人物紹介と設定 〜その⑩〜
◎人物紹介
〇リュイ
プレリ族の娘。セシリアと同い年で十六歳。父親はグレヌと言って、危険なミストラル大森林に入って狩りをすることができるプレリ族でも優秀な狩人。
娘であるリュイも狩りを教わり、森での生き方を学んできた。スパルタな父親の特訓のかいもあり狩人としての能力はかなり高く、特に弓の腕前はかなりのもの。サバイバル知識も豊富で森での衣食住を一通りこなせる。
ただ極度の人見知りで同じプレリ族でも村が違うと会話するのも苦労する。慣れてくればそれなりに話せるが、どこかぎこちなさが残ってしまう。
スキルは『受け流し』攻撃を受け流しダメージを軽減することができ、弱い攻撃なら無効にできる。またスキル発動と相手の攻撃の当たるタイミングが重なると相手に衝撃を与えバランスを崩すことができる。
使うことが出来ればかなり強力なスキルであるが、リュイは盾を使うのが苦手で、タイミングが分からないので今まで一度も成功したことはない。
セシリアとの出会いで内気な自分を変えたいと思い立ち、セシリアと旅に出ることになる。
〇ペティ
本名はプチカ・ペティ・オワゾー・ファミリュ・ソーニード。ペティは音の響きが気に入っているから、そう呼んでもらっている。
彼女の持つスキルは『粘着』であり、魔力を介しないと自分の手が引っ付くので、基本は自身の魔力に付与して使うことで物と物をくっつけたりして使う。
接着ではないので、永続的には引っ付くことはなく引き剥がすことは可能。粘度は調整することができ、一瞬であれば接着と同様の力はある。
スキル持ちであるが、母である女王の持つスキルと比べ今一使いどころの分からない『粘着』と言うスキルから比較され、主にエルフのお偉いさんたちからバカにされている。
スキルを持っていること、そのスキルがどれだけ凄いのかを重んじる昔ながらの風潮があるエルフの里において、スキルを持っていないことをバカにされていたファラたちと出会い今のエルフの里にたいする不満を訴えるため、遊戯人であるミホが残したマンガから着想を得て、森を走る集団の総長となる。
『シクハック』は四苦八苦、マンガに書いてあった言葉でもちろん意味は分かっていないが響きが気に入ったと、ファラと二人で名付けた。
騒ぐことで初めこそ話しを聞いてくれたりしていたが、次第に迷惑がられているだけの存在になってしまっていることに焦りを感じていた。
ただ、四人で過ごす時間は楽しく、現状のままでもいいかもと言う気持ちと、改革したい気持ちの狭間で揺れていたりしていたところセシリアと出会う。
セシリアと一緒に人間の世界へ出ることになった今、楽しくて仕方なかったりする。
〇ファラ
本名はファラ・エノシス・ホーズ・コンプリメント。
とても明るい性格のショートボブな娘。緑色の髪が多いエルフの里では、スキルがない上に髪が赤みがかっているファラは周りから避けられていた過去がある。
エルフの里でバカにされていたところをペティと出会い助けてもらい仲良くなる。
幼いころ部屋にこもって一人で過ごすことが多かったことから裁縫が得意。ペティたちの着ている服はファラが作ったものであり、色合いデザインともエルフの民が着るものと違い、スカートも短く可愛らしいファッションとなっている。ペティたちそれぞれにテーマカラーを考えたのも彼女である。
〇カメリア
本名はカメリア・アムール・エテルネル・ボーテ・パフェ。
どこかほんわりとした空気を漂わせることがある彼女は、四人のなかで一番年上だったりする。スキルは持っておらずぼんやりした性格で、肩よりやや長いロングの髪は青味が強くそのこともあって周りから変わり者扱いされていた。
川に水を汲みにきたとき、ワイキュルに乗って走るペティとファラと出会い衝撃を受け自分も乗ってみたいと仲間に加わることになる。
料理が得意で、家出をしているペティとファラの適当な食生活に革命をもたらした人物。
〇ノルン
