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Neptune~蒼海の守護者~  作者: SYSTEM-R
閑話休題・世界観設定
11/23

Neptune世界観設定(Q&A方式)

どうも、SYSTEM-Rです。今回は閑話休題として、世界観の設定の一部を公開したいと思います。普通にやっても面白くないので、ちょっと捻った趣向でQ&A方式にしてみました。分量的にも普段より軽めなので、Yahoo!知恵袋みたいな感じで読んでみてください。それではどうぞ。

 Q.同じ日本の軍人なのに、海軍(大佐、中佐、少佐…)と沿岸警備隊(一佐、二佐、三佐…)で階級名が違うのはなぜですか?


 A.作中の沿岸警備隊における階級制度は、現実世界における海上自衛隊のものをそのまま踏襲しています。海自の直接の後継たる国防海軍は、法令上も軍事組織であることを明確にするために、物語前段の「アジア海洋戦争」終結と海自からの組織改編を機に、階級制度を大日本帝国海軍に近いものに改正しました。


 一方の沿岸警備隊は、元々文民の組織である海上保安庁の後継という設定ですが、海保における階級制度はどちらかというと船員の役割分担に基づくものであるため、「海上における法執行機関としての顔も持つ軍事組織」に改編するうえで、そのまま流用するのは不適当と判断しました。よって、「将・佐・尉・曹・士」と軍事組織たることを意図した名称でありながら、海軍との管轄や指揮系統の違い(沿岸警備隊は国土交通省の外局扱い)が明確であり、かつ日本国民にもよりなじみの深い海自の階級制度を踏襲することとしました。


 Q.海軍と沿岸警備隊では、軍人としての格付けは同等ですか?


 A.階級名称は異なるものの完全に同格です(ただし例外として、沿岸警備隊には海軍大将に相当する階級はない)。実際作中でも、少佐である司や河内よりも一佐である蒼の方が、所属は違えど上官だという発言があります。彼らと同格なのは沿岸警備隊では三佐であり、ふそうクルーで言うと佐野倉・葛城・茶谷・白金・黒川が該当します。彼女たちに対しては、司や河内は公然とタメ口で話しかけても全く問題視されませんし、その逆もしかりです。


 ちなみに、司と河内は上官であるはずの蒼にタメ口を叩いても不問とされていますが、これは彼らが蒼と全く同じ生年月日に生まれた同級生、かつ司は蒼の双子の弟である身内、河内は接触した場面自体がそもそも非公式な場であったためであり、あくまでも例外的な事案です。また、作中世界では有事において沿岸警備隊は海軍の指揮下に入ることとなっているため、非公式には海軍側は沿岸警備隊を格下にみている部分もあるかもしれません。階級の対照表は下記のとおりです(カッコ内が海軍の階級)。


 将官

 ・――(大将)

 ・海将(中将)

 ・海将補(少将)


 佐官

 ・一等海佐(大佐)

 ・二等海佐(中佐)

 ・三等海佐(少佐)


 尉官

 ・一等海尉(大尉)

 ・二等海尉(中尉)

 ・三等海尉(少尉)


 准士官

 ・准海尉(准尉)


 下士官(曹)

 ・海曹長(兵曹長)

 ・一等海曹(一等兵曹)

 ・二等海曹(二等兵曹)

 ・三等海曹(三等兵曹)


 士・兵

 ・海士長(水兵長)

 ・一等海士(一等水兵)

 ・二等海士(二等水兵)


 Q.現実世界における海保巡視船は軍艦とは異なる位置づけですが、この世界ではどうなるのですか?


 A.作中では、沿岸警備隊が保有する艦船は全て「巡視船」「巡視艇」のいずれかのグループに属する(沿岸警備艦は作中における日本の法令上、大型巡視船の一類型という扱い)こととなっていますが、沿岸警備艦以外の巡視船艇にしても「国軍に属し」「軍艦旗(作中での正式名は「警備艦旗」)を掲げ」「将校名簿に記載されている士官によって指揮され」「正規の軍隊の規律に服する乗組員が配置されている」という定義を満たすため、国際法上は軍艦扱いとなります。当然、法令上は他国海軍艦艇とも交戦することは可能ですが、実際にはスペックの観点から沿岸警備艦がその任務を負っています。「沿岸警備艦」「巡視船」「巡視艇」という分類は、排水量や実務上の役割分担によるところが大きいです。


 Q.沿岸警備艦の定義は何ですか?また、艦種記号「MGV」の由来は?


