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足音  作者: 相模しずく
5/5

解放

気を抜けば何故か瞼を開いてしまいそうになる。

私は必死でそれに抗って頑なに瞼を閉じていた。


本能が、見てはいけないと警鐘を鳴らしていた。


いったいどれほどの時間が経ったのだろう。

わからないが、とにかく私は息を殺し、ただ時が過ぎるのを待っていた。


ふっと瞼の裏で視界が明るさを取り戻し、顔にかかる風がやんだ。

それと同時に体にのしかかっていた圧迫感からも解放されて「何か」の気配が消えていった。


体が自由を取り戻し、確認するように一本ずつ指を動かしていく。

ゆっくりと手を握り締めて、また開く。


恐る恐る瞼を開けると、枕元に置いていた時計が四時四五分を示していた。


いつの間にか、テレビからは早朝のニュース番組の音がしている。

体を起こして辺りを見回すが、いつもと変わらない私の部屋がそこにあった。

そこまで確認すると、やっと生きた心地がして肩の力が一気に抜けた。


今頃になって体が震えだして止まらない。

私は両腕で自分の体をぎゅっと抱きしめた。



私はその日のうちに別の家に引っ越すこと決め、すぐに新しい家を探し始めた。

引っ越すまでに2か月ほどかかったが、それまでの出来事が嘘かのように、その後は一切何も起こらなかった。




最後まで読んでいただきありがとうございました。

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