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Neptune~蒼海の守護者~  作者: SYSTEM-R
始まりの日
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始まりの日

初めまして、SYSTEM-Rです。本日より「Neptune~蒼海の守護者~」の連載を始めたいと思います。何卒宜しくお願い致します。

 白い雲がかかった真っ青な空と、濃い藍色に染まった大海原。前へと進むたびに潮の香りを含んだ海風が頬を撫で、耳には船の機関が放つ爆音に交じって、時折海鳥たちのさえずりが聞こえてくる。多くの船乗りたちにとっては、これらの情景は実によく慣れ親しんだ穏やかな日常の一部と言えるかもしれない。

 だが残念ながら、この空間は常に平和とは限らないのだ。海の上を征く時の緊迫感は、時としてその程度のことでは覆い隠せない類のものであることも多いのだから。今まさにここにも、そうした緊迫感を胸に自身の仕事に励む者がいる。「ふそう」と名付けられたこの艦を率いる真行寺蒼(しんぎょうじあおい)一等海佐は腕を組んだまま、眼前を征く一隻の船の姿を艦橋から厳しい表情でじっと見つめていた。

 「艦橋、CIC(戦闘指揮所)。艦長、報告します」

 ふと、これまた緊張した声で艦内無線を通じて彼女に呼びかける者がいる。この船のNo.2であり、彼女にとっての右腕でもある副長兼砲雷長の沢渡真白(さわたりましろ)二等海佐だった。

 「該船、現在時刻1128を以て漁業法第141条2項の立入検査忌避が成立しました。本艦より音声や信号旗により停船を繰り返し求めるも、該船は呼びかけには応じず。これ以上呼びかけを続行しても停船には応じないものと判断、隊法第20条2項の規定に基づき武器使用を具申します」

 「CIC、艦橋。了解」

 蒼は頷きながらそう答えると、厳しい表情を崩さないまま一言「TAO戦術行動士官、総員配置」と沢渡に告げる。総員配置。このたった4文字の簡潔な指示は、「ふそう」乗員248名の緊張感を最高潮に高めるスイッチとも呼べるある種「魔法のことば」だ。無線からは、さらに緊迫感を増した沢渡二佐の声が聞こえてきた。

 「現在時刻1128、該船を攻撃対象と認定する。総員第一種戦闘配置。対水上戦闘用意!!」

 「対水上戦闘用意!!」

 そのセリフが復唱されるや否や、「ふそう」艦内全域に各個要員の配置と戦闘準備を命じるサイレンが響き渡った。階下からは、大急ぎで自身の指定された配置位置に向かう隊員たちの足音が聞こえてくる。その音を聞きながら、蒼は再び自身が攻撃対象と指定した船を睨みつけた。

 今、「ふそう」の右前方45度の位置を並走し続けているこの船は、もう1時間ほどにわたってこちらとの追いかけっこを続けている。排水量は満載350トンほどだから、同じく満載で9920トンにも及ぶ「ふそう」と比べればだいぶ小型だ。だが、たとえ小さな相手だからと言って侮ることは許されない。今の自分たちには、この船を捕らえなければならない明確な理由があるのだから。そうこうしているうちに、艦内の戦闘準備は手際よく整えられていた。

 「主砲目標よし、砲口監視員砲口よし、射撃用意よし!!」

 「各部要員配置よし!!」

 次々に上がってくる報告に頷くと、蒼はCICに控える沢渡に対して本戦闘に係る最初の命令を下した。

 「1番砲、警告射撃用意。方位角45度、仰角80度に備え」

 「警告射撃用意、1番砲45の80に備え」

 その返答と復唱に引き続き、艦橋の窓の向こう側に見える主砲が音を立てて旋回を始めた。オート・メラーラ54口径127mm単装速射砲。分間44発という優れた連射性能と威力を兼ね備えるこの砲は、型式こそやや古いものの「ふそう」にとっては最近内部の整備を終えたばかりの、新品も同然の頼れる兵装だ。今回のターゲットは、砲撃が直接当たれば簡単に沈めてしまえる相手だが、これからやろうとしているのはまだあくまでも警告射撃に過ぎない。今重要視されているのは、しかるべき手順をしっかりと踏むことだ。

