初―明晰―夢 序
明けましておめで・・・
ハッピー にゃあ! イヤー!
あけまして~のほうが個人的にはふさわしいと思いつつも本作は主人公がねこですので適切な表現で。
元旦ももう終わりが近づいてきましたが、いかがお過ごしでしたか。
今日から変わる!なんて思いの人もいるかと。
私もそう思っていたけどぐうたらと過ごしてしまいました。
3日経ったらがんばる!
重いまぶたをなんとか持ち上げると、陽炎が漂う様にぼんやりと風景が写し出されていく。
ああ、夢だ。
少しずつ醒めていく頭でまず思ったのは今見ているのは夢だと言うこと。
なぜそう思ったのかと言えば目の前の光景が今の生活ではありえない電気製品O☆KO☆TA、ことコタツがあったから。
ああ、向こうでの生活が夢だったんだ!
まぁどう考えても普通そうだよね、ねこになるなんて現実に起こるわけが・・・。
いいかげんに現実を認めよう、私はねこである。名前はもうあるけど。
とりあえず現状を把握しなければなるまい。
こういうとき(前世の)現代社会はねこにもやさしい。
片方の手で押さえつけて、もう片方の手の爪を出して恐る恐る慎重にカチっとすればほらね?ねこでも簡単におこたのスイッチが入れられる。
好き勝手してごめんね、と思いつつも、まぁ夢だし。
頭と手だけを出してぬくぬくと、敷布団のもふもふを堪能する。
本当は頭まで潜ってもいいのだろうけど、おこたの中って足臭が充満してそうな気がするのでちょっと遠慮だ。
誰にも見られはしないが、尻尾が勢いよくファッサファッサと左右に、時に上下に動いている。
再び閉じそうになるまぶたを支えることに注力して、漸く思考を働かせる。
まず、ここは見る限り前世に近い。
完全に同じかどうかを判別するには情報が足りないのでちょっと見て回る必要性があるだろう。
でもねこ嫌いの人がいるかもしれないから気をつけて。
そして何より、実際に行動が可能と言うことだ。
ただの夢、で済ませるには少し妙なのである。
もしかしたら(忘れかけていたが)白いのに別の世界に飛ばされたとか・・・アイツならありえる。
あるいは――明晰夢。夢だと自覚しながらすき放題できる(一部脚色誤解ありの)世界。
ただ夢にしてはおこたのヒーターユニットの熱を発し始めた時の独特な匂いや、音といった細やかな情報まで再現されているんだよな。
生前?体験したことないからはっきりしたことは言えないのだけれど、ちょっとリアル過ぎるような気がする。
加えてだ、この光景、なんか見たことがあるような気がするんだよね。
ちょっと違和感があるけど。
ああ、やっぱおこたあかんわ、魔性の存在。
辺りを見回して、一角へと視線が吸い寄せられる。
――柱についた引っ搔いたような何本かの横線。
――ストーブの網の凹んだ部分。
ここは、私の家だった。




