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辛酸な過去を変えるため皆は電子書籍を更新する  作者: 彦音梟
2章名は体を表す
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『危機的状況で目を瞑るなんて貴方はMの素質でもあるのかしらね。そんなに痛めつけられたいのなら望み通りにしてあげるわ!』


突如台風の目の中に回し蹴りの体勢で飛び出してきた里三が姿を現わす。


『!?』


不意を突くことで相手が動揺し少し動きが鈍くなる。見事に意表を突くことに成功した。


『これで終幕だ、小太。』


成功させたのは津倉土筆の方をであった。


土筆は里三が出てきた方向を向いており自分の射程の範囲にまで距離を近づいていた。


『津倉流抜刀術!閃光!』


土筆が叫ぶとパチンという刀が鞘に収まる音が響く。


ミシミシ!びぎぎっ!

『かはっ!』


光をも切り裂いてしまうような光速の太刀筋が里三を襲った。骨が鈍く軋みまたひびが入ったかのような音を鳴らし回し蹴りのモーションだった為に空中で攻撃を受けた里三はそのまま地面に転げ落ちた。


転がるのが止まり起き上がろうとするが力が入らないのかぷるぷる震えるだけで結局ぐったりと倒れてしまった。里三が動けないのを把握すると土筆は里三に近づいていった。


『はぁ...はぁ...』


『ちっ!まだ意識を残していたのか。思いのほか脂肪分がいいクッションになったか。それじゃ次のやつで確実に終わらす...』


鞘に収めた状態の杏子を逆手で持つと前傾姿勢をとる


『じゃあな。』


一気に駆け出し握る手に力が入る。


『つっ君ダメーーーー!!』


奏の声に反応し走る勢い止める。


『はぁはぁ、駄目だよつっ君!そんな事しちゃやだよ!!』


急いで掛け着けた奏は涙声で叫び土筆の元に駆けつけるとそのまま背後から抱きついてきた。


『つっ君お願い...もう終わりにして...そこまでしなくていいから...』


『小太は奏を追い詰めゲームオーバーにしようとしていた。なら奴も先頭不能にさせてこのゲームを終わりにさせようとしても文句はないだろ。』


『...終わりにするって...つっ君の今の技見たことないし機動も分からなかったけど...さっきの雰囲気普通の剣技じゃなかった気がする。』


『...もし殺めたとしてもここは仮想世界で実際に命を落とすことはない。』


『仮想も現実も関係ない!貴方に人を殺めるような行動をして欲しくないの!!』


『!』


奏の言葉に土筆は頭に上った血が降下していく感覚になる。


『今つっ君怒ってるんだよね!私は知ってるよ!つっ君が怒るときはいつも誰が傷つけられてる時だって!だから今回も私が傷つけられてたから怒ってるんだよね!本当にありがと!...でももう大丈夫だから...里三ちゃんを許してあげて...』


奏が啼泣し強く抱きしめられると土筆は大きく深呼吸をしゆっくりと柄から手を離す。


『ごめん奏。冷静を欠いていたがもう離れても大丈夫だ。小太についてはもう奏に一任するから。』


『うん。ありがとう、つっ君。』


奏は土筆から離れると里三の方を見る。


『はぁはぁ、奏さん...情けなんて無用よ...早く私のE-bookを壊しなさい。』


『E-bookを壊しちゃうとALTERのこと全部忘れてしまう......つまり里三ちゃんは私のことを忘れちゃうんでしょ...私やだよそんなの。』


『一緒だったのは小学生の時だけでしよ!それに貴方にはたくさんの友達がいたのだから私だけの記憶なんて大したことのない取るに足りないものでしょ!』


『そんなことないんだよ...小学生の頃、確かに学校では仲良くしていた友達はいたかもしれないよ。でも学校を出てまで遊んでくれた子はつっ君以外じゃ里三ちゃんだけなんだよ。』


『放課後一緒に勉強して問題を出し合ったり買い物へ行ってお揃いの物を買ったりお互いのお家へ行って遊んだりと里三ちゃんは他の子とは違う特別な存在だと思ってたもん。だからこの記憶を失くして欲しくない。だって里三ちゃんは今でもお友達だもん。』


