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私はねこになる!?  作者: 夢辺 流離
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塩があるだけでおいしーおーToT

 焼肉を食べる際に、何もつけずに一口食べます。

その後に塩を軽くつけて食べます。ああ、うまい!

その後に醤油をつけて食べます。ああ、うますぎるっ!

もっとくわせろっ。

長時間強火で煮続けて、私は汗びっしょりである。

この汗の水分をトばせば容易に塩を入手できたのではないだろうか、なんて思えてしまうほどだ。

お風呂に入りたい。

温まり辛く、冷めにくい石製の釜は、塩水を継ぎ足していくのになかなか都合が良かった。

ひたすら炊き続けて、それでもまだ湖の水が枯れる様子がなく、大分辟易しつつも釜の底を覗き込んで


             おおぅ!塩やで!


 となった。

思わず寄りだして釜茹での刑にならなかったのは幸いである。

水の中に溶けきらなくなった塩が沈殿し始めているのだ。

思わずよっしゃあ!とガッツポーズしてしまうほどには奮闘しているつもりだ。

なんにせよ、形になって結果が見え始めたことで倦んでいた気持ちがカラッと晴れやかになったのはいうまでもない。

このまま水をトばしきれば塩の完成なのだろうか?

ちょっと自信がない。

待てよ?"チェンジシフト"を使って溶け切れずに出てきた塩の結晶だけを集めて引き寄せて、―用途上"エクストラスト"と命名―もう一つ平たいフライパンのような石製の道具と台座を作り、結晶から完全に水分をトばして塩の出来上がりである。

胸が高鳴っている。

白い金と言われたこともある塩である、それも当然であろう。

置いておいた鞄から集めてあった川魚を取り出すと―周りの動物達がビクッとする―、塩を塗り込んで近くの木の枝をとって刺す。

ちなみにこの枝に刺す作業が予想以上に困難だった。

煮沸を続けている釜の火のそばに串をさして待つ。

漂い始める香りにただ酔う。

口の中はそれだけで潤う。

かすかにコゲた香りが伝わってくるのにしたがい、串を抜いて一口!


           うミャい!


 前世の私なら不満をもっただろう。

だが、こっちに来てから微かに味が付いているかも?な料理ばかりで魚も焼いただけだったのだ。

むろんそのままの味もうまかったが、塩があるというのはこれほどか!!と思ったわけではない。

ただ魚の骨が目の前にあった。

足りぬ!これでは足りぬ!!

続けて2匹同じようにして焼き、泣きながら貪り食べて漸く落ち着いた私は、骨だけとなった魚に静かに手を合わせて祈りを捧げた。

2度の生を生き、これほど感謝したのは、初めてだった。

今日本に帰ったなら毎日の食事にちゃんと感謝して日々を過ごせるだろう。

冷静になって、周りを見渡せばそこらに居た動物達が蒼然としていた。


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