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番外編 質問で多い内容に回答します!(メタ注意)

「こんにちは、クレアです。いつも読んで感想をくださりありがとうございます。この作品はアルファポリス様基準の短編連載として書いたものを、長編改稿しているものです。メッタメタな感じでまとめて似たような疑問に関して答えて行こうと思いますので、この番外編の内容を読んでも『いやおかしい』という場合は合わないという事なので、読むのはやめた方がいいかと思います。作者の考えうる限りの事は主題が逸れないようにそれとなく作中に散りばめていますので、これは本当に本編と関係のない番外編です!」


「クレア、挨拶が長くないかい? とりあえず始めて行こうよ」


「はい、アグリア殿下。前提は大事なのでつい……、あ、私とアグリア殿下の会話形式で進みますのでその点もご了承ください」


「うん、じゃあまず質問の多い『何故地図も紙も本も無いのに戦争に勝てたのか』だね。クレアには分かるんじゃないかな? バラトニアに来て違いがよく分かっているだろう?」


「そうなんですよね。まず、何代もの間バラトニアは属国でした。植民地化されています。ただ、フェイトナム帝国は多数の国を属国に持っているので、そこまでガチガチに縛っている訳じゃないんですよ。よく疑問に出てきますが、地図があれば人は地図を見るので地形を覚えなくなります。バラトニアでは、フェイトナム帝国の監視下の元で交易も行って居ます。属国が儲かればフェイトナム帝国に入ってくるお金も大きくなりますからね。交易品をどうするか、他にも農作物や漁港の干し魚など、国中に売り捌いたり、農家は自分の作物を納めたり売りに出したり、とにかく地図の無い生活が当たり前、かつ、移動が頻繁なので、方向感覚の鋭さと地理の覚えの良さはフェイトナム帝国民より上です。フェイトナム帝国民の監視員が知らない道があっても当たり前です。さらには、監視員が『当たり前にいる』ので、敗戦まで間者という者は居ませんでしたし。なので地図の問題は『方向感覚と地形の覚えがかなり違う』という前提です。物凄く簡単に言えば、旅行先で登山のガイドさんが地図を見なくても案内してくれますよね? 観光地を案内している人も、観光地の地図はなくてもガイドしたり、人力車を走らせてる人も地図を見てないですよね。あれのすごく範囲が広い版の人たちがバラトニアの人たちです。皆生きる為に覚えた事ですし、毎日の事なので今どの道が使えてどの道が使えないか、もよく分かってます。長い期間属国としておとなしくして居たので監視員の報告も2〜3ヶ月に一回の定期報告、戦の前に纏めてふんじばって閉じ込めておけば数ヶ月は時間があります。軍議の場で口頭だけで地形の理解は難しいので、とにかく地理に詳しい人間を集めて地面に簡易的な地図を書き、どこから攻めるか、を決めます。……あと、よくバラトニアが文明レベルが違う、と言われてるのが不思議なんですけど……」


「まぁ、それは遅れてないとは言わないけど、作中でクレアが建物や食べ物や衣服に疑問を抱いていない事から分かるよね」


「はい。植民地化されているので、ある程度の文明は合わせられてます。だって自国民を住まわせてる訳ですから。知識は口頭でも伝わります。技術者の植民も本編でちゃんと書いてます。被服についての技術者の描写が無いのは、本編に関係ないからです。主要都市の上下水道の完備や公衆浴場という物ができたら、バラトニアの王族や貴族は家に同じ仕組みでお風呂を作りますしね。もともと食べ物を扱う農民や漁業の人、加工者の多い国ですから衛生観念や設備はフェイトナム帝国とそこまで大差無いです。植民が腹痛や発熱などで薬が必要な時にどの薬草を使うのかとか、それはバラトニアも一緒ですし……、このお話では国全体に謎の流行病が起こった時にあくまでも医師や医療関係の本をよこさなかった、知恵を付けさせるのは『危険だ』と判断したフェイトナムの手落ちです。バラトニアが独立すべしと判断したきっかけになっちゃったので」


「そうそう。クレアのおかげで助かったけどね。それにしても、クレアを嫁によこすなんて迂闊だよね、ってよく言われてるね」


「仕方ないです。フェイトナム帝国の女性に求められるのは社交の場での戦い。いかに美しく、男性をたて、更にはある程度の教養があって……知恵じゃないですよ、ダンスや詩歌音曲や詩集や流行や特産品の知識みたいなものです……強い国や貴族に嫁がせて結び付きを強くするのが王女の役目で価値ですから。こんなにお喋りで教養の面では……淑女教育の敗北と呼ばれた私は、フェイトナム帝国では価値がないので。良くも悪くもそういう文明なんですよ。で、私は匙を投げられたし、時間があったので知識の集まってくるフェイトナム帝国の王城で山のような本を読んでいた訳です。その内容を全部覚えているなんて、端から見下して価値無しとした人間に対して想像します? しませんって」


「うーん、見る目がないよねぇ。こんなに可愛くて賢くて勇気があって行動力があるのに……もご」


「……そういうのは夜のお茶の席でお願いします」


「あ、そういえば何故戦争に勝てたかだったっけ」


「そうそう、それです。まず、フェイトナムの属国のバラトニアもある程度戦力として数えられるんですよね。なので軍事訓練の禁止も無ければ兵も頭数を揃えていて貰わなければならなかった。騎士団があるのもそうですし、王侯貴族も兵を持っています。フェイトナムはむしろ指導してましたし。ある程度の知識がなければ指令を出す時にいちいち教えなければいけませんから。ただし、フェイトナム帝国が平時の戦力だったらバラトニアに負けない程度の兵力に抑えて」


