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暇人侍  作者: 一斗
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其の三 引っ越し

「久々にこれから忙しくなるのう」

「忙しくなる、と言うても単なる配置換えじゃがな」

「戦ではなく引っ越しじゃからなあ」

「うむ」

「しかし大殿様が本当に討ち死になされていたとは・・何たることよ」

「大うつけにこれ程の知恵があったとは驚きじゃわい」

「雨の中を奇襲か・・お味方にも油断があったのかのお・・」

「現場におらなんだで何とも言えんが、やはり油断があったのであろうよ。でなければこれ程鮮やかに奇襲が成功する事はない」

「うむ・・」

「残念じゃが最早どうしようもない。我らは次の大殿様の御ために精一杯働く事しかできぬよ」

「そうじゃな。・・しかし誠に残念じゃ」

「?」

「引っ越してはおりん殿にもう会えぬ」

「またか。その女子の事はもう忘れよ。でなければそのうちに生活さえも立ち行かなくなるぞ」

「お主はおりん殿を見たことがないからそう言えるのだ。あれほどの女子はそうはおらぬ」

「そうなのか?」

「うむ。わしが宴席で素っ裸で踊りと腹笑いを披露してな。それを見て気に入ったのかわしが来たら自分に伝えるよう使用人に言うたそうじゃ」

「・・・」

「まあそれからはおりん殿も忙しいのかなかなか会えぬ日が続いておるのじゃがな。引く手あまたのあのお方なら仕方のないことじゃわい」

「・・うつけはここにもおったか・・」

「?何か言うたか」

「いや・・さっさと引っ越し作業に入るぞ」

「?」

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