 「1番砲、45の80に備えた。調定よし」

 CICから報告が上がる。

 「1番砲、警告射撃始め。発射弾数4発」

 「警告射、発射弾数4発。1番砲、撃ちー方始めー!!」

 「てぇっ!!」

 流れるような3段階の号令の後、大空に向いた砲身から「ズドン」という音を立てて、砲弾が約3秒に2発のペースで4度続けて高々と舞い上がった。耳をつんざくような発射音と、腹に来る衝撃が隊員たちを襲う。だが、「ふそう」乗員たちにとってこれはさして驚いたり怯んだりするようなものではない。これはあくまでも、彼らなりの日常の一部であり仕事なのだから。

 「CIC撃ち方控え」

 「撃ち方控え、砲中弾無し」

 蒼の命で、既定の弾数を発射した主砲はその動きを止めた。蒼はただちに、艦橋でターゲットの動きを監視中の見張り員に呼びかける。

 「見張り員、該船の状況知らせ」

 「該船、なおも速力を維持したまま航行を続行。減速や停船の動きは認められず。ただ今の警告射撃は失敗した模様、船体射撃の要あり。Recommend fire(射撃要請)!!」

 「了解」

 ある種「想定通り」の返答に、蒼は頷いた。もちろん、ここでこの作戦が完了するわけではない。目的達成までは道半ば、ここからは「第2段階」のスタートだ。

 「艦長、1番艇即時待機いたします」

 CICから、再び沢渡による作戦具申があった。

 「はい、了解。艦長指示により発艦」

 そう答えると、間もなく艦内無線から沢渡が別の部署に命令を下す声が聞こえてきた。

 「ウェルドック、CIC。6分隊、1番艇即時待機。艦長指示により発艦」

 彼女が呼びかけた相手は、艦尾部分に備わる「ウェルドック」と呼ばれる格納庫に待機している第6分隊こと、「警備・測量科」の面々だった。ここに収容されている短艇を用いて「ふそう」から発艦し、時には立入検査隊として敵船内にも乗り込むのがこの部署の重要な任務の1つだが、なぜ敢えてこの名前がついているのかについては、今は触れない。

 CICからの指示が終わると、蒼はこの艦橋を取り仕切る第2分隊こと航海科のトップ、航海長の佐野倉紫(さのくらゆかり)三等海佐の方に顔を向けた。すぐに佐野倉と目があう。

 「航海長、0度ヨーソロー、赤20」

 「ヨーソロー。0度、赤20」

 その復唱からしばらくして、「ふそう」の航行速度が少しずつ下がり始める。それに合わせて、蒼はCICにいる第1分隊こと砲雷科の面々に命令を下した。

 「1番砲撃ち方やめ、砲身戻せ。2番砲、船体射撃用意。方位角90度、仰角0度に備え。目標、該船船尾機関部」

 「1番砲撃ち方やめ、砲身戻せ。船体射撃用意、2番砲90の0に備え。目標、該船船尾機関部」

 今度は、先ほど警告射撃を行った1番砲と艦橋の間に設けられた、もう1つの単装砲が動作を始める。1番砲と同じイタリアのオート・メラーラ社が製造した、丸みを帯びた形状の砲盾を持つ62口径76mm単装速射砲。1番砲よりサイズは小さく威力も低いが、分間約80発と連射能力は大きく上回る。背負い式に設置されたこの2つの砲こそ、「ふそう」が戦闘において用いる主兵装だ。