奏は再び両目に涙が溜まり涙声になっていた。


『今でも...友達...ねぇ...』


里三はふと昔の楽しかった記憶を思い出してしまった。


『もう無理ね。』


『......』


『無理って言うのは和解のことを指すのか?』


奏は黙り土筆は問う。


『奏さんを負かすことよ。いろいろ思い出しちゃってもう貴方に酷いことしたくなくなったわ。ごめんなさい奏さん。』


微笑みながら言うと奏の溜まっていた涙が流れていった。


『里三ちゃん!』


ガバッと奏は駆け寄り抱きつくも里三の患部にひびく。


『痛ったぁぁぁ!奏さんちょっ!離れて!』


『あっ!ゴメンね!そうだ、里三ちゃんは回復アイテムは持ってる?里三ちゃんダメージで体は動かなさそうだし私が里三ちゃんに使ってあげるから出して。』


『えぇ、お願いするわ。』


里三の手に一つのパックが現れると奏はそれを手に取る。


『それは【ゼリー飯カルシウムタイプ】と言ってそこそこの治癒と骨関連も癒してくれるアイテムよ。今はそれしかないわ。』


『これを飲めばいいんだよね。じゃあいくよ。』


『奏。ちょっと待て。』


奏が回復させようとゼリーを飲ます直前で土筆の一言でそれを抑えた。


『どしたのつっ君?私早く傷ついた体を癒してあげたいんだけど。はっ!まさかまだ里三ちゃんを敵視してるの...』


『小太を救いたいとお前が言うなら俺も協力する。ここのフィールドアイテムで回復できる物があるかもしれないから奏はそれっぽいのを探してきてくれないか?お前の方が機動力や柔軟性が高くて便宜が図れると思う。だから小太の方は俺に任せろ。』


土筆は指笛を吹くと烏がやってきて肩に乗ってきた。E-bookを受け取るとそのまま奏に渡した。


『今まで手元からE-bookが離れたから赤ずきんとの同化も解除されたはずだ。もう一度同化しておくようにな。』


『うん!わかった!できるだけたくさんの持ってくるからね!』


颯爽と駆け出し密林にむかっていく。すると突如止まりこちらを向く。


『里三ちゃんが動けないからっていやらしいことしちゃ駄目だからねー!』


大きな声で言うと密林の中へ入っていった。


そうやって言い残して去るっていうのはフラグが立ちやすいからやめようね。


『少々体に触れるがまぁ我慢してくれよ。』


土筆は里三の体を起こし左腕で上半身と頭を固定し右手で逆さにしたゼリーのパックを持つ。


『赤ちゃんに哺乳瓶でミルクを与えるような構図っぽく見えるしあとだいぶ密着しているのだけども...』


里三は頬を染め照れ顔を見せた。


『仰向けよりは体に入りやすい体制だろ。それに自分で吸引すれば器官にも入りにくいだろうと思っての計らいなんだが...まぁ嫌なら止めてやろう。』


『べ、別に嫌ではないのよ...ただ恥じらいが少しばかりあるわ。』


『知人に見られている訳でもないんだし気にすることもないだろう。』


『...デリカシーがないわね...』


『ボソボソと言ってちゃ聞こえないんだが。』


『なんでもないわ。あむ。』


里三は飲み口を咥えると中のゼリーを飲みながら話を続ける。


『そういえばさっきの戦闘だけど刀身が見えないほどのスピードはスキルなの?それに私の攻撃で閉じ込めた時私の位置を把握していたのはなぜかしら?』


『スキルは使ってないよ。刀の速さは俺の元々のステータスだ。あと位置の特定についてだが俺はお前の動きを見ていた。この肩に乗ってる烏を通してな。』


『カーカー』


羽を広げて威嚇をしていた。


『やっぱりその子も貴方のだったのね。それで何ができる子なの?』


『この鳥の名前は旋律と書いて読みはメロディーだ。まぁただ英語読みにしただけだが。犬の方を喇叭とつけてしまったから音楽関連で名付けてみた。この旋律メロディーとは視点を連結させることができる。鳥の目と言う言葉があり意味としては俯瞰的ふかんてきに見るということだ。つまりは高い位置からのリアルタイムの映像を客観的に見ることができるんだ。』


