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今までの軽蔑

作者: 茶々丸

 私は大学の卒論の仕上げに追われながらこの前受けたときの自分の授業の分析の結果について考えていた。

 とある女の子がいじめられどんなふうに成長していくかという話の小説である。

 この話を授業の題材にしていた時に私は人を軽蔑しながら生きていると言う結果がでた。

 私は軽蔑していただろうか?と考えた時に私が小学3年生の時のことを思い出したのだ。

 きっと私が初めて軽蔑した相手は家族だ。

 小学3年生まで勉強が大好きで大好きで仕方なかった私はこの時を境に勉強を本気でしなくなった。

 ここで私の両親を紹介しておく。

 父は車や飛行機などの部品を作る仕事をしている。

 小さい頃は飛行機自体を作っているのだと思いこんでいた。

 休みの日には草サッカーでゴールキーパーのポジションをしている。

 多分サッカーが大好きな人だ。

 もしくは体を動かすことが好きなのかもしれない。

 母は魚の加工をする仕事についている。

 余った魚や傷んだ魚は持って帰っても良いみたいなので朝晩とご飯に魚のない日はなかった。

 そして2歳離れた妹。

 私が小学3年生の時、妹は1年生だった。

 喧嘩した時は噛みついたり、引っかいてきたりそれはそれは痛かったが怒らせなければ痛いことは決してしてはこなかった。

 噛まれた時は青い跡が残るまで噛まれたものだ。

 そんな優しい妹も私は嫌いになるのだった。

 妹が小学校に上がり親は私と妹を大きく差別するようになっていったのだ。

 いや、今まで私と妹には初めから差別があったのかもしれないが学校での教育を学んでいくうちにきっと私は親に認めて欲しい、自分を見て欲しいと言う人間の欲望が自分に生まれたのかもしれない。

 初めの差別はご褒美だった。

 両親は妹が100点を取るたびに500円をそのつどあげていた。

 私には今まで100点をとってもお金はあたえて貰えなかった。

 そんな話すら私には出て来なかった。

 なのに妹は1年の時からお金がもらえていたのだ。

 何故私には100点をとってもお金が貰えないのか疑問を感じた私は両親に聞いた。

 その時親は私も100点を取れば同じようにお金をあげると言ってきたのだ。

 そして私は1年生のころからお金を貰える妹と1年のころから貰えず3年生になってからやっとお金を貰える私との差を考えてしまった。

 1年生のころから私もお金を貰らえていたら大好きな漫画や可愛い文房具を変えていたかもしれないと思ってしまったのだ。

 もし、欲しいものを買わなくてももしかしたらすごく貯まっていたかもしれないと考えるとその期間が渡しには勿体ないものに感じてしまった。

 だが、今から頑張ればお金を貰える。

 頑張れば今からでも貯めれるかもしれない。

 私だってその為に頑張れる。

 遅くない。

 次のテストで私は100点を沢山取ったのだ。

 しかし、両親は私を悲しみのどん底に突き落とした。

 100点を取ればお金を貰えるのだから私頑張って100点を取ったのだ。

 だが私のテストはお父さんの勉強机の横に丸めておかれた。

 お金も貰えなかった。

 とても悲しかったのを今でも覚えている。

 初めてこんなに憎く、悲しく、頑張ったことに後悔したことはなかった。

 家族が誰もいない日私は頑張った机に丸めて置かれていたテストをぐじゃぐじゃに丸め、もうこれ以上縮まらないと言うぐらい固くしてごみ箱に初めての軽蔑と一緒に吐き捨てた。

