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忘れ入道
朝、通学していると。大きな妖怪『忘れ入道』がいた。どのくらい大きいのかと言うと、道を歩いている大人の2倍ぐらい大きい。
前を歩いている子供の頭に忘れ入道は
「笛」
と書いた札を入れた。するとその子供の頭から
「宿題」
と書いた札が出てきた。その子供は頭の中から「宿題」を忘れてしまったのである。忘れ入道は次に会社に向かう大人の男の人の頭に
「定期券」
と書いた札を入れた。すると、大人の男の人の頭から
「書類」
と書いた札が出てきた。その大人の男の人は「書類」を忘れてしまった。次に忘れ入道は悲しい顔をした女の人の頭に
「新しい恋」
と書いた札を入れた。その女の人の頭から
「昔の恋人」
と書いた札が出てきて。女の人は何だか楽しそうな顔になった。忘れ入道はそれを見てニコニコしていた。