月光
月の見える窓辺に座り、明るい夜空を眺めると、
君は、この月に何を語りかけているのだろう、
そんなことを想います。
さやけく風に、けやきの木が囁きます。
自転車を停める音が、聞えてきます。
赤子の泣く声が、小さくなっていきます。
静まった住宅に、電燈が灯りました。
あの暗闇の向こうで、誰か、私と同じ、
この月の明るさを眺めてくれているのでしょうか。
そろそろ、寝ましょうか。
月のかかる、この同じ夜空の下で、
愛する人の寝息が聞えてきそうです。
寝ましょう。
おやすみ、月の下にいる、人々たち。