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転生してしまった私は。

結構よく場面が転換します。

***←のマークが出てきたら、転換してます。

世界が、スローモーションで駆け巡る。

周りの雑音が聞こえなくなって、私は地面にたたきつけられた。

視界の端から、赤いモノが遠ざかる。

――轢かれたのか。

考える頭は嫌に冷静で、むしろどんどん冷めきっていって。

世界から色がなくなって、私の意識はぷつりと切れた。…はずだった。



***



…なんだろう、周りがやけに騒がしい。

ざわざわと、何かが動く音がする。

って、私さっき車に轢かれて死んだんじゃなかったっけ。

音なんて聞こえてくるはずないし、そもそも意識がはっきりしていることがおかしい。

不思議に思った私は、やけに重い瞼にぐっと力を込めて無理やり持ち上げた。

私の目に映ったものは。



「真尋ちゃーん!ああもう、かわいいなあ!」



顔をでれっでれに崩したイケメンでした。

ちょっと待って、どういうことなの。



「!玲子さん、真尋ちゃんが目を覚ましたよ!」

「あら、本当ですね」

「真尋ちゃん、パパですよー!」

「私がママですよ。よろしくお願いしますね、真尋」



イケメンが隣にいた女の人(これまた美人)に声をかけると、美人さんがにっこり笑って私を抱き上げた。…抱き上げた?



「おぎゃあ!?(なんで!?)」



口からこぼれた言葉は、まるで赤ん坊。

恐る恐る視線を手に向けると、紅葉のような、なんて表現が似合いそうなぷくぷくした手のひら。

私、赤ん坊になってる…?

理解した瞬間、意識がブラックアウトした。

どうやら気絶したらしい。



***



死んで起きたら赤ん坊になっていた、なんて衝撃展開を迎えてから約3年。

諦めの境地に達した私は、いわゆる羞恥イベントなんてモノを遠い目と現実逃避でやり過ごし、どうにか生きていた。

今の目標は目指せ、大往生だ。

今世の家族は「東雲家」、私の名前は真尋。

私の大好きな乙女ゲームの中に、東雲真尋という名のキャラがいたのだが…オタクだった私には、嫌な予感がしてならない。

外れろ、頼むから。



「真尋?」

「あーにっ?」



子供らしくにぱっと笑って首を傾げる。

お母様、いつ見ても美人ですなあ。



「今日はあなたの婚約者に会いに行きますよ。…なんて、婚約者といってもわかりませんよね」

「う?」



こ、婚約者?

東雲家が大きな財閥だということは理解していたが、こんな3歳児にまで婚約者がいるとは…



「大丈夫ですよ、とてもいい子だそうだから」



ニコニコと笑うお母様に、とりあえず頷いておいた。



***



「まあ、あなたが真尋ちゃんね?一宮琴乃です、よろしく」

「しののめまひろ、さんさいです!」



指を三の形にして無邪気に笑う。

子供のふりをするって、結構疲れるんだよなあ。

というか、今一宮って言いませんでした?

"東雲" "一宮" "婚約者"…これは、ひょっとして…



「いちみやとうやだ」



うわああああああああああ!!!

やっぱりかよ!

…ぐすっ、仕方ないから認めよう。

私は乙女ゲーム「君への愛を紡ぐ」で私が一番好きだったキャラクター、「東雲真尋」なわけだ!

こうなりゃもうヤケだよ!



「よろしくね、とうやくん」

「とうやでいい、よろしくまひろ」



そっぽを向いた幼い彼に、前世画面越しに見た"彼"の面影が見えて、思わず目を細めた。

ここは現実、ゲームじゃない。

分かっていても、気持ちが追い付くのは遅くなりそうだ。




次回は大きくしたいですね…

早く他のキャラも出したいです。

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