ぼくと妖怪

靴ひもほどき

　紐の付いた靴を履いていると、ネズミみたいな妖怪『靴ひもほどき』が現れる。

　前を走っているジョギング中のお姉さんの交互に動かす脚の間をシュッと黒い影が通り抜けると。ジョギング中のお姉さんの靴ひもはほどけて、ほどけた靴ひもを踏んでコケた。

　次にサラリーマンのおじさんの靴ひもを狙いサッと靴ひもほどきはおじさんの靴ひもをほどいた。おじさんはしゃがみこんで靴ひもを結び、また歩き出したが。

　靴ひもほどきはもう一度おじさんの靴ひもをほどき、おじさんはまたしゃがみこんだらカツラが落ちて大慌てした。

　靴ひもほどきは次に僕を狙って靴ひもをほどこうとしたが僕がから結びをしていたから、靴ひもほどきは僕の靴ひもをほどけないでいた。