「属国だからね。駆り出されたら兵を出さなければいけない」


「で、今回はフェイトナム帝国は少し遠くの国を制圧しに行きまして。バラトニアからはある程度の糧食を出させましたが、フェイトナム帝国の守りの兵は残しつつ相当数の兵が出兵したわけです。これ、本編に関係ないのでサラッと書いてることです。戦争した後にバラトニアは攻め込んだ、的に」


「そうだね。遠征となると戦い以外の場面で兵力が削がれる場合があるから。行って帰ってくるだけでも疲れるのに、属国に下す為には独立戦争とは違って制圧戦争になる。この世界の定義だと、独立戦争は『この位の兵力があって機を見ればこの位そちらの国にダメージを与えられるぞ、それでもまだ属国として飼いたいか』と、力を見せればいい。いつ裏切るか分からない国がいつの間にか大きな力をつけていたと。その上で、一年はまた制圧戦争を仕掛けて来られない程度に兵力、糧食を削る。ただ見せつけただけでは平時に付け込まれるから、国をさらに疲弊させておかないとね。その間にバラトニアも回復と更なる兵力の増強を行いつつ、和平を持ちかける。これが独立戦争だね。この世界の話だからね? 歴史と照らし合わせて『それはおかしい』は無しで頼むよ」


「制圧戦争は、その国を自分の国の下として完全に制圧するので、最低でも王都まで攻め込みますね。全滅状態(戦線が維持できない程度に兵力を削ります)まで徹底的にやって、和平ではなく属国に下るという形です。これも『この世界基準』なので、現実の歴史と照らし合わせて、おかしい! とか言わないでくださいね」


「制圧戦争を行なったとしたら、もちろんフェイトナムにも怪我人も出るし、遠征だから糧食も国の備えもだいぶ無かったと思うよ。バラトニアまで空っぽにしたら、後から追撃となった時にバラトニアの兵も養えないし、フェイトナムを挟んで更に別の属国を超えた先の戦線に運び込まれるわけだから……消費量が比じゃないからね。だから、バラトニアは『戦支度自体はおかしくない』状態で『フェイトナム側の監視官を監禁して』いて『万全の状態で疲弊したフェイトナム帝国に攻め込み』、独立戦争に勝利した、ということ。もちろん、それまで属国に甘んじていたけれど、我々は国全体が病に対して適切な対応をしてくれなかった、という『士気』もあったからね。このままじゃ死ぬんだ、自分たちで生きていかなければ、と」


「負けも有り得た戦争ではあったんですよ。ご指摘の通りまともな地図もないですしね。バラトニアはそれでも平和に暮らしていけていたので、きっかけが無ければ独立しようとも思っていませんでしたし。お陰で……戦争の傷跡も残りましたし。なんだかんだ長い間属国として見ていたから、フェイトナムの王女としては一番劣っている私を嫁……人質……生贄……約束を違えたらバラトニアはこの王女を殺すぞ、という意味でバラトニアに送り出されましたし。舐められてますよ! アグリア殿下!」


「でも私はクレア以外が来たら困ったからちょうどよかったよ。クレアが来るのも分かってたしね。戦争から1年、監視官は全て送り返して和平交渉をし、お互いの国で人の往来もあったから王城に間者も送り込めて、その前もいちいちフェイトナムに行っていた訳だからどんな価値観を持っていたのか知っていたし。属国……下に居る人間も上を観察しているのは、当然だよね。だからクレアが来ると思っていたよ。再会した時に覚えていてくれなかったのは寂しかったなぁ」


「そ、それは本当にすみません……、書物の覚えはいいんですけど、人の覚えは……バラトニアに来てからはよくなりましたよ! 人と接する機会が段違いですから!」


「ふふ、そう。クレアにとっても良いことだったなら良かった」


「もう! ……一応、これで気になられていた事は全部解説できましたかね? 正直本編には殆ど関係ない事なのですが、こんな感じです。『納得できない!』と言われてもこれ以上の説明は難しいというか、今日の更新分の時間を使ってこれを仕上げたので……、異世界恋愛なので! もっと結婚とか結婚の後の話とか気になってくれたら嬉しいですね!」


「私が浮気の心配をしなくちゃいけない場面もまだまだあるから、その点はお楽しみに。……私は楽しくないな」


「アグリア殿下に女性の影があったりなかったりするかもしれないので、そういう心配は私にもありますから」


「私はクレア一筋だよ」


「私も殿下一筋で……あぁ! こういうのは、やっぱりお茶の時間に! では、ざっくりと気になられていた点についての解説でした! 明日からまた本編をお楽しみに! ここで解説したことへのツッコミや反論は申し訳ありませんが、消します! これで『この異世界の話』として疑問があったところは決め打ちです! ではまた本編で!」


「たくさん考えて読んでくれてありがとう。作者もこの位は考えて書いてはいるけど、あくまでもこれは『恋愛』のお話だから、そっちを主題にして進めていこうと思うよ。これからもよければ、私たちの事を見守っていてね」

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