『じゃあ...目を瞑ったのは...』


『視界を旋律に移していた。下だと砂とかも巻き上げてたから視界が悪かったが上空からだと丸見えだった。ぐるぐる回ってたお前が急に軌道を変えて俺に突っ込んでくるのも見えていたからコッチは迎撃の体勢に入れたんだ。』


『演奏者が奏でるメロディーを操作する役目を担う指揮者は演奏者全体を見ているんだ。そんなところからこの名前を付けてやったんだ。』


『なるほどね。風の渦から出てくる位置が分かったからほぼ同タイミングで飛び出せたのね。』


話をしていると喇叭が近づいてきて里三の匂いを嗅ぐ。すると満足気な表情をしていた。


『さっき私を攻撃した子ね。全然ダメージ無かったけど。』


『何してんだお前。』


《この子の匂い好きなんだよね〜桜の香りがするの〜》


『桜の...香り?』


『桜?あぁ、私の使っているコロンの香りよ。わんちやんも好きなのね。』


『わんわん♪』


『ふふふ。ぴょんぴょん跳ねてるわよ。そんなに桜が好きなのね。ねぇ津倉君?あら?津倉君?』


気づくと土筆は顔が俯き暗い表情をしたかと思うと辛そうな表情に変わる。


『津倉君!!』


『はっ!はいっ!!』

グシャッ!


『もごご!ブハッ!ゴホゴホ!』


うわのそらだった土筆は里三の大声で驚き持っていたゼリーのパックを強く握ってしまう。


『ゴホゴホ!あぁ...もうベトベト...』


土筆は里三の顔や体にゼリー(白)をぶちまけてしまった。


『あっ...悪い。なんかあまりよろしくない絵面になっちまった。』


ゼリーのパックからハンカチに持ち変えて拭いてやるとぼちぼち赤かった顔がもっと赤くなっていた。


『つ、津倉君に白濁とした液体をかけられてしまった...顔にかけるなんて中々上級者ね』


『事実だけどもう少し言葉を選べ。あと顔を赤くするな。こんなとこ奏に見られたら勘違いしそうだし早く片付けなくてはいけない。』


次に体の方を拭きはじめる。


『...奏さんさっき言ってたことだけど...本当に津倉君は動けない私を襲おうとは考えないの...』


『さっき襲おうとしていたぞ。』


『あの時は怨念とか怒りのやつでしょ!そうじゃなくて...もっとこう...いやらしい方面での話よ...』


『あぁそういうことか。確かに動けない美人を好き放題できさらに仮想世界だから襲ったって証拠とかも残らないのはまさに一挙両得な状況だな。しかしそんな犯罪的な行為なんて絶対にしたくない。』


『津倉君...良いわね奏さん。こんなに優しいこころを持つ彼氏がいるんだもの。嫉妬しちゃうわ。』


『別に俺と奏は付き合ってないぞ。今も昔もな。』


『えっ?そうだったの?私はてっきり...』


『...つっ君...何してんの...』


声のする方へ向くと奏が顔を真っ赤にしてワナワナと震えながら立っていた。


『...どの辺から聞いてた...』


『白濁とした液体をかけられたって。しかもつっ君は今里三ちゃんの胸触ってるよね...』


『お前何を言って...』


今現在拭いている位置が胸のあたりにあり里三の顔も赤に染まっていた。


『奏。まずは落ち着いてから話をだな...』


『問答無用!!』


バチーーーン。

( ‘ ^‘c彡☆))Д´)


離島にはたく音が鳴り響いた。


『里三ちゃん大丈夫!?』


『えぇ物理的障害はされてないわ。』


『ちょっと待て。精神的にも何もしてないだろ。話をややこしくするのはやめろよ。』


『ふふふ、冗談よ。私は何もされてないわ。』


『そっか〜良かったよ〜』


安堵した表情をしていた奏は土筆の方を振り向くと頬を膨らませていた。


『つっ君...里三ちゃんに近づいちゃダメだよ。』


その言葉以降小太は動けるようになっていて奏の持ってきた果実を食し治癒ができた。各々が持つスキルを告げ今後の連携を取れるようにした。


その間奏は里三に引っ付きながら会話をし小太と俺が会話をしていると奏は頬を膨らませて不機嫌そうな態度であった。そんなこんなで時間が経過し外が暗くなる時間帯になっていた。


