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暇人侍  作者: 一斗
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其の五 同盟相手

「暇じゃなあ」

「暇じゃのお」

「国境の警備を仰せつかっておるが、交代制で当番が無い日は何もすることが無いわい」

「うむ。警備の相手が敵国ならこちらも緊張感を持てるが、同盟国との国境はどうもいかん」

「やっとお役目を与えられはしたものの、これでは体が鈍ってしまうぞ」

「しかし同盟国に喧嘩を売るわけにはいかん。さりとて体を鈍らせて武士として本来の役目を果たせぬのはもっといかん。素振りなどをして備えるしかないな」

「そうじゃな。屈強な騎馬軍団を擁する相手じゃが、負けるわけにはいかん」

「うむ。しかしその同盟相手じゃが、どうやら騎馬軍団だけが強いわけではないらしいぞ」

「ほう?」

「投石部隊というのがあるらしい」

「投石部隊?」

「手ごろな大きさの石を詰めた籠を背負い、それを敵に投げつける部隊じゃ」

「そのような部隊があるのか。弓矢や鉄砲と違って簡単にできる分厄介じゃな」

「うむ」

「しかしなるほど、投石か・・蹴り石というのは・・」

「ない!全く・・幸い蹴った石が誰にも当たらず気づかれずに済んだから良かったものの、本人や奥方様に当たっておったらお主は今頃牢屋いきじゃったぞ」

「・・面目ない・・」

「分かればよい」

「今度は屋敷に入らぬよう力を加減して蹴ってみるか」

「お主全く反省しておらんな・・」

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