 A.沿岸警備隊に所属する大型巡視船のうち、次の定義を全て満たすものが沿岸警備艦とされています。


 (1)基準排水量が5000tを超えること(なお、作中に登場する「ふそう」「やましろ」「ながと」「むつ」は全て基準排水量7700t以上)

 (2)5インチ以上の口径の速射砲、魚雷や哨戒ヘリなどの対潜装備など、充実した攻撃兵装を有すること

 (3)ガスタービンエンジンを1つ以上搭載していること

 (4)艦体が軍艦構造で設計されていること


 また、艦種記号「MGV」は「Maritime Guard Vessel」の頭文字ですが、元々は警備ということでMPV(Maritime Patrol Vessel)なども考えていました。しかし、現実的に負っている任務が単なる「警備」の範疇を超えるものであるため、PatrolではなくGuardの語を使うものとしました。


 Q.ふそうクルーが全員女性隊員である理由は?


 A.ふそうクルーは総員248名全員が女性となっており、沿岸警備隊全体の女性隊員750名のおよそ1/3に相当します。ふそう以外の沿岸警備艦や巡視船艇にも女性隊員はいる(今のところ登場予定はありませんが)ものの、主力はあくまでも男性隊員です。ふそう自身も男女両方の生活設備を備え、かつては男女両方のクルーが乗っていたものの、作中現在ではある理由によって全て女性に置き換わりました。「軍艦の乗員が全員女性」というアイデアは、「ハイスクールフリート」から着想を得ている部分がありますが、もちろん理由付けは本作独自のものを考えています。このあたりの経緯については、いずれ触れていきたいと思います。


 Q.佐世保が舞台なのに、標準語でしゃべるキャラ多すぎない?


 A.挿絵がない分、方言キャラはあまり多くなりすぎるとごちゃごちゃで分かりにくくなるため、長崎弁を常用するキャラクターは意識して少なめにしています。蒼にしても、基本的には身内相手にしか方言では話しません。また、そもそも作者は元々関東の人間ですので、標準語の方が書きやすいという面もあります。


 Q.ふそうクルーの年齢層はかなり若いのですか?


 A.「蒼が30歳にして一佐であり艦長」というあたりを強調して書いていますが、そもそも曹士を含めたクルー最年長が茶谷の40歳であり、佐官の面々にしてもほとんどが30代前半から中盤くらいです。灰原や我那覇(ともに28歳)、柳田(26歳)といった尉官は20代半ばから後半くらい。フィクションの女性キャラという基準だけで考えればBBA扱いになるのでしょうが、士官クラスの軍人と考えると現実の軍隊よりはかなり若いと思います。


 Q.この世界での憲法9条は、どのような条文になっていますか?


 A.以下のような文言に改正されています。沿岸警備隊は「その他の戦力」に含まれます。もちろん、実際の最高指揮官は文民たる内閣総理大臣です。なお、現実世界における改憲論議においても、1つの現実的選択肢としてこうした規定となることは将来的にありうるのではないか、と個人的には考えています。


 9条1項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。


 9条2項 日本国は国際紛争の発生を抑止し、以て日本国民の生命や財産の安全を維持する手段として、陸海空軍およびその他の戦力を保持することができる。前項の規定にかかわらず、武力による威嚇又は武力の行使を受けたことにより、前記の目的の達成が不能となり、かつ他に代えることのできる紛争解決手段が存在しない時は、日本国はこれらの戦力を指揮統率し防衛にあたる義務を負う。


 9条3項 前項における陸海空軍およびその他の戦力の権能は、別途法律によりこれを定める。

次回からは本編に戻る予定です。どうぞお楽しみに。それではまたお会いしましょう。

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