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十五:―二○○二年六月六日 二三時十五分―

「おーい、二人とも居るかぁ?」


 事務室の扉を叩きながら、堀さんが声をかける。夜の廊下は、相変わらず雨音が響いている。この廃校の暗さにも、慣れてしまった気がするから不思議だ。


「何?」


 少しして扉が開き、舞子さんが顔を覗かせた。事務室の奥には、菜摘さんも居た。椅子に座る後ろ頭が廊下から見える。


「あの、私も職員室でこの人達と一緒に居ようと思いまして……」

「ふぅん、そう」


 成美さんの言葉に、舞子さんが興味なさげに頷いた。どうやら舞子さんと成美さんは、それほど仲は良くないようだ。いや、そもそも年も違うし、元々接点の無い赤の他人なのだから、素っ気ない態度になるのは自然か。


「あんた達はどうするんだ。一緒に職員室に来るか?」

「んー、どうする菜摘」


 舞子さんが振り返り、菜摘さんに意見を求める。やがてこちらに向き直り、首を横に振った。


「別にいいって。私達は保健室で寝るわ。あそこなら、ベッドもあるし」

「ん、そうか」


 舞子さんの言葉に堀さんは頷き、軽く手を振って踵を返した。成美さんも頭を下げ、それに続く。二人を追いかけるように、池中さんがのしのしと歩き出す。


「お二人も、気をつけてくださいね」

「ええ、分かっているわ」


 僕は一応そう声をかけてから、皆の後を追った。

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