塩の湖
レフィノックの森は、草食動物たちの楽園か。
レフィのように鹿もいるし、山羊や羊もいれば、あれは牛かな?
リスや兎といった小動物に鳥類も豊富だ。
動物たちの混成具合としてはおかしいような気もするのだけれど
まぁ異世界だし!
でもこんなに草食動物が揃っていたら、草花とか全滅しそうなんだけど。大丈夫なんだろうか。
レフィノックの背の上で、目的地へと向かって(もらって)いると、あたりにいたのであろう動物たちが寄ってきて列を作り、ペコっと頭を下げる。
レフィノックは森のみんなに好かれてるんだね!
と言っていたのもつかの間。
恐らく、目的地に近づくにつれて人気・・・もとい生き物の気配が薄れていくような。
そしてそのまましばらく行くと、見えてきたのは
海
ではないはずだが、かなり大きい。
そして大分歩いてもぜんぜん着かないではないか。
まぁ人の背に乗ってて何言ってんのって感じですけどね。
そして湖の水辺に近づいた頃には、完全に私たち以外誰もいなくなった。
「ここが我らの森のほぼ中央になるのですが、御使い殿が仰る水の特徴のせいで口にできないため誰も近寄らないのです。」
湖から数メートルに渡り、植物もほとんど生えていない。
これは恐らく塩害のせいなのだろう。
そこからさらに少し離れるとちょこちょこっと細かい雑草なんかが生え始める。塩性に強いものが、逆に誰にも食われることなく、繁茂しているのだろう。
その術はないが、上空からみれば湖の中心から幾重もの円を描くようになっているのかもしれない。
レフィに頼んで流れ込んでいる川に向かってもらう。
注ぎ口には魚がほとんどいないが、上流に向かうにつれてちらほら光を反射しているので、恐らく流れている水は淡水なのだろう。
レフィから飛び降りて、水辺にたたずむとペロペロっと嘗めてみる。
うん、冷たくておいしい。
とすれば、この湖自体が岩塩かなにかをふくんでおり、湖に水がたまる間に溶け込んでいったのであろうか。
となればこの湖の下流も川に沿って丸坊主なのかもしれない。
淡水が流れ込んでくる以上、いずれは薄まっていくのだろうが、それはまだまだ先のことだろう。
私は湖の中心に向かってアルルカナンを波のように放つ。
お久しぶりのアルルソナーだ。
私の持つ"塩"のイメージに一致するものに当たると反射し、返ってくる。
やはり、相当の塩分が混じっているのだろう、瞬時にに波は返ってきて思わずおわっと叫んでしまった。
地学、とっとけばよかったなぁ。
森の中にこんなんがあるのっておかしいんじゃないの?
よくわかんないや。
まぁ地学で習うのかもわかんないけどさ。