 それから今まで生きてきて家から出たくて出たくて仕方なかった。

 私が就職して家の一人暮らしのお金を貯めたらさよならも言わずに出て行ってやるんだ。

 心の中で家族に対し暴言を吐き、それでも心が楽にならなかったときは自傷行為をした。

 今ではとても笑い話なのだ。

 周りには話せないけど自分の中では何やってんだと笑ってやれる。

 親は差別をしてきたが妹と私は私が中学1年生になるまで仲が良かった。

 妹が親に怒られた時は私が助けてあげた。

 私が親に怒られた時は私と妹で助け合って親に仕返しをした。

 その時はやり返しが成功したみたいで母が父に泣きついていたからやりすぎたかなと罪悪感を抱いていた。

 でも、いい気味とも思っていた。

 しかし、私が中学1年生になった夏休み妹は急に無視をしてきたのだ。

 話しかけても話しかけても返事がない。

 こっちもだんだんイライラしてくるのだ。

 面倒くさいから私も漫画を読んだりして時間をつぶした。

 気付けば話しかけてくる。

 それが私たちの喧嘩した後の仲直りだったのだ。

 決して謝ることはなかった。

 しかし、この時の喧嘩はとても不思議なもので仲良くなることはこの時から今まで1度もなかったのだ。

 妹が母に喧嘩になった動機を言っているだろうと思い私は母に聞いてみると無視られた。といっているらしい。

 また、時間が経ち母から動機を聞いて見ると謝ったけど許してくれなった。などやってないことばかり母に言っていたのだ。

 嘘。

 家族の中で下の私は妹の嘘で更に下に追いやられてしまったのだ。

 それから母は仕事で嫌なことがあった時は妹とぐるになり私をバカにしてきた。

 動かないからデブになるのよ?デブの人があそこにいるでしょ?などなど。

 確かに私はデブだった。

 身長から100引いた数が体重なのだ。

 妹は静かに暴力を振るってきた。

 私たちが住んでいる家はマンションなのだ。

 トイレと洗面所が隣同士なもので誰かが歯磨きをしているとトイレのドアを開けてしまうと歯磨きしている人にドアがぶつかってしまうドアの仕組みになっているのだった。

 だからタイミングを計っているのかと思うぐらい私が歯磨きをしているたびに妹がトイレのドアを開けて思いっきり私に当ててきたのだ。

 脚の骨組には青いあざが出来るぐらい当てられていた。

 どんな傷よりも私はとても痛かったのでお風呂でいつも泣いていた。

 妹は母と喧嘩している時関係なく暴力をしてくるのだ。

 本当に辛かった。

 中学2年生初めてのいじめが待っていた。

 影の薄い友達と仲良くしたくなった私はそういう子とつるむ様になった。

 女子の一部は私に何で影の薄い子達とばかり仲良くするのか聞いてくるときがあった。

 好きだから付き合って何が悪いんだ。

 彼女たちからそんなことを言われても付き合うものだから次第に私はお弁当箱に牛乳を流されたり、汗をかいたときに着ける液体を私の鞄に付けて白くしたり、美術の作品をエロイ作品に作り直されてり、いじめは酷かった。

 中学3年生になった時、私は今まで仲良くしてくれた子たちとは全員と離れ私はいじめられなくなった。

 そのクラスで私は仲良くなった子が居た。

 しかし、彼女がいじめられるようになった。

 彼女から愚痴の手紙が来るようになる。

 私は気にしなかったから手紙を貰い、そうだよね。やめて欲しいよね。など彼女の気持ちに同調する手紙を書いて送った。

 だが、彼らは彼女と一緒にいる私が気に入らなかったのか私も中学最後の年なのに一締められるようになった。

 彼女とのやりとりの手紙を鞄の中にしまってたはずなのに私の鞄を私が居ない時に開けて読んだらしく内容のことについて喋っているのを聞いた。

 私のプライベートは守られていなかった。

 とうとう、いじめに疲れてきた私は先生を頼ることにしたのだ。

 だが、先生は目の前で私がいじめられても助けてくれることはなく、先生を憎んだ。

 この時は分からなかったが今となっては分かっる。

 モンスターペアレントが怖かったのだろう。

 口では助けてあげる。守ってあげる。などと期待を持たせたくせに私たちは悲しみのどん底に落とされたのだ。

 私の自傷行為も私がクラスの人を軽蔑して行くにつれて日に日に深くなっていったのだ。

 そしてやっとの卒業。

 私は終わったらすぐに家に帰った。

 彼女は私がいじめられることによっていじめられなくなったのと同時に友達が沢山できたのだ。

 私よりもその子たちと居たいと言われた。

 一番一緒に居たと思っていたのに彼女の一番は私ではなかったことに対し私はそのことついても悲しかった。

 高校1年生、受験に失敗した私は私立の女子高に通うことになった。

 自転車で行ける範囲だったからそれでもよかったのかもしれないと私は思ったが母は私が落ちたことに対して近所の人の顔色を気にしたらしく、私が私立に通っていることを言いたくないなど私を目の前に行ってくるのだ。