 「CIC、ウェルドック。6分隊、即時待機完成。いつでも発艦できる」

 「艦橋、CIC。2番砲、90の0に備えた。調定よし」

 2つの異なる部署から、相次いで報告が上がった。同時に、2番砲がターゲットの船尾部分を捉える。それを見計らって、蒼は再び攻撃命令を下した。

 「目標、該船船尾機関部。2番砲、攻撃始め!!」

 「2番砲、撃ちー方始めー!!」

 「てぇっ!!」

 再び耳をつんざくような轟音と衝撃が、今度は先ほどよりも速いペースで乗員たちを襲う。灰色の煙に包まれながら勢いよく撃ち出された砲弾は、正確無比な精度を以て相手の船尾部分に命中した。だが、その砲撃は相手の船の動きを衝撃でブレさせはするものの、実際には機関部を破壊する能力は持たない。代わりに、真っ白な船体がオレンジ色のペイント塗料で塗りつぶされていくだけだ。それでも。

 「該船、速力低下。停船する模様!!」

 見張り員が声を張り上げるとともに、砲撃を受けた船は徐々に速度を下げ始めた。それに合わせて、「ふそう」も徐々に自らの航速を下げ始める。佐野倉に「両舷前進原速」を下令した後、蒼は続いてウェルドックで待機中の短艇に発艦命令を下した。

 「2番砲、撃ち方やめ。立入検査隊用意。1番艇、発艦始め!!」


 「安全装置よし、弾込めよし、単発よし!!」

 「突入班、総員用意よし」

 「了解」

 「ふそう」から発艦した7m型高速警備救難艇1号を率いる、6分隊所属の柳田桃子二等海尉は、乗員10名のうち突入班として乗り込んだ8名からの報告に頷いた。既にほとんど停船状態にあるターゲットに向かって、1番艇は水上ドリフトのような格好でどんどん接近していく。オレンジ色の塗料に染まった船尾は、もう少しで手が届きそうなほど近い。

 「接舷と同時に該船船橋へと突入。いつも通り手早くやるわよ。Steady(突入用意)!!」

 その言葉に他の乗員が身構えるのと同時に、1番艇は相手の左舷側後部甲板にぶつかるような形で接舷した。すかさず、柳田が大声を張り上げる。

 「Hunt(突入)!!」

 その声に合わせて、8名の突入要員たちはひらりと宙を舞うかのように軽々と船体を乗り越え、次々に後部から手際よく船橋へと突入していく。最後に移乗した柳田が乗り込んだ時には、既に銃を構えた隊員たちの前で3人の乗組員が両手を掲げていた。

 「我々は日本国沿岸警備隊の立入検査隊である。船長の山村孝雄だな。漁業法第141条2項、立入検査忌避容疑で現行犯逮捕する」

 相手の動きに気を配りながら、注意深く船橋内を一度見渡した後、柳田は乗組員たちを睨みつけながら大きな声で「確保ォ!!」と叫んだ。手際よく身柄を確保していく隊員たちの前に、3人の乗組員たちは抵抗することもなくあっさりと拘束されたのだった。

 

 「艦長、各部対水上戦闘用具収めよし。対水上戦闘及び立入検査訓練終了しました」

 「想定タイムより3分オーバー…。それでも前回より2分短縮ね。やるじゃない」

 艦橋を降り、右甲板通路で沢渡からの報告を受けた蒼は、満足そうな笑みを浮かべながら頷いた。周囲で様子を見ていた他の隊員たちに「ご苦労様」と声をかけると、彼女たちが先ほどとは対照的な達成感にあふれた表情で、口々に「お疲れ様です」と返答してくる。そこに、1人の男が接近してきた。見るとそれは、つい先ほどの訓練でターゲットの船長役を務めていた、同じ沿岸警備隊の山村孝雄三等海尉だった。

