結成!!part2
「ミカ! アリス! あたし、この武器欲しい!」
壁にかけてある短剣より少し長めのハーフナイフと言う剣を凄い欲しそうな目でティアが見ている。
「あのな・・・。俺は金持ってないからアリスに頼んでくれ」
「アリス! 買って? 駄目・・・?」
ティアがアリスの腕に甘える感じでくっついて頼んでいる。
アリスがそのハーフナイフの値段を見てからティアの腕を自分の腕から離した。
「金貨が5枚?! 私の全財産を使えと?」
「そこをなんとか! お願い!」
「仕方ないわね・・・」
「やった! ありがと! アリス」
ティアが跳ねながらとても喜んでいる。
ティアが店員を呼んでハーフナイフを指差して注文をした。
「金貨5枚になります」
「店員さん、私が払うわ」
アリスが店員にお金を払ってたら店員がティアにハーフナイフを渡した。
「お買い上げありがとうございます」
ティアがハーフナイフを右手に持ってから、思いっきり縦に振った。
「ティア、危ないじゃないか!」
俺が注意少ししてもティアは何も聞かずにハーフナイフを縦に横に振っている。
「んっ! しっくりくる。今まで使ってた武器より使いやすそう」
「それは良かったわね。ちゃんとお金返してよね?」
アリスが笑いながら言った。気に入ってくれたのが嬉しかったのだろう。
ティアがハーフナイフを振るのを止めたらその店を出て家に戻った。家に戻った時にはもう夜になっていた。
「ミカ、ティア。今日の夜ご飯は鳥の丸焼きです」
「アリス! それってほんと? あたしめっちゃ食べちゃうよー」
「おいおい。三人で一緒に食うんだから一人占めすんなよ」
「分かったよ・・・」
ティアが落ち込みながらもアリスはすごい嬉しそうだ。アリスが隠れながら用意したからとても彼女は嬉しいだろう。
家に入ってしばらく待っていたらいい匂いがしてきた。
「出来ましたよー。明日は三人で初冒険なのでたくさん食べてくださいね」
「アリス、いつもありがとな」
「アリスは女神様だー!」
「温かいうちに食べちゃって」
「「いっただっきまーす」」
みんなで一緒に言ってからガッツガッツ食べた。アリスはあまり食べなかったみたいだけど・・・。
お腹いっぱいになるまで食べたらみんな眠そうにしてた。
「んじゃー、明日のためにもう寝ちゃうか」
「うん、そうだね。おやすみ、ミカ、ティア」
「おやすみー! ミカ、アリス」
「しっかり休めよ」
アリスとティアがそれぞれの部屋に行ってから俺も自分の部屋に行った。
俺は目を閉じた。すぐに夢の中に入れた。いつも見る夢と同じだった。モンスターが俺に向かって飛び掛ってくる夢。飛び掛ってきて俺の右腕を喰いちぎって右腕が無くなる夢だ。ずっと同じ夢を見ているせいかもう慣れて怖くない。そして、深い闇へと落ちていく。
なんだか温かい声が聞こえる。俺を呼ぶ声だ。俺を闇の中から引き出す声。昔から聞いている声。
「ミカったら! 早く起きて! 朝だよ」
アリスの声だ。優しい声。俺を包み込んでくれそうな声だ。
「起きないとなにしよーかなー?」
俺に問いかけるように言ってくるから嫌々起きた。
「・・・っ。起きたよ。おはよう、アリス」
「おはよ! ミカ。今日は三人では初冒険だから気合入れてかないと!」
すごい気合を入れて朝からテンションがいつもより高いアリスだった。
「起きるの遅いぞー? ミカ!」
「遅くないだろ・・・。普通だ」
「普通じゃ駄目なの! 早く起きないと!」
こっちもいつもよりテンションが高い。やっぱり、三人では初冒険だから気合入れているのだろう。
三人で朝ごはんをいつもより多く食べたらそれぞれ持ち物の用意をしてから家のドアのところに集合した。
「アリス、ティア。準備はいいか?」
「大丈夫よ」
「ばっちり!!!」
「じゃあ、行こう!」
三人で歩いてダンジョンがある塔まで来た。
「みんな、目的を忘れるなよ? ガーゴイルの捕獲だ。アリスが後衛で俺とティアが前衛だ。ガーゴイルが現れたらアリスを死守する。そして、アリスは拘束魔法を使ってくれ」
「分かった。出来る限り早く呪文唱えるわね」
「アリス。頑張ってね! アリスのことはあたし達が守るから」
「入るぞ」
三人で一階層に入りしばらく歩いた。歩いている途中にゴブリンやダークウルフに出会ったがティアがいるおかげですぐ片付く。
それからしばらく歩いているとモンスターが現れなくなった。
「あれー? おかしいよね?」
ティアが首をかしげながら俺達に聞いてくる。
「ああ。おかしいと思う。モンスターがいなさすぎる」
「なんか嫌な予感がする・・・」
アリスがそう言った直後だった。壁からモンスターが飛び出てきた。そのモンスターは全身が黒と青が混ざった感じの色で羽がついている。手はカニみたいなシザーハンドだ。そのモンスターはガーゴイルだったのだ。ガーゴイルはもの凄いスピードで俺達に向かって飛んでくる。
俺とティアがアイコンタクトを取ってからアリスの前に出て剣を構える。
その瞬間にガーゴイルは止まり、口から緑色の液体を出してくる。その液体がティアに直撃してティアが立ったまま動けなくなってしまった。
「ミカ・・・、ごめんね。あたし、足でまといになっちゃって・・・」
「そんな事言う時間があるなら少しでも早く液体を体から剥がせよ!」
「分かった! やってみるよ」
アリスが集中して呪文を説いている間は俺一人でガーゴイルを足止めしなければいけないのか・・・。でもいける!
ガーゴイルの攻撃パターンはだいたい知っているはずだったが、今戦っているガーゴイルは普通のガーゴイルとは違う動き方をした。
魔力を使って攻撃してくるのを止めて、俺に向かって飛んできた。ティアが横にいてアリスが後ろにいるから避けることは出来ない。俺は全力で長剣を両手で持った。ガーゴイルはシザーハンドを使って俺の長剣を押してきた。その時、ガーゴイルは一瞬力を抜いた。その瞬間、俺は今持っている力を全て刀に入れてガーゴイルを押した。少しガーゴイルのほうに刀が近づいた瞬間にガーゴイルがまた力を入れて押してきた。さっきより強い力で。ガーゴイルにはそんな知能が無いはずなのに・・・。
ガーゴイルの力の方が強くて刀が俺の方に近づいてきた。自分の顔の前まで刀が来てしまった。少しでも力を抜けば顔に刀が入ってしまう。その瞬間にガーゴイルがはさみを閉じて俺の刀を折ってきた。
その直後にガーゴイルは俺の右腕に噛み付いてきた。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉっ・・・」
俺は大声を出してしまった。他のモンスターが寄ってくる可能性があるのに。
アリスとティアがなにか言っているが何も聞こえない。
噛み付いてきた後にガーゴイルは腕をもぎ取った。夢で見ていたのと同じ光景だった。一つ夢と違ったことは痛みがあまり無いことだ。痛すぎて神経が破壊されてしまったんだろう。
ガーゴイルが俺の右腕をもぎ取ったら、ガーゴイルはどこかに行った。自分の右腕からは大量出血してるし、ティアは動けない。
アリスが俺のところに走って腕のところに回復魔法をし始めた。それでは間に合わないだろう・・・。