 母がそのことを言わなくなるまで私は自傷行為が止まることはなかったし、母の人の顔色を伺うことでしか人と仲良く出来ない性格が嫌いになった。

 でも、私立に入って私は楽しかった。

 沢山の人とお弁当を共にして部活も先輩と楽しくして本当に家族の嫌なことも忘れることがあった。

 しかし、私は人と沢山関わることで人にと吐くと言うことを知ってしまい、家で嫌なことがあったら仲良くしてくれる子に沢山吐いてしまった。

 そのことで喧嘩したりすることも沢山出てきた。

 そして、恋に似た憧れもすることがあった。

 先輩が優しくしてくれた。

 先輩の愚痴を聞いて、先輩と一緒に夜遊びをして、先輩からプレゼントをもらってとても毎日が楽しかったのだ。

 人として好きなのかな?と思うこともあったけど、これは依存だと分かった。

 私が子供だから先輩と私が仲が良すぎてしまったせいで私は私以外の人と仲良くしている先輩が嫌だったときもあった。

 そんな大好きな先輩が私とあまり喋らなくなったのだ。

 何故なのか気になりいろんな人に聞いた。

 そして先輩と仲良くしていた先輩の友人の一人が理由を言ったのだ。

 私は先輩の表しか知らなかった。

 先輩は飽きるまで一人の人としか仲良くせず、飽きたら違う子と仲良くすると言う人だったようだ。

 私は先輩が信じれなくなった。

 今までの先輩の相談も手紙の内容も全部嘘だったのかと思うと私は辛くて、悲しくて、仲良くしてきたことの意味は何だったのだろうかと思うようになった。

 今でも先輩は何故そんなことをしたのかもわからないし、私は先輩にとってただのおもちゃだったのか問いかけたくなることもある。

 そして高校3年生、久しぶりにいじめにあうことになる。

 部活で仲間と上手くいかなくなり、そのストレスのせいか便秘になってしまった。

 どんなに踏ん張っても便は出て来ない。

 それが更にストレスを与え、嫌でも屁がお尻から出てくる。

 その匂いが便の出ないせいで余計に臭く醸し出し、クラスからいじめの対象になった。

 クラスの子が私の自転車の近くで何かしてるから何しているんだろうかと思っていたら針を刺されていたらしく、自転車が毎日空気が抜かされていた。

 新しくしても新しくしてもパンクさせられて自転車ではなく電車で行くことも多くなった。

 そんな時部活仲間とも亀裂が入り、私は部活に行かなくなった。

 その時支えになってくれた子が一人居た。

 高校2年生の時に選択科目の授業で一緒になった子だった。

 彼女に吐け愚痴の手紙を書くことで心の救いになっていたが受験シーズンになった時、家に帰ると妹も母も静かに勉強させてはくれなかった。

 わざと爆笑したり、わざとTVの音量を上げたり、とてもうるさかった。

 うるさいと言ったのだけれどうるさくすることを止めてはくれなかったのだ。

 そんな母や妹の結果もあり、看護師になりたくて受けた看護の専門学校は不合格に終わった。

 なのに受験を受けさせたお金がもったいないだとか親は私を攻めてくるのだ。

 私は家族のせいにしている。

 うるさいと言ったのだから、その結果が出なかったのは協力性のない家族のせいだと思うからだ。

 学校はもう行きたくなかったし、もう一度受けることは嫌だった。

 しかし、おばあちゃん家にたまたま泊まりに行ったとき、おばあちゃんが言ってきたのだ。

 私は勉強したくても中学までしか行けなかったから、大学には行ってほしいな。と。

 頭には入らないが授業を受けるのは好きだったし、私は面接だけ受けたら受かる女子だけの短期大学を受けることにした。

 そうして私は選択科目の授業で一緒だった子の学科を受けて合格したのだった。

 しかし、短大1年生の冬、コースで一緒の子の彼氏の友達と恋人になったわけだが浮気者でとてもエロイ人だった。

 そんなわけで私は別れてのだがコースの子の彼氏がSNSのタイムラインで元カレの写真をさらすので私はコースの子にコースの子の彼氏と縁を切っていいかと言うことを聞いてみた。

 だが、それからコースの子と仲良くなくなってしまい、恨みを買うことになってしまったのだ。

 卒論を書きながら回想していたことが終わり、なんだか暖かいものが飲みたくなり、ココアを作りにキッチンに向かう。

 今はテスト期間中みたいで妹は何も意地悪なことはしてこない。

 ココアを作り、部屋に戻ると友人から気の抜けるSNSが届いていた。

 それになんだか微笑みかけ返信を返す。

 私はこれからも誰かに染まることはなく、自分の存在を貫いて行くために人を軽蔑し続けて生きていくのかと思ったら、私はそこら辺に居る人よりも寂しく死んでいくのかと思うと寂しい。

 しかし、きっと自分と言う存在は誰よりも大切に出来るのだろうから、そういう面では幸せなのかもしれない。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 全体的に素晴らしい作品だと思いますが、主人公が、イジメられて辛かったのか、辛くなかったのか、はっきりわかるといいと思います。 [一言] 主人公の気持ちの変化の描写が綺麗でした。 とても…
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