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初冒険part2

 ドラゴンが俺に向かって大きく火を吹いてきた。その火は俺が予想していたより、範囲が広くてマグマレベルの火の熱さだと思う。


 アリスは呪文を唱えているが間に合わないだろう。避けようとしても避けられない。さっきのレベルだったら勝てたかもしれないが次元が違いすぎる。


 俺はここで死ぬのかな・・・。諦めたくなかったが諦めるしかないか・・・。父さん、アリス、じゃーな。母さん今行くよ。


 死ぬ前に心の中で言いたいことを全部言った。もう悔いはないかな・・・。


 そう思った瞬間だった。ドラゴンが吹いた火と俺の間に人が入ってきた。その人の後ろ姿は赤髪で一つ結びで俺と同じくらいの身長の女の人だった。


 ドラゴンの火が女の人に当たった。普通だったら燃えてしまうのに燃えていなかった。


 ドラゴンが火を吹いている中、ドラゴンに向かって女の人が走り出した。腰にあった短剣を抜いてドラゴンの頭に刺した。その瞬間に彼女の手が光ったのが分かった。


 そして、ドラゴンは消滅した。


 ドラゴンを倒した彼女は俺に向かって歩いてきた。


「君はミカ・クリニスだよね?」


「そーだが・・・。なんで俺のことを知ってる?」


「君のお父さんに君を助けるように言われたんだ! そっちの子はアリスだよね?」


「はい。そうですが・・・。お父さんに頼まれたんですか? いつ?!」


「んーと、今日の朝だよ」


「今日の朝?」


「うん! あと、伝言と渡すものがあるんだった。これが君のお父さんに預かった物だよ」


 彼女は腰に付けていた袋を俺の手に渡してきた。その袋の中身を見てみると長剣が入っていた。長剣の刃のところにMIKAと掘ってあった。


「これって・・・」


「見ての通りの長剣だよ。君のお父さんは旅に出るって言ってどっか行っちゃったよ」


「旅に出た?!」


「それは本当に私たちのお父さんですか?! なんでそんな急に・・・」


「君たちのお父さんだよ。あたしと君たちのお父さんは師匠と弟子の関係なんだよ。あっ! 自己紹介がまだだったね。あたしの名前はティア・スクルト。レベル22冒険者だよ」


「レベル22?! 一流冒険者なのか?! あと・・・。言いにくいんだが服をどうにかしたほうがいいんじゃないか?」


 俺は手で顔を隠しながら言った。彼女はドラゴンの火を直で浴びたせいか服が全部燃えて無くなっている。普通の人より膨らんでいる胸が丸見えだ。


「あのー。服貸しましょうか? 予備があるんで・・・」


 アリスも顔が真っ赤だ。自分の胸と比べているのだろうか。アリスの胸は人より少し薄いから・・・。


「あっ本当だ。服が燃えちゃってる。ミカ見たでしょ? 興奮しちゃった?」


 ティアが恥ずかしがらずにそんな事を言ってくるから俺は余計に恥ずかしくなってしまった。


「早く隠した方がいいぞ!」


「だから、私の貸しましょうか?」


「アリスの優しい心は嬉しいんだけど、胸のサイズが合わなくで着れないと思うから別にいいよ。魔法で出せるから」


「・・・」


 俺は何も言えなかった。アリスが顔を真っ赤にしながら怒ってるのが分かる。


 ティアが服を魔法で出して着た後にティアからいろいろと聞いた。


 ティアが5歳の頃から8歳の頃まで父さんに剣の使い方を教えて貰っていたみたいだ。ティアは俺とアリスと同い年で18歳。ダンジョンに潜ってから半年になるみたいだ。


「ミカとアリスのお父さんから俺の代わりに一緒にいてやってくれって言われたから、今日からミカとアリスの家に泊まって一緒にダンジョンに潜ることにしまーす」


「寂しくならないでいいな」


「・・・」


 アリスはずっとすねている。ティアに胸のことを言われたからだろう。


「そういうことで、今日はあたしの歓迎会をやるから家に帰るよー! ダンジョン攻略は今日はここまで! 帰ろ帰ろ」


 ティアがそう言いいながら俺とアリスの手を持って出口に向かって歩き出した。


 これから三人でダンジョン攻略か・・・。頑張らないとティアに頼りっぱなしになっちゃうから頑張らないとな。


 多分アリスも同じことを思っただろう。これから俺達は強くなっていくだろう・・・。いや、強くなってみせる。





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