『2人共もう遅い時間だしもう出よう。』


『もうそんな時間か...』


『また今度会えばいいじゃない。また仲良くなれたのだから。』


3人でスペースから出ると里三は普段の太った体型に戻っていた。連絡先を交換すると小太は速やかに帰路に向かい土筆と奏もぼちぼちと帰路に向かう。


『そういえば喇叭ちゃん成長してたよね。ワンチャンの成長は結構早いけどこの世界ではもっと早いんだね。』


『そんな訳ないだろ。あれは俺のスキルがレベルアップしたから喇叭のサイズを大きくしての召喚ができたんだよ。覚えているか?お前の訓練中に俺は喇叭と遊んでいたのを。』


『そういえばつっ君はお手だとか伏せだとか芸を仕込んでいたり私の方を向きながらあらぬ方向にボールを投げて取って来させたりしてたよね。』


『それが奴らにとっての経験値のようなもんだ。教育や遊戯を教えてやることにより知識をつけさせや運動でトレーニングをさせる。知能を有する動物には必要なことだな。』


『そうなんだ〜あっ、そういえばつっ君烏も呼んでたよね。あの子初めて呼んだのにうまく能力を扱えてたよね。凄いよね。』


『あれも喇叭と共に呼びだしてたぞ。まぁその時はハチドリぐらいのサイズしか呼べなかったけどな。俺が手で片目を隠していたのも見ていたろ。あの時に視界の連結を試していた。』


『あれ?つっ君が鳥さんを呼んでたところ見てなかったな〜あんな錬金術みたいなモーションを見落とすこと無いと思うんだけどな〜ところで鳥さんの名前はなんて言うの?』


『名はもうある音楽の旋律と書いてメロディーだ。今後も世話になると思うから仲良くしとけよ。話を変わるが小太についてだが送ってやるっていうのに断られたな。』


『ん〜近所って言ってたしきっと大丈夫だよ。それに太った姿はあまり見られたくないんだって。』


『不便だよな。太ってないと発揮できないスキルなんてな。』


『でもReStartできれば痩せれるって言ってたからやり直しの時に努力するつもりなんじゃないかな?』


『明日から頑張るみたいな感じだな。怠慢とか怠惰とかの称号を与えてやりたいぞ。次会う時に一緒に鍛錬にでも誘ってやろう。太っててもいいが筋肉をつけることも戦力強化になるからな。』


『あっ!鍛錬と言えばつっ君なんで刀使えるの!?部活の時とか竹刀の扱いが下手すぎて自前の木刀で素振りしかしてないじゃん。』


『俺は家で毎日日本刀を使って素振りやら居合いの練習をしているんだ。だから刀の扱いは誰にも負けない自信がある』


すると奏は突然立ち止まり顔が下を向く。


『...じゃあなんで部活じゃ実力を出さないの...』


顔が上がるとその表情は悲哀に似たものを感じさせていた。


『部員達はつっ君の事笑ってたり馬鹿にしてたりしてるんだよ。試合とかすれば汚名返上できるんじゃないの...私はつっ君が悪いように言われるのが嫌なんだよ...』


その言葉でふと思い起こす。奏が放課後になると剣道の練習を誘ってくる日々を。そして部員達の中傷を聞いて気分が沈んでいる奏を想像できた。


『そうか今まで放課後誘って来てくれてたのはそれが要因か。ならまずは礼を言わせてもらうよ。ありがとうな奏。俺に関するレッテルをいいものに変えようとしてくれてたんだよな。』


頭に手を置き撫でてあげると先程の表情が治った気がした。


『しかし結論を言わせてもらうと俺は刀の重さで慣れてしまって竹刀とかの軽い物を全力で振るうと腕の勢いにもっていかれたりしてバランスを崩してしまうんだよ。』


『ん〜...じゃあ手加減してあげれば対等になるんじゃないかな!』


『確かにそれなりに手加減すればバランスを崩すことはなくなるがそれは対峙している者に対して失礼だと思う。かと言って全力を出し面を叩けば脳震盪は確実、胴を叩けば相手は数mは吹っ飛ばし試合にならない、籠手なんて狙ったら手の骨は無くなるぞ。』


