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私はねこになる!?  作者: 夢辺 流離
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ハーモニーは一夜にしてならず

「う~ん、何から話せばいいのか悩ましいのですが、御使い様は"アルルカナン"をご存じですか?」

「えっと、そんな堅苦しくせず、アリスでいいですよ?御使い様って言われても自分のことのように思えないし。あるる・・・?は聞いたこともないです。」

ラグズは生真面目さんなのか、堅い。

折角お話できる人?が現れてテンション高めの私はこう、距離を縮めたいというか、是非お友達になっていただきたいところなのだけれど。

「やはり、そこから話した方が良さそうですね」

すみません、センセイお願いします。

「"アルルカナン"というのは分かりやすくいえばそのものの"神秘さ”つまり"不思議"具合を指します。」

 やばい、この子何いってるの?

「申し訳ありません。お気持ちはなんとなくお察ししますが、もう少し続けてお聞きください。」

 分かるのかよ!この子等も同じように説明されたのかもね。

「たとえば私たちの身体がどうなって出来て、どうやって動いてどう成長していくのか。そもそも私たちはどのようにして生まれ得たのか。この世の中の生物もといあらゆるものは"神秘"を内包していると言えるでしょう。ありとあらゆる、個々が持つ"神秘”、それを"アルルカナン"と呼んでいます。」

 ふむふむ、なるほど?

カノはなんでこんな簡単なことから説明しなくちゃいけないのよってところだろうか、貫かんばかりの視線をこちらに向けている。

スヴィプルはイングズが首根っこ摘んでなかったら私に突撃してきそうな雰囲気だ。

「アリス様、かわいいの~♪毛並みもいいし。さわりーたーいー。」

駄々っ子モードのスヴィプルのほうがかわいいと思うけどなぁ。

「とりあえず、説明邪魔するのダメだと思う。」

イングズはただ静かに聞いている。

「個々の存在は皆己の抱える神秘に応じて靄のような、または大気のようで、光にも似た不思議な波動、この波動のこともまた"アルルカナン"と呼んでいてわかりにくいのですが、この波動をもって世界に影響を与えるのが"魔法"です。魔法はご存じですか?みt・・・アリス様」

 ちょっと睨んでみた・・・様付け、まぁいいか。これからこれから。

アルルカナンって言うのはたぶんゲームのMPのことだね。

頭文字Mじゃなさそうだけど。

「魔法について書かれた本を読んで見たけどちんぷんかんぷんだったよ」

 ラグズは困ったような顔に少し笑みを織り交ぜながら

「ああ、人間の魔法はなんというかガチガチに型にはめられてますからね」

「あんなのでよく魔法が使えるものね」

「見てるだけで肩が凝っちゃう~」

「あれはあれで趣深い・・・」

 と、カノ、スヴィプルそしてイングズ。

「アルルカナンは純粋な無色のエネルギーです。それに指向性をあたえてやるわけですがその手続きが私たちと人間ではまるっきり別のアプローチをしているのです。」

「ももも、もしかして私にも魔法が使えちゃったりするのかな!?」

 思わず聞いちゃった。ラグズは苦笑しつつ、

「前振りが長くなりましたが、つまりこういうことです。アリス様は人間のように言葉を発しているわけではありません。私たちのアルルカナン「私たちは普段不思議パワーって呼んでるけどね」をアリス様のソレと同調させることで意識を共有しているというか伝えあっているって感じですね。アリス様はところどころでよくわからない単語を使っておられますが、この方法なら雰囲気は伝わります。今は私たちがアリス様のアルルカナンに働きかけて誘導していますが、ご自身でこの波動を自覚できるようになれば魔法も使えるようになるかt・・・うわっ」

 私は言い終わらないままにラグズの手をとると握手、そのまま上下に動かす。何をしてるかって?知らん!喜びの舞?

「ラグズばっかりズルーイ!私も~」

スヴィプルがイングズを振り切って混ざってくる。

イングズは引き留めようとするが何故か混ざってしまう。

カノは

「何やってんのよ!」

と怒り出す前に先手を打って無理矢理混ぜ込む。

こうして4人?の妖精と一匹のねこはなぜか手を繋いで踊って?いた。


ゼーゼーハーゼー

10分後くらいに皆息を荒げて地べたに座り込む。

「私たち何やってるの?」

 ちょっとテンションダウンした私。振り返るとなんでこんなことになってるんだろう?

「アリスさんが言わないでくださいよ」

「アリス様がわからないのに私がわかるわけないの~」

「・・・。」

「あんたが言うなー!」

 私が参加したせいか、今度は揃わなかった。




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