 「お疲れ様です、真行寺一佐」

 2人のそばまで歩み寄ってくると、山村は機敏な動作で敬礼してみせた。

 「お疲れ様、山村三尉。船長役感謝するわ。ありがとう」

 「いやぁ、2番砲を撃ってきた時は訓練弾だと分かっていても肝を冷やしましたよ。砲撃の迫力は、実弾と何ら変わりませんから。正直心臓に悪いです」

 「今回は主砲の能力チェックも目的の1つだもの。それにこういう訓練は、なるべく実戦に近い形でやるのが一番。空撃ちよりは、お互いに緊迫感があっていいでしょ?」

 「ハハハ…。確かに仰る通りです」

 全く悪びれない蒼に、山村は思わず苦笑いを浮かべた。

 「まぁ、そうやってはっきりとした目的意識のもとで任務に向かえる方であればこその、今の地位なのでしょうね。流石、沿岸警備艦の艦長は私なんかとは一味違う」

 自分より10歳ほどは年下の蒼に向かって、へりくだってみせた山村に対して艦長は首を横に振った。

 「いいえ、それは必ずしも正しくはないわ。本来、このメンタリティは私たち誰もが常に忘れてはならないものなんだから。『法執行権を持つ海軍』たる我々沿岸警備隊にとって、平時と有事は常に隣り合わせに存在するものよ。自分の船に戻っても、くれぐれもそれを忘れないようにね」

 「ハッ!!」

 再び敬礼した山村に向かって、蒼は先ほどと同じように温和な笑みを浮かべながら頷いたのだった。


 西暦2022年、東シナ海で発生したグレーゾーン事態をきっかけに発生した「アジア海洋戦争」は、その後の東アジア地域における勢力図を大きく書き換える事件となった。

 6月某日深夜、日本の尖閣諸島に数名の男が小型ボートで乗り付けて上陸。後に中国が送り込んだ工作員だと判明した彼らは、上陸するや尖閣諸島が自国領であるとの主張を始めた。この事案に対処するため、海上警備行動を発令した日本国政府は海上保安庁の巡視船2隻に加え、海上自衛隊の護衛艦・輸送艦計3隻及び陸上自衛隊の水陸機動団第1水陸機動連隊を、バックアップのために尖閣諸島周辺に投入する。

 そこに「工作員の身柄保護」を名目に現れた、人民解放軍海軍艦艇との間で戦闘が発生。上陸した工作員は全員死亡し中国海軍の撃退にも成功するものの、日本側も海保・海自の双方に複数の死傷者が生まれる事態となってしまった。

 この事件をきっかけに、東アジア地域の軍事バランスは一挙に崩壊。上陸事件で矛を交えた海自と人民解放軍の対立を中心軸に、地域を二分しての大動乱が勃発するに至った。後に日本を中心とする「極東同盟軍」が、中国を中心とする「中華連合軍」に勝利を収めたこの戦争はしかし、戦局の終盤から終戦後にかけて両陣営に対して大きな後遺症をもたらすこととなった。

 敗戦国となった中国は、戦況の悪化に伴って中央政府が国内の求心力を保てなくなり、戦争末期に東北部(旧満州地域)やチベット、ウイグル、内モンゴル、香港、マカオといった諸地域が次々に独立を宣言。国土が複数の国家に分割され、従来の「中華人民共和国」という枠組みを保つことに完全に失敗する。独立を選択しなかった地域は国名を「東亜連邦」と改め、実質的な中国の後継国として北は北京、南は上海までの領域を支配し続けることとなった。

 一方の日本も、主に陸海空自衛隊及び海上保安庁のたゆまぬ努力によって、本土への上陸や焦土化こそ辛くも防ぐことには成功したものの、その過程において少なからず痛手を負うこととなる。特に、敵陣営の侵入を最前線で防ぐ役割を担った海自と海保における、人的・物的損害は著しかった。軍事組織でないことをアイデンティティとするがゆえに、最前線での一義的対応を求められるにもかかわらず軽武装を余儀なくされた海保と、十分な練度と装備を持ちながら「専守防衛」の原則に足枷をはめられ、実力を十全に発揮するまでに時間がかかった海自。両組織並びに日本国政府の関係者とも、戦後に一致したのは「従来の体制のままでは、この国を守り切れない」という認識だった。

