で小学生に絡んでる奴がいるんだよ……

それにしてもあの小学生自分より背の高い歳上に言い返すなんて度胸あるな。いや?ただの自分が危険な状態になってるのに気づいてないのか?

だとしたらただの勇気と無謀を勘違いした馬鹿だな。


でも、あの小学生を見捨てるのは気が引けるな。

僕はもうこの学校では厄介事に巻き込まれてるからそれが一つや二つ増えたところで関係ないさ、そう関係ないさ。

分かってるさ。ただの強がりだってのは。


「なぁ、アニキコイツちょとボコそうぜ?アニキの偉大さが分かってねぇーみたいだからよ。」

「ああ、そうだな。もうちょっと成長してたら俺たちが遊んでやったんだかな。なぁ!お前ら!」

「ギャハハ!アニキいくらなんでももうちょっと成長したからってそんな色っぽくなる訳ねぇって!

俺たちはロリコンじゃねぇですって!それに胸が大きい方が俺たちの好みですよ!こんなガキじゃあ興奮もしませんって!」


はぁ、まったくこんな朝から下品なこと言う奴がいるんだな……


「なぁ、あんた達。こんな朝っぱらから小学生に絡んでるけど周りに迷惑じゃないと言える理由でもあるのか?最も、その理由があったとしても僕は理解なんて出来ないけどな。」


僕に今出来る限り相手を挑発した言い方なんだけど大丈夫かな?

矛先があの子からコッチに向けばいいんだけど。



「オイ、てめぇ今なんて言った?オレらを馬鹿にしてんのか?この状況みてすく分かんだろーが!このガキが俺にぶつかって謝んねぇからだろ!」


見事に僕の持っていきたい方に持っててくれたな。

後は僕が挑発してる間にこの子を逃がさなきゃなんだけど。さて、どうしたもんかな?


「あ、お兄さんほら!あそこいるのが私の姉です!助けてください!」


ん?あの子はこの子の妹なのかな?誰か連れて来てるみたいだけど。……!


なんだろう。あの人から()と同じ匂いがする……

()と同じ血の匂いが……


()は今何を思った?なんでだ?たった数秒前の事が思い出せないなんて……

でもあの人……強いな。なんて言うか隙がないっていうのかな?

これなら安心できるな。


「やぁ、君達こんな朝からこんなにも可愛らしい女の子を虐める趣味でもあるのかな?

無いと言うなら私に免じて辞めてもらえないだろうか?」

「はっ!このオッサン頭大丈夫かよ?もしやめないって言ったらどうすんだよ?」

「その時はしょうがないので実力行使……ということになりますが?それでも宜しいでしょうか?」


その時微かではあるが殺意が出ていた。だかこの人物は表情を一切変えることなくニコやかな笑顔のままであった。

そしてこの殺意に気づけてしまった者が一人だけこの場にはいた。


オイオイなんだよ今の!なんでこの人はそんな簡単に人に殺意を向けるなんてできるんだよ!この人もおかしいけど、今日の()はどうしたんだ?今までこんな事無かったのに……

今日見た夢が原因か?

イヤでも……


そんな一人で自問自答してるカイの姿を興味深そうに見ていた人物がいた。


へぇー、ほんの少しとはいえ僕の殺気に気づくなんてこの少年は何者なのか物凄く興味が湧いたな。

ああ、こんなゴミはスグに片付けたいんだけど流石にこんな朝からしかも、可愛らしい女の子の前で薔薇(・・)を咲かせるわけにいかないし。

この問題が終わったらあの少年に声を掛けてみるかな……


「テメェ!アニキ!コイツぶっ潰しましょう!アニキも俺たちが一緒にやりゃあ、こんな奴潰すのなんてスグだぜ!」

「ふむ……では、実力行使ということでよろしいのですね?」

「イヤ……辞めておけ。なぁアンタ高ランクの魔法士なんだろ?」


意外にもこの不良のリーダーは力の差というモノがわかるらしい。自分達ではこの人物に勝てないということに気づいたらしい。

伊達に不良のリーダーを張ってる訳では無いらしい。誰彼構わずケンカを吹っ掛けていてはスグに潰されてしまうからな。


「いえいえ、私など名乗るほど高名な魔法師(・・・)ではありませんよ。さて、この問題はこれで終わり……ということでよろしいのですね?

だとしたら私はこの後用事ができたのでこれで失礼致しますね」


そう言いながらこの人物は近くに居たカイの元へと近づいて行った。


「やぁ、はじめまして。私の名前はアレイ(・・・)と申します。」


その人物は自らの名をアレイと名乗った。が何故かカイは違和感を覚えた。


「アレイ……ですか。

すみません。僕がまだ名前を言ってなかったですね。僕は柊カイと言います。」

「柊ですか?だとしたら貴方はあの"柊家"の者ですか?」


アレイは少し怪訝な表情でカイに質問をした。


「ああ、別に僕は柊家とは関係ありませんよ。最も自分の親に聞けばわかったかも知れませんが……」


「ちょっと!あたし達を無視して話してんじゃないわよ!」

「ちょっと詩音姉さん!失礼でしょ!

すみません。姉が迷惑をおかけしました。」


今までカイとアレイが二人を無視して会話をしてるのが気に入らなかったみたいだ。


「久遠が謝る必要なんてないよ!こっちの弱そうな人が勝手にやった事なんだから!あたしが頼んだわけじゃないだから!」


この少女は自分が無視されたのが相当気に入らないみたいだ


「まぁまぁ、お嬢さん方そんなに声を荒らげるものではありませんよ?

それに、あちらの方があなた方二人をお待ちしてるようですが?」


アレイがそう言いながら二人の後ろを見ていた。

そこには、二人を待っていたかのように立っている一人の老執事がいた。


「おやおや、これはアレイ様に気を使わせてしまったようですね。人に仕える者として気を使わせてしまうとはいやはや、お恥ずかし限りです。」


アレイは最初の方から気付いてたみたいだけどこの人いつからそこに居た?それに、この人なにか武術でもやってるのかな?足音が全然聴こえなかった。


「それでは、久遠様、詩音様そろそろ行かなければ学校に行かれなければ遅刻してしまいますよ?」


たった二人のために執事を学校まで送るなんて、この二人は何処かの金持ちの子供なのかな?


「フン!さぁ!行くわよ詩音!」

「ちょっとお姉ちゃん!すみません姉がご迷惑をお掛けしました。私、瑞稀詩音(みずきしおん)と言います。今回は助けていただきありがとうございました!あ、待ってよーお姉ちゃん!」


そう言って二人の少女はパタパタと走っていた。

そして、老執事がこちらに向けて頭を少し下げてスグに二人を追いかけていった。


「さて、じゃあやっと話を再開できるね?」

ニッコリと笑いながら当然のように話しかけてきた。


この日カイは何度目か分からない溜息をついたのだった。

ああ、なんでこんなに面倒事が重なるんだ……

今回出てきた詩音と久遠は長い間出てくるので覚えておいてくれると嬉しいです。



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