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テーマ詩集:昆虫採集

蟻よ アディオス

作者: 歌川 詩季

 チャオ。

 朝から夜まで 汗だくで

 西から東へ かけめぐりゃ

 すぐにぼろきれ そいつぁごめんだね

 ふて寝ですごせば このまま昼さがり


 (けず)れて すりきれ散るも(アリ)

 咲かせて ()ぜて散るも(アリ)


 どっちの(アリ)でも かわらねえなら

 おのれの生きざまだろ 好きにやれ

 文句あるのか? 来世で聞いてやる

 そんじゃ こいつが今生(こんじょう)の別れさ


 アディオス



 相容(あいい)れないときゃ べつの道

 受け()れないときゃ 吐き出せと

 やがて孤独が うまく()まったら

 背中にゃ木枯らし 身に(まと)うのもいい


 群れへと 尽くして死ぬも(アリ)

 荒野の 薔薇(ばら)一輪も(アリ)


 どっちの(アリ)でも かまわねえなら

 あんたの死にざまだし ご自由に

 看取(みと)ってやれず すまなく思うけど

 そんで こいつが永劫(えいごう)の別れさ


 アディオス

 アウフ、ヴィダーゼーエン。

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― 新着の感想 ―
[一言] 薔薇一輪の蟻 目にまつげのついた蟻が浮かびました 女王アリではない普通の蟻というとこがポイント 蟻って羽あり以外も雄だっただろうか。
[一言] 私の気持ちとしては、群れを外れる方が好きです。 群れの中で全く働かないと言われる20%の蟻も 気になります。でもきっと、それも群れの中の 役割なんだろうな、、。
[一言]  クワドリンガル!!!
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