第二話 家族
扉を開けると、さっきノエルが言っていた通りリビングにはラルゴさんとエイラさんがいた。
そしてもう一人、ノエルに好き勝手言われていたクロウも居るってことは僕が起きる少し前には起きていたってことになるのかな?
まぁ、そんなことは気にしなくていいかな。
それに、この二人の兄妹?姉弟?どっちなのかラルゴさんもエイラさんもハッキリ言わないから未だに分かんないんだよなぁ。
「あっ、バカあにぃ起きたんだ。そのまま寝過ごせばよかったのになー。ねっ、シリウスにぃもそう思うでしょ?」
「ちょっ、姉さん!シリウス兄さんにそんな事聞かないでよ!ほら、あの微妙な顔見て。困ってるでしょ!」
というか今の掛け合いどっちも兄と姉って……
どんなキョウダイだよ
「あのさぁ、君たち。なんでスグに僕を引き合いに出すのかな?」
流石に毎朝似たような事をやっていると慣れて来るんだよなぁ。
だけど、あそこでニコニコ微笑んでいる二人にはちょーとイラッとするんだよなー、たまにはこの二人を嗾けるのも良いかもしれないな。
我ながらいいアイディアかもしれないな。
「そういえば、ラルゴさん?クロウとなにか約束してなかったっけ?それに、エイラさんもノエルと一緒に買い物に行くって約束してたような気がするんだけどなー。まさか、二人とも約束忘れてた、なーんて言わないよね?」
「ああ、勿論だとも。男に二言は無いさ。な、母さんもそうだろう?」
「あら?私は野蛮人ではなくて乙女なのだけど?アナタは私を女性として見てくれていないのかしら?」
ありゃ?なんか違う方向に話がズレちゃったけど結果オーライかな?
なんか、ラルゴさんが恨みがましい目でこっち見てるけど日頃の行いが良くなかったね僕は助けないよ。というか、自業自得じゃないか。
「さて、二人とも早くご飯食べて学校に行かなきゃね?ラルゴさんとエイラさんは今大事な話をしてるから、僕たちだけでも先に食べなきゃ遅刻しちゃうよ?」
「う、うん。でもいいの?お父さんとお母さんあのままいいのかなぁ?」
「ノエル、アレは喧嘩じゃないよ。まったく、
父さんも母さんも朝っぱらから惚気ないでよ……」
「??」
ああ、ノエルは相変わらずアホの子だなぁ。
「ムッ、今シリウスにぃ酷いことかんがえなかった?」
「ん?気のせいじゃないか?さぁ、早くしないと遅刻しちゃうよ?」
ホント勘だけは鋭いなぁ、直感で今のわかるか普通?
「さてと、じゃあノエル、クロウ忘れ物は無いかな?」
「うん!大丈夫だよ!」
「はい。僕も大丈夫です。」
この二人は学校が楽しそうで少し羨ましいな。
でも、歳上の僕がこの二人に嫉妬したらみっともないな。
出来れば、ノエルとクロウには僕みたいなって欲しくないな……
血が繋がってないから僕みたいミスはするはずないか。それに僕と違って友人関係は良さそうだもんな。
「それじゃあ、行くか。」
そう言って、僕は玄関の扉を開けた。
そしてまた、柊カイの最悪な一日が始まった。
次回から文書量を多くしていきます