本名はノルン・キュルホーズ・アムルゥ・アヴェック。
前髪のあるマッシュショートの彼女はぶかぶかのネックウォーマーで口元まで隠し、腕に意味のない包帯を巻く中二病を患いであり、黒歴史を刻んでいる最中である。
四人のなかでは一番年下で、可愛がられているが本人はカッコイイと言われたい。
日頃ボソッと喋るが、本当は普通に喋ることができる。
元々恥ずかしがり屋で人と接することが苦手だが、スキルも持っていないことから余計に人と関わることを避けていた。
エルフの里に迷惑を掛けるペティたちがどんな人たちなのか興味を持ち、三人をつけ回していたところを捕獲され仲間に加わることになる。
手先が器用で三人の髪を切ったり、ワイキュルに乗るための鞍や靴、狩りを行う道具や調理器具の補修などを担当している。
〇アンメール女王
エルフの里シンティラーテルの現女王で本名は、アムー・アンメール・ポルソン・アンフェル・ボヌーコネドル・リミルト・エスメラル。
ペティの母親であり、いつも物静かな見た目と喋り方をしているが本来はもっと砕けて喋りたい人。
伝統やスキルを重んじるエルフの里を少しずつ改革してはいるが、昔からのあるものを変えるのは容易ではない。特にエルフは長寿であるため、ご尊老と呼ばれる前女王たちの監視の目にさらされ苦労している。
彼女の持つスキルは『幾星霜』、起きたことを刻み歴史として書き記すもの。
過去に起きたことを史実として書くことができるが、登場人物の細かい人柄などは分からず、あくまでも誰がどこで何をしたかと言ういわ、ゆる5W1Hのざっくりしたことしか分からない。
長寿であるエルフが持つには相性のいいスキルで過去の出来事を記し書物として残しているが、三百年前に起きた人間と魔族の争いの一部が欠けているので、その部分が取り戻せるかもしれないとセシリアに期待していたりする。
よく隣にいるアクト(本名:アクト・レプラ・クラージュ・ドメレファク・パンセ)と身の回りをお世話するベル(本名:アプレ・プリュイ・ベル・ターム・シューレル)とは旧知の仲で、実は大昔三人でエルフの里を変えてやると意気込んでいた仲だったりする。
裏でコッソリとペティたちを、自分たちが昔使っていた小屋の跡地に誘導し、周囲の魔物を見張るため里周辺の警備を強化して面倒を見ていたりする。
◎設定
○エルフについて
長寿の種族で、大体十六~二十歳までで外見の成長が止まり、後は長い時間を生きていく。長い時間を生きていくゆえに年齢を数えない者が多く自分の正確な歳を知らない者も多い。
長い名前は生きて来た証として、なにかの記念や思い出、何百年かの節目で新たに名前を自分でつけていく。一番前にある名が生まれとき親からつけられた名であり、うしろについた名は自分でつけたした名前である。
名前が長いほど生きて来た年月が長いともいえるが、一定数めんどくさがりな者もいて名前を増やさなかったりお気に入りの名だけで呼ぶ者もいるためあくまでも長く生きた目安にしかならず絶対ではない。
魔力の保有量は人間よりかなり大きく、魔族よりも低い。立ち位置的には真ん中。
ただ争いを好む性格でない者が多く、森の中でのんびり過ごすことを望み、歴史上表に出ることは少なく争いの傍観者であることが多い。
男女で仕事を分け、住む場所も違うこの形態は大陸で見られ他の場所では見られないことから独特な進化を遂げたのだと推測される。
◯ワイキュル
トカゲなどと呼ばれるが、立派なドラゴンの一種。走ることが好きで、力も強くジャンプ力もあるワイキュルはエルフの里で狩りや農業にと活躍している。
卵から生まれてすぐに見たものを親と思い込む性質がありそれを利用して懐かせている。
ペティたちの乗るワイキュルは、野生のワイキュルの卵を手に入れたと本人たちは思い込んでいるが、実際はアンメール女王が裏で手回して手に入れた子たちである。全員に名前がある。
ペティ……クリール
ファラ……ヌクロン
カメリア……ヴクレ
ノルン……エクール
となっている。