 そこで戦後、日本国内では従来の防衛体制に対する抜本的な見直しが行われることとなる。真っ先に着手されたのが、第2次世界大戦後における日本の防衛の基本方針を決定してきた日本国憲法第9条2項の改正だ。防衛分野以外の条文も含めて行われ、国民投票によって承認されたこの改憲により、自衛隊は引き続き防衛省の管轄でありながらも、新たに誕生した「日本国防軍」へと発展的解消を遂げる。陸自は「日本国防陸軍」、海自は「日本国防海軍」、空自は「日本国防空軍」という新たな名を与えられ、階級名にも80年前の大日本帝国軍と同じ「大中少」が復活することとなった。

 一方これと同時並行的に行われたのが、国土交通省が管轄する海保の組織改編だ。従来の海保がアイデンティティとしてきた「海上警察・消防」としての役割に加え、アメリカ沿岸警備隊に倣った「海上における法の執行権を持つもう1つの海軍」としての権能が、後継たる新組織には与えられた。

 海保の英語名である「Japan Coast Guard」を直訳した「日本国沿岸警備隊」という名称を与えられたこの組織は、海上での交通整理や密輸船の取り締まり、灯台の保守管理などといった平時の業務を旧海保から、戦闘時のシークエンスや「一・二・三等」制の階級名を旧海自からそれぞれ受け継ぎ、基本的には旧海保の直系でこそありつつも双方の文化を織り交ぜた準軍事組織として、従来とは全く異なる理念のもと活動し始めることとなった。ちなみに陸海空軍に加え、沿岸警備隊も国防軍の一部として規定されるが、「軍人であると同時に、犯罪捜査権や令状による逮捕権を持つ特別司法警察職員でもある」という性格は、防衛省傘下にはない彼らにのみ認められた特権だ。

 その沿岸警備隊における重要事項として求められたのが、「特に外洋において活動することを前提とし、有事においては海軍艦艇に匹敵する戦闘能力を発揮できる艦艇の建造」だった。どんなに大きくとも満載排水量7000トン程度、それも機関砲や機銃といった限られた武装しか持たない旧来の巡視船や巡視艇では、時には10000トンクラスのサイズを誇る東亜連邦の公船や海軍艦艇に対する抑止力としては不十分である、とみなされたためだ。

 沿岸警備隊の職掌ではないミサイル戦闘を除けば、「有事には海軍の駆逐艦をほぼ完全に代替できる」能力を目標に建造されたこれらの新艦艇は、「沿岸警備艦」という新たな艦種名を与えられ、まずふそう型の「ふそう」「やましろ」、ながと型の「ながと」「むつ」と計4隻が建造された。このうち「ふそう」は、特に優れた能力を持つ優秀な女性隊員のみでクルーが構成される、沿岸警備隊の中でもかなり異色の存在だ。

 その船を率いる蒼もまた、7年前に沿岸警備隊一期生として三等海尉からキャリアをスタートした後、海軍・沿岸警備隊を通じても前代未聞と言える30歳という若さで、一等海佐の地位にまで駆け上がった筋金入りのエリート隊員である。年上の部下も決して少なくない中、卓越したリーダーシップと人心掌握力、そして決断力を兼ね備えた蒼は、若きリーダーとしてクルーたちからも厚い信頼を勝ち取っていた。アジア海洋戦争の開戦からちょうど10年、ふそう型ネームシップの艦長という重要な役割を両肩に背負う蒼のもと、「ふそう」クルー計248名は日々様々な任務に身を投じていたのだった。

冒頭からの戦闘描写部分では、最終盤の突入場面まで「日本国沿岸警備隊」というワードを敢えて出しませんでした。「一等海佐?あぁ、海自の話なのね。…、あれっ?」というちょっとしたサプライズを演出したかったので。海自とも海保とも違う新組織の話である、というポイントがうまく表現できていれば嬉しく思います。


後半は世界観の説明のために費やしたので、次回以降本格的にストーリーに入っていければと思っています。今回登場した面々も含めて、キャラクターもさらに深堀していければと思ってますので、どうぞお楽しみに。それではまたお会いしましょう。

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