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私はねこになる!?  作者: 夢辺 流離
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大事業と報酬

 ここ最近、帰ってみるとアリスは言葉通り泥のように眠っている。

いや、言葉通りではないか。

泥だらけで眠っていると言うのが正しい。

どこかお気に入りの場所でも見つけて、そこへ行くまで苦労があるのか。

他のねこにつきまとわれていて、必死で逃げ回ってでもいるのだろうか。

とても気になるのだが、最近どうもスリームの散見がみられ、手が離せないのだ。見たところ怪我もなさそうだし、よく眠っているのでそっと頭を撫でてやるに止めた。


 

 かれこれ1週間近く、穴掘りをしている。

我輩は疲れている、湯脈はまだない。

まぁ、魔法便りなので、肉体的な、というよりは精神的な疲労であるが。

仕事帰りに川で洗っているが、残った土が乾燥してくっついているよ!

早くお風呂に入りたい・・・。

鞄から銀露を取り出してシャリシャリとかじってお昼ニャう!

草の上にゴロンとなって昼休みを終えると、再び地面と向かい合う。

初めのうちは穴の外から魔法でホイサッサとしていたのだが、深くなってくるにつれて魔法の効きが悪くなってきたのだ。

そして1時間、地面が湿り始めた。

温かくなってきた。

最後のほうは夢中になって手でも掘っていた。

ショボボボ。

で、出たー!うわっ、ちょっ熱っ。慌てて背後に飛びのく。

実際にはそこまで熱くなかったのだけど勢いと突然さにびっくりした。

少しずつ水位が上がってくる。

ま、待てよ・・・。

私、湯脈を掘るのに夢中で何も考えてなかったけど、よく考えたら排水のことも浴槽部分についても何も考えてないゾ?

若干熱めの足元とは裏腹に背筋に寒いものを感じると、風や土に"お願い"して助力を受けながら全力で垂直登攀である。

右足が沈む前にひだ・・・って4足だとどうすりゃいいの~!

という思考とは異なり、足は身体を引っ張り上げていくのであった。


            理屈じゃない!!


そう思いました。

タイムリミットは湯脈のお湯が溢れるまで!

流石に土の浴槽は綺麗にしているのか汚れているのかわからなくなりそうなのでアウト!

ああもう!時間がない!

"お願い"して粘土質の槌を地表に集めると陥没させた30cmほどの深さの穴に沿って形作らせると、アルルカナンを与え続けて消えないように保っている火種に大量にアルルカナンを注ぎ込む。

慌てていたので若干砂利や草も混じった粘土に強めの火力。

成功しそうな気がしないがともかく一回風呂には入れればよし!と言わんばかりの強行である。


そして排水である。

本来まずこちらを先に考えるべきであるが、まず浴槽を!と思ってしまったのは泥だらけの姿を見れば仕方ないかな、と思ってしまうだろう。

川に直接つなげるのは待ったをかけつつも少し小さめの支流を湯脈の側へ沿うように掘る。

そして川の下流へ流れ込むようにしてから上流もつなげる。

しばらくして支流のほうも水が流れていく。

これで冷水を確保することも排水もできるだろう。

でもそのまま流し込んで大丈夫かな?

というわけで、二つほど段々と大きな穴を設けて二つ目の穴から川へ排水するようにした。

湧き出したお湯は一つ目の穴にたまっていきその上澄み部分から2つ目の穴へ、同様にして川へ流れ込むのだ。

簡易的だが濾過装置としてこれ以上思い浮かばなかった。

ときどきこの濾過装置?も掃除する必要性があるだろうがそれはまた今度だ。

 遠隔で魔法を使ってた浴槽のほうはちょっとヒビ入ってるけど直すのはまたいつか!今日のところは湯がたまればいいの!ってことで

準備OK!相当深くまで掘ったので、お湯がたまり溢れてくるまで結構時間があったが、大規模な河川工事をしている間にいいお時間のようです。濾過装置に流れ込む前の沸き湯を"お願い"して浴槽の中へ。

えへへ・・・。

前足でチョンっと湯面をタッチ。ちょっと熱い?

上まで沸きあがってくるまでにちょっとは温度が下がったようですがそれでも熱め好きにちょうどいいくらいかな?

こちらには細かい温度とかないのでフィーリングですが。

うむむ、にゃん娘ボディだと半身浴とか足から入る、とか難しいな。

浴槽の改善を提案するであります!

テンションおかしいのは察してご勘弁の程を。

えへへ。縁に顎?を乗っけてマッタリ中。髪を結って上げたりしなくていいのは楽でいいなぁ。タオルとかほしいかも。うにゃうにゃ。


そして30分後、体の体積が人間より小さいため、熱が伝わりやすかったのか一匹のねこがのぼせて涼んでいたとは誰も知る由がなかったのである。



 最近アリスが汚れて帰ってくることがなくなった、というかむしろ綺麗になったくらいで、毛並みも艶が出て綺麗になったような・・・。

頭を撫でてやればやはり、以前よりサラサラのような。

本当に何をしているのか気になるんだけど。

撫で心地が気持ちいいのは悪くない・・・。

撫でられるほうも撫でるほうも気持ちよさげな一日の終わり。


名 前 アリス               Lv02

飼 主 マーニ・フリームノート

クラス 御使いさにゃ


ステータス


生命力:013(±000) 魔 力:030(±000)

筋 力:???(±000) 知 力:021(±000)

器用さ:012(±000) 精神力:018(±000)

敏捷性:014(±000)


特技

ねこぱんち(Lv06) 発想 飛び(Lv15)樹上 走行(Lv03)

畑 ワーク(Lv07) ねこ かき(Lv04)狩猟豹走行(Lv05)

尾   行(Lv01) 登   攀(Lv04)頁 めくり(Lv02)

水流 操作(Lv03) 落とし 穴(Lv06)庭   師(Lv03)


取得称号

幼ねこ卒業 温泉ねこ New! ガーデニャング

にゃいんくらふと New! 魔法使い 他

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