表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私はねこになる!?  作者: 夢辺 流離
56/136

ねこでもできる魔法の仕組み

 寒くなってきました。

皆様風邪をひかれないようにあったかくして

気が向いたらまた読んでやってください。

 ひとまず大きく開けたその場所で、中心から放射状に"お願い"する。

時間差をおいて、中心から雑草達がくたっと倒れていく。

それをノワーロさんが集合をかけたリスやうさぎといった小動物がくわえて1カ所に集め出す。


 ひとまずそれだけの事前準備を終えたあと、少し実験を始める。

そのへんに転がっていたてきとうな小石にテシテシっと叩いては、"お願い"する。


      変化はない、ただの石ころのようだ。


 ちょっとションボリーヌ。

「アリス様、恐らくアルルカナンの量が足りなかったのではないかと」

 打ちひしがれていた私の耳にそう声が聞こえ、端から見ていれば耳がピクっと立ったのがよく見えただろう。

 そうだ、確かにアルルカナンがすぅっと体から石へと移る感覚があったのだ。いつもの地面を操作するときの気分だったが、よく考えれば石は硬い、というか形が固定されているモノだ。

水ほどではないにせよ、土と同じ感覚では駄目なのかもしれない。

さっきより多く、ちょっと過剰かな?と思うほどのアルルカナンを込めながら"お願い"することで小石はきれいな立方体へと変わる。

おぉう!できてもうたがや!

はっ!びっくりしてちょっと言葉がおかしくなっていた。

表面はなめらかで、不自然にきれいな立方体であった。

さっきより心持ち手加減しながら同様にして"お願い"する。

今度は立方体の縦横高さの長さを倍にする。

文句なくできあがった立方体にちょっと自慢気にしてみる。

ノワーロはそれを見て一瞬神々しくも感じたが、大喜びの様子を示すしっぽの"振り"を見て笑うのをこらえるので必死だったのは幸いアリスに気づかれずに済んだのだった。

とは言え、できた立方体はぶっちゃけ邪魔だった。

さっきの小石サイズと違って重そうだな、まぁもっかいサイズを変更すればいいか、と思いながらサイズが元々の倍になった石を持ち上げようとして驚いた。


            軽い!


 正確には元の小石と変わらない、が正しいのだが。

持ち上げてみて初めて気づいたが、中身もどうも空洞のような気がする。

スイカの出来を確かめるようにポンポンと叩くアレである。

地面にお尻をおろすと、右手を顎に乗せて考える。

「どうしました?アリス様」

と、ノワーロさんに声をかけられて、唐突に閃いた。

某青たぬたぬロボットの縮小/拡大ライトだ。

あれは確かケーキを拡大させていっぱい食べられるようにしようとしたが大きくした割合に応じてだったかケーキがまずくなるとかそういう設定があったはずだ。

厳密に同じではないのだろうが似たような原理なのではないか。

1×1×1の石の体積は1立方センチメートル。

それを拡大して2×2×2にすると8立方センチメートル、8倍だ。

見かけ上は同じでも、中身は7/8が空洞になのではないか、と考えられる。

一瞬、不便だなと思ったのだが、よく考えれば使い方次第ではないかと思い始めた。

ちっちゃい円柱を作ったあと、拡大して上の面を無くせばそのまま湯呑みになるんじゃないか?

とか思いついて、私天才じゃん!とか思ったのだが三日天下どころか刹那の天才だった。


今の自分では深皿じゃないと、ひっくり返しておわりだなと気づいたのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