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テーマ詩集:ROCK'N'ROLL

ROCK'N'ROLL FLAME

作者: 歌川 詩季

 ほんと。炎属性、苦手です!

 (まき)の無い炎が燃え続けるのは 困難すぎるミッション

 深呼吸ひとつして まわりを ほら見渡してみたなら


 ケツの青い夢だとか 馬鹿を見た色恋沙汰とか

 枯れ木たちの(にぎ)わいは

 山奥へ行かずとも ころがってるけど

 それより得難きは むしろ種火のほうだろう


 なりたいもんだぜ

 非のうちどころすらない火打ち石

 永久凍土のコンクリートに

 赤い根を張った 紅蓮が咲き誇るのは

 間延びした永遠が(うらや)むほどの刹那


 長丁場よりは 修羅場が似合う

 ROCK'N'ROLL FLAME



 覇気のない顔に(くすぶ)り続けるのは 残念すぎるパッション

 熱気球ひとつない空でも まだ見限るのは早い


 腹の黒い欲だとか 泣きを見た地獄の沙汰とか

 ()き木として くべるなら

 人里のそこらじゅう あふれかえるけど

 いずれも戦火をもたらす口火となるだろう


 なりたくはない

 待ちぼうけのまま湿気るマッチ棒

 絶対零度のアスファルトに

 花片(はなびら)を散らす 紅蓮が息絶えるなら

 (ゆる)やかな永遠が(ねた)んだまでの刹那


 土壇場(どたんば)になりゃ 濡れ場も焦がす

 ROCK'N'ROLL FLAME

 炎って。

 永遠と瞬間。

 正反対の、両方のイメージをもってますよね。

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