第2案
辺りを見回しながら森のほうへ歩いていくとなんとなぁく森よりも"濃い"靄のようなものを感じてそちらのほうへ向かうと例の4人が焚き火を囲って座談しておりました。
想話はうまくできなかったものの、わずかに乱れたアルルカナンの気配で4人は私が近づいたのを感じ取り・・・
警戒されました。
「アリス様、です・・・よね?」
コクコクと頷いて警戒が解ける。
「アンタ一体なにやったのよ?」
「わかんない、朝起きたらこう、目の高さが違っていたと言うか」
みんなため息をついて呆れた風だけど、私だって訳わかんないんだからね?
「今日はイングズの力をちょっと借りたいんだけどおけぃ?」
「ん・・・わかった。ちょっと楽しみ」
おけぃ?とかでも通じるんだね!想話便利!
ちょっと川辺に移動しつつ"粘土"が地中にないかを探ってもらう。
私自身粘土がどんなものかはっきりと分からないので困ったが、
文字通り粘りのある土を探してくれた。
まぁ、詳細が分からない以上、やってみるしかないよね!
ということでコネコネ・・・。
みんな何やってんの?って顔だ。
「ボクもする~♪あっはは~」
スヴィプルは私の真似をしながらコネコネっと。
うわっぷ、撥ねてる撥ねてます。
風の力で粘土が一塊になってグルグルとこね回されているのを私は思わず手を止めて見入ってしまう。
ある程度練ったところで四角く整形し、大きな石の上に一個乗せて
「カノ、ちょっとあの土焼いてみてくれない?」
ふんって言いながらもやってくれるんだよなぁ。
カノ、ツンデレ子!デレをはよ!
っとと、栄えある1作目は・・・高火力で割れちゃいましたね。
「カノ、もうちょっと威力しぼってくれる?」
最大威力でぶっ放すのとは違って敢えて抑える、というのはむずかしいのかな?
ともかく2つ目です。
やっぱり割れてるけどさっきのよりいい感じかな?
ポンポンっと叩いてみる(本当は甲高い音を想定してたんだけど肉球でさあ)。うむ、なんとなく頼りがいがある感じ?へへへ。
「ふむ、こんな風になるんですね」
「ん、興味深い」
温度調整して焼いてもらうもパリンパリンと簡単に割れてしまう。
うむむ、うまくいかない。
肉球の跡付きレンガはうまく焼けないまま時間がジリジリと過ぎていくのだった。
いつになったら家が出来るのか・・・。




