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私はねこになる!?  作者: 夢辺 流離
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名前は・・正にニャウ!

 次に目が覚めたとき、まだちょっと薄暗いけど朝、だろうか。


目を擦ってモフモフ・・・ねこでした。ああ、そういえばそうでした。


事態が飲み込めないなりに寝ていたバスケットからヒョコッと頭を出す


と周りをを見まわす。一部机の上が本やらなんやでひどい有様だけど、


全体的にキレイに整えられているようだ。ひょっとして病院かにゃ?


森をぬけて暫く歩いた後の記憶がないけれど、倒れて、そこを誰かに助


けられた、と考えるのは都合が良すぎだろうか??


ちょっとダルいけどバスケットを抜け出して歩いてみる。ないわけじゃ


ないだろうケド、やっぱ異世界、少なくとも私の住んでいた生活圏とは


異なるのは間違いない。木造の家だが、ログハウスをもっと荒くした感


じだろうか?少なくともフローリングではない。


開きっぱなしの本を覗いてみれば文字もやっぱりみたことがない。


好奇心の赴くままにふらついて、外の様子はどうだろう?と思う。


しかし、レバーが高く、扉が開けられない!ピョンピョン跳ねてみるも


のの、絶対的に身長が足りない!頭でぐいぐい押し込んでみるものの一


向に開きそうにない。横にスライドでは・・・ないよね?レバーついてる


し。なんてしてたら向こうから人が来たようで、私は開かれた扉に撥ね


られました。ムギュ!


「あらら、ごめんなさい。昨日はあんなにぐったりしてたのにもうすっ


かり元気なのね」


入ってきた人はそう言って私を手のひらに乗せて持ち上げると、右、左


上下と動かして、


「うん、怪我はなそうね。折角助かったんだから無理しちゃダメよ?」


 えっと半分はあなたのせいじゃないかな・・・。なんて思っていたら女


性の後ろから扉の開く音がして、少年が飛び込んできた。


「おはよーございます!エイファさん、あの仔の具合はどうですか?」


「マーニ君、おはよう。もうすっかりいいみたいよ?自分で寝床を抜け


出して探検してたみたい。苦労して山羊のお乳を飲ませた甲斐があった


わね?」


 少年の名前はマーニ?女性の名前はエイファと言うらしい。変わった


名前だなぁ。そして山羊の乳なんて飲んだ記憶ないです。


ちょっと考え事をしていたら、マーニ君がエイファさんの傍にきて、私


の脇?に手を入れて持ち上げます。突然の浮遊感にちょっとビビりまし


た。そしてそのままさらに持ち上げると、


「女の仔か」


 そう言って少年は笑います。ファっ!!?はっ?なにしやがった??


顔が熱を持つのを感じながら、私の両手は本能的に彼の顔に線を描いて


しまいました。思わず彼は手を離してしまいポテっと地面に落ちました


が、大丈夫着地はパーフェクト!ふぅ~と唸り声が出ます。


「大丈夫だよ、乱暴なことはしないから、ね?」


 そう言って困った顔で両手をハンズアップしています。私の意識が彼


に向いていたところ、エイファさんに首ねっこを摘まれて持ち上げられ


ました。彼女はクスクス笑いながら、


「女の仔のそんなところ、見ちゃダメよねデリカシーがないんだから、


フフフ。でもね、彼、マーニ君が倒れてるあなたを抱えて雨の中を走っ


てきてくれたのよ?それに免じて許してあげてくれないかしら?」


 猫に向かって言うことではないが、彼女の言葉は表情とは違い、真剣


みを帯びていたように感じた。


「うん、女の仔か。美人?になりそうだし、そうだなぁアリスなんて似


合うんじゃないかな」


 エイファさんと顔を合わせていた私の背後でどこか聞き馴染みのある


名前が聞こえた。



 


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