表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姫プレイ聖女~冒険者に憧れた少年は聖女となり姫プレイするのです~  作者: 功野 涼し
聖女セシリア

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

269/283

第257話 これが私のスキル!

 ラファーが走り抜けると同時にセシリアが放つ斬撃は、ドルテが放った斬撃とぶつかり宙で激しく散る。

 背中から闇を噴出しながら地面スレスレを飛び剣を振るう魔王の鎧の攻撃を、ラファーが角で受け止める。


 ラファーの背に乗っているセシリアはドルテの攻撃を避けるため、背から飛び降り斬撃を避ける。避けられたドルテは、セシリアを追うわけではなく、巨大な剣を受け止めていたラファーの顔面を蹴る。

 それと同時に魔王の鎧が剣で角を押し、二人の攻撃を受けたラファーが吹き飛ばされて、遠くで土煙が上がる。


 セシリアが翼を広げ飛び上がろうとすると、魔王の鎧が降下しながら振り下ろす剣を受け流す。地面にぶつかって地面を抉った巨大な剣をそのまま地面を削りながら魔王の鎧が強引の振るう。


 屈んで避けたセシリアに、ドルテの魔剣が襲い掛かる。聖剣で受け刀身に渦巻く影が魔剣を逸らし流す。剣筋を逸らされながらも踏ん張ったドルテが背中に生えた闇をセシリアの背中目掛け伸ばし、同時に魔王の鎧が突きを繰り出す。


 足下の影が闇を受け止め、羽ばたき体を浮かせたセシリアが魔王の鎧の剣の上に立つ。


 魔王の鎧の背後から飛んできた二本の矢が、魔王の鎧に当たることなく首を挟んで左右に抜ける。飛んできた矢を影が掴むとセシリアは、立っていた剣を蹴って飛び上がり空中でバク転しその下を矢を持った影が走り魔王の鎧に矢尻を突き立てる。


 正確には矢に引っ付いてた魔力の糸で編んだ紐を、魔王の鎧の腕に巻きつける。


「今だ引けぇ‼」


「「「おおおっ!!」」」


 混合軍が雄叫びを上げ紐を引っ張る。


「ただの人間がお父様の鎧に敵うわけがありません」


「そう思うなら、認識を改めることをお勧めするよ」


 聖剣と魔剣をぶつけ合ったセシリアとドルテが言葉を交わすと、足下と背中から伸びた影と闇が激しくぶつかり合う。


 影と闇がぶつかる中を聖剣と魔剣が火花を散らす。セシリア越しに見えた光景にドルテが目を見開く。


 魔力の紐で捕らえた魔王の鎧に集まる人間とピエトラ、ウーファーが協力して戦い徐々に魔王の鎧を押し始める様子を、ドルテは信じられないものでも見るかのような表情で見つめてしまう。


 魔王の鎧が振るう剣をピエトラが石化した翼で受け止め吹き飛ばされるも、その間に人間が魔王の鎧の足を攻撃しつつ動きを鈍らせたところをウーファーが突進して吹き飛ばす。

 地面を転がった魔王の鎧を別働隊が取り囲んで、魔力の紐やら普通のロープやらを使い動きを鈍らせると蜘蛛の子を散らすように一斉にその場を離れる。


 その瞬間ウーファーの放つ高圧の水流が魔王の鎧を襲う。高圧の水流に思わず手に持った剣を手放してしまう。


 水流に巻き込まれ飛んで地面に落ちた剣を、さらに別働隊が回収にしにいき、数十人で持ち上げると走って魔王の鎧から遠ざけていく。


 魔物が人間を、人間が魔物の動きを考え巨大な敵び立ち向かう姿を、セシリア越しに見たドルテと目が合ったセシリアが微笑む。


「本当は誰もが相手のことを知って、お互いを思いやれば大きな力を発揮できるんだよ。それはドルテ、君もおなじなんだけど」


「わたくしもですか……それは叶わないこと。ですからこそ、こうしてわたくしとセシリアお姉様は剣をかわしているのではないでしょうか?」


「叶わないじゃなくて、知り合う過程ってことにはならないかな? 過程でぶつかり合うことはあるし。まあ、ちょっと激しいけど……」


 空中で会話を交わしながら斬り合う二人が同時に振るった聖剣と魔剣がぶつかり、紫の光と闇が地上に降りそそぐ。


「人間がわたくしたちを嫌うのです。干渉しないようにしても干渉してくる、ならば振り払うしかないんです!」


「そんなことは私がさせない。さっきも言ったけど私にはそれができる」


「聖女だからと……でしたら。わたくしが今からすることを見てもセシリアお姉様はわたくしを許せるでしょうか?」


 ドルテが指をパチンと鳴らすと、魔王の鎧の関節部から真っ黒な煙が噴き出し片腕と両足、頭と胴体とに分かれ散る。散った部位は各所で体から闇をビーム状にして混合軍を攻撃し始める。


 突然の攻撃に混合軍たちは吹き飛ばされたり、逃げまとう。そんな様子を見てほくそ笑んだドルテがセシリアを見る。その顔には「こんなことをするわたくしを受け入れることができますか?」と書いてあり、セシリアの行動を試すような薄ら笑う表情を見せる。


 ドルテの視線を受けても慌てることなく、ポシェットから綿毛のついた草、ポンポン草を取り出すと、それを聖剣を握ったまま優しく両手で包む。


「私のスキルは人を癒し、能力を向上させ、さらには希望を、夢を、勇気を与える。ついでにその他いろいろ幸運までついたりするとんでもなく凄いスキル!」


 セシリアの説明を目を丸くして聞くドルテの前で、セシリアが手を開くとポンポン草は弾け綿毛が舞う。綿毛はセシリアの魔力を含みほんのりと紫色に光りセシリアの手の上でふわふわと浮いている。


「魔王との戦いも佳境。ここが踏ん張りどころです。皆さんの力をあと少し貸してください!!」


 セシリアの掌に魔力が集まるとその掌を上に掲げる。集まった魔力が弾けポンポン草の綿毛が地上に降りそそぐ。


 聖剣シャルルの集めた魔力の供給により地上に綿毛が一気に広がり舞い上がる。戦場一帯を包む綿毛は弾け全てに等しく癒しを与える。


 そして混合軍たちから雄叫びが上がると魔王の鎧に飛び掛かる。力が溢れ強くなった気がする人々は魔王の鎧を押し返し始める。


「これが私の力。一人ではなにもできないけど、みんなと力を合わせて何でもできるようになるスキルなんだよ!」


 セシリアはドヤ顔で言い切る。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