練っておいしい
「私はこの水に混じってる"塩"が欲しくて、塩を抜き取っちゃえばここの水は飲めるようになると思う」
「おお、流石は御使い殿!」
「ただ、この辺りの生態系が大きく変わる可能性がある。単純に水飲み場が増えてラッキーで済まないかもしれない。」
「そうなのですか?私にはよくわかりませんが。」
あ、はて?と首を傾げるレフィはちょっといつもとギャップがあってかわいい。
「川の下流にも生物が増えるだろうし、塩生植物以外が生えて他の動物と縄張り争いをするようになるかもしれない、とかいろいろ考えられるんだけど、むしろ考え付かないことが起こりうるから怖い。」
「ふむ、御使い殿は賢くいらっしゃって、先のことまで考えておられるのだな。私など水が飲めるようになれば喜しいし、草々も生えるとなれば2度おいしいなどといいことしか考えられなかったよ」
塩がほしい。
だがこの地に災いを残すようなことはしたくない。
悩ましい。
「御使い殿!聞いておられますか」
うおっと、没頭してました。スミマセン。
「何か問題が起これば我らも協力してどうにかします。ここの水場を開放してもらえないでしょうか?」
おし!腹をくくるか!
まず一旦分岐路を作って、流れ込む水を下流へとそのまま流れていくようにする。
台座を作り、その上に石を集めて"シェイプチェンジ"を使い、超巨大な鍋?を作ると、湖の水にアルルカナンを飛ばして鍋へと移させる。
純水でなく、混じり物が多いほど操流は困難に、アルルカナンの量も多く必要になるため、ニャかニャか大変である。
台座の中に大気中の種火を入れ、これまたアルルカナンを注いでいく。
私はそのへんの小枝を持つと、地面を隆起させてお鍋が見渡せるようにすると、両手で持った枝でかき混ぜる(振り)をする。
寝る寝る寝る寝はへへへへ、
寝れば寝るほど色が変わって
てーれってれーん!うまい!
おっとこれ以上は危険だ(※一部文字を変えております)。
すぐに熱くなって水蒸気がヤバイので降りました。
水気が飛ぶたびに湖の塩水を鍋へと継ぎ足します。
どんどん鍋の中の塩分濃度は濃くなっているだろう。
これをひたすら続ける。
途中でレフィが
「これは…お風呂ですか!」
と目を輝かせたので必死になって止めた。
鹿肉を食べたことはないのでおいしいのかわからないけど、湯で肉になっちゃいますよ!
そういえばとあるカレー漫画で、塩気のある草を食べる牛だったかの肉はほんのりと塩気がつき、うまいとかなんとかいってたような。
じゅるり。いかん、変わったことをしているので見に来た鹿さんが、危険を感じて逃げて行ってしまった。
自身のアルルカナンの大量さをいいことに、火力を大きくしても、湖の水は一向に減った気がしないのであった。




