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私はねこになる!?  作者: 夢辺 流離
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現実から目をそらしてはいられない。

 昨夜、投稿前に寝落ちしました。

 いかんいかん。

こっそりと作ったサンルームでまどろんでいた私は、もう一度しっぽを枕に二度寝しそうになるのをこらえた。

お魚はとりおき可能、風通しのよいもどきにはお芋も大量に保管してある。

家はそれなりに改装(改造?)して、ひとまず暮らすのに不都合はなくなった。

要するに、目標とするものが達成、日常生活に問題がなくなった以上、暇というかうん、暇なんだな。

そんなわけで、お気に入りのサンルームでフニャフニャと居眠りをする時間が増えた。

イエネコの気持ちが分かった。

見回りする必要もなく、ご飯も定期的にもらえるとなればゴロゴロするのが増えるのも仕方ない。


         しかし!しかしである!


 最近、おなか周りがポチャっとしてきたような気がする。

いやぁああ!

元女子高生としては 断・じ・て 許容しがたい。

おなかを地面に擦りながら歩くねこ。

道端で見かけたなら「おデブちゃん♪」とかいって額を小突いたりしてそれなりにかわいいと思えるかもしれないが、自分の身となれば話は別だ。

水着やおしゃれなどとは無縁となったとは言え、やはりそこは乙女である。

 そんなこんなでダイエットです。

いつもなら例のポーズをしながら考えるのだけど、カロリー消費量をあげるため、森の中を歩きながらの思考となっております。

そもそも、人間とは違い、しなやかな筋肉を持つのだから、代謝量が大きいのではないか?

そんな甘い期待も浮かびます。

毎日のように温泉に入っているし、汗かいたりしているんじゃないだろうか。

いかん、いかん甘い誘惑にノってはだめなのです。

もっと現実を見なくては!

となると・・・計るしかないですね!


 来た道を戻り、エイファさんの元へと走ります。

記憶にある限りはかりを持っていたのはエイファさんのはずなので。

慌てるこころを必死に抑えてスライドを広く、少し負荷が大きいくらいで歩きます。4足の場合2足が地面についていれば歩くということになるのかはわかりませんが有酸素運動なのです!


 ギルドの裏口へとついた私はジャンプしてドアノブのしがみつきます。ドアノブが回ると私の重みでドアが手前にわずかに開くので地面に降りて隙間に手を入れて隙間を広げるようにグイグイと身を進ませれば進入成功なのです。ドアが開くのって私の体重が重いからなのだろうかとちょっと悩みます。

 

 今日も人がいないのか静かな廊下を進んで執務室へと向かいます。

コホン。ここはおしとやかに?扉を開けます。エイファさんにはしたないなんて思われたくないですからね。

そっと扉をポンポンポンと叩くのです。そう、ノックですよ!

うん、肉球のせいでふにゃふにゃふにゃですけどね。

エイファさんはとっても優秀なのでそれでも気づいて扉を開けてくれます。

「アリスちゃん、いらっしゃい」

 エイファさんの笑顔は神々しいといってもいいくらいです。

かわいいといっては失礼ですし、きれいというのもちょっと違う気がするのですが思わず私も嬉しくなる。

「今日はどうしたの?」

 私を脇抱えにしてそう声がかけられて今日の用事を思い出しました。

あたりをキョロキョロと見回してみますが、見つかりません。

まぁ、はかりが執務室にあるわけないと言われればそんな気もします。

「何か捜し物?」

 さすがです!私は思わず頭をブンブンと上下に揺らします。

しかしそこからが難問ですね。

両手をブンブンと動かしてなんとか伝えようとするのですがジェスチャーもなかなか通じません。

「時計?」

「お風呂に入りたい?」

 なかなか縦に頭を振れません。

そうだ!

全身を使って・・・、ボールに入って手をかけている状態から動く針が気になってのぞき込もうとしている様子、そしてコロンと一回転してお座りする様子。一連の動作をして

「ああ、はかりね」

 という言葉にそうそれっとばかりに右手を突き出します。(指を指すのは無理でした)


 というわけではかりと上に載せる皿?を用意してくれたエイファさんに抱えられて皿の上に乗っけられます。

「だいぶん重たくなったわねぇ」

 グサグサっと。

 まぁ個人情報保護のため、体重は知らせませんよ!

とそこで気づいたわけですが


   どれくらいがふつうなのか基準の体重がわかりません!


orz

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