『洗濯する時に塩素系の洗剤と酸性の洗剤を合わせると有毒ガスが出るから混ぜるな危険って言われてるだろ。だから俺も一般生徒と一緒に練習すると怪我人が出る恐れがあり混ざると危険になる。よって俺は1人で練習した方がいいんだよ。』


『そういう事情だったんだね。』


『そういうこともあってお前との放課後の練習も回避してきた。さっきも言ったが練習でも俺は手を抜きたくない主義だ。練習で怪我をさせたくなかった。』


『えっ?あれって全部本当の用事じゃなかったの?』


『信じてくれてたのかよ...俺の実力を偽っていたこと長い間騙してて悪かったな..あと俺の為に鍛練に誘ってくれてありがとう。感謝はしてはいたんだ。』


『じゃあ今度私のお願い聞いてよ。そしたら後ろめたさも無くなるんじゃないかな?』


『そういうことならなんでも言ってくれ。』


『えへへ♩楽しみにしてるね!』


そのまま学生寮へ奏を送り土筆は家へ戻った。


土筆は家に着きベッドに横になる。動いていないとついつい頭が働いてしまい今日のことを振り返ってしまう。


今回己の脂肪分延いては体重を移動させる能力【ムーブウェイト】のスキル持つ旧友小太里三と再会し、いざこざがあったものの結託してくれるみたいだからありがたい。


しかし彼女と俺は少し気まずい関係性でもある。奏とは仲良しになったが俺とはどう接してくるつもりなのか少し幸先が不安である。


それはそうと彼女は痩せた際の自分の容姿に関して自惚れている節が見受けられる。


確かに麗人と認識できる美貌だとは思うが俺の知る美人というのは些か性格に難が有ると思っている。特にクラスメイトに1人そういう奴がいるから尚更そんな自論を信じてしまう。


今の小太は性格破綻者ではないがReStartが成功した時には性格に異常をもたらす成長過程を迎える可能性もあるだろう。


そんな人間が奏に近づくのはコチラからしたら気にくわないものである。なので小太が奏に悪い影響を与える者と判断したら近付かせないか性格が丸くなるよう調教してやろう。できるかわからないが...俺ならできる...気がする...


土筆は今後の小太里三の扱いについて考察を練るうちに眠りについていた。


里三サイド


『今日は嬉しい出来事があったわ。私の嫉妬心から奏さんとの関係を壊そうとしたのに彼女は許してくれた。

それに津倉君は奏さんと付き合ってはいない...』


頬を染め乙女の顔になる。


『これから先協力していけば私にもチャンスはあるかしら......私の望みは彼に告白したことをなかったことにすること。もう少し仲良くなって彼好みの女の子になってから再び告白をするのが私の願望なの。だからこのチャンスを活かすわ。』


『痩せて綺麗になった姿をALTARでアピールしてあげるわ。まぁその間は太ったままだけどやり直しをすれば痩せるから気にしなくても良いわよね。』


『...多分奏さんも私が抱える彼への好意に薄々感ずいているかもしれないわね。だから良き友達でありライバル関係になることを許してもらいたいから今度会った時奏さんにはこの事を伝えましょう。』


決心した里三はそのまま帰路に向かう。




『ねぇ...君は小太里三さんだよね...』

急に声を掛けられた里三は後ろを振り向くと驚きで目を見張った。







第14部まとめ

名前 津倉土筆 E- book: 桃太郎

スキル The Trio 更新

詳細

summon a bird

Level3 : 35㎝以下の鳥類の動物を呼び寄せる

お供スキル

視点連結

鳥類が見ている光景を召喚者も見ることができる。


アイテム

・ゼリー飯カルシウムタイプ

体力の回復と骨折などの治癒に作用する。

ゼリー飯シリーズは一般ならおよそ10秒程度で食べ終えることができる。


土筆と奏の帰宅時の会話を少し増加しました。内容は喇叭と鳥類の件です。


鳥の名前の由来を書き忘れていたので追加しました。


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