ハーモニー♪
「えっと、あのですね。恐れ入りますが、あなたは御使い様ではないのですか?」
青色の、魔法使い帽子にワンピースの子が丁寧な言葉で尋ねてくる。
髪の毛はポニーテールで白いシュシュがかわいらしい。
ゆらゆら揺れていると私、気になります!
他の3人は、赤い子が白いノースリーブに赤のフレアスカート。ツン目がちょっと鋭いけれど美少女といって差し支えない。ショートの髪と相まってスポティッシュな感じだ。
先ほどの言葉を素直に受け取れば彼らは妖精さんなのだろう。
私の思い浮かべる妖精みたいにふわふわと浮いてたらパンツ見えちゃうぞ、赤い子!
緑の子はフード付きのロングコートで全身を覆っている。様子が全く分からない。暑くないのかなぁ。
そして4人の中でもなんかこう、雰囲気のある茶色い子。
オールバック?後ろに髪を流しておでこがキラリ☆
服はシンプル。焦げ茶のつなぎ。執事の格好とか似合いそうなのに。
と、4人の感想はこの辺にして。
んー、困るね。なんて言ったらいいんだろうね?
私自身は"御使い"なんて言われてもまるで実感もないし、何ができるともないのだけれどキャットタグにはそれっぽいのが出てるんだよねぇ。
わからないので正直にそう言ってみた!
4人?はなにか深刻に考え中らしい、あ、いや赤い子は多分別のことを考えてると思う。表情がころころと変わってる。
「お互いに聞きたいことはあるのだろうけどとりあえず自己紹介しませんか?」
"赤い子”とか認識するだけならそれでもいいが、そんな風に呼んだら絶対怒るだろう。
「だったらまずあんたが名乗りなさいよ、それが礼儀ってもんでしょ」
うん、関係なく怒られたね。
「カノ!失礼なこと言わないでって言ってるでしょ!!ごめんなさい、御使い様。私は水の精霊のラグズと申します。カノはちょっと素直じゃないだけなので許してやってください。」
と青い子。ラグズね・・・。
「ちょっと保護者ぶった言い方はやめてよ。ふん!私はカノ。火の精霊よ、何か文句でもあるの?」
私は首を横に激しく振る。赤い子ことカノ、地雷っ子、慎重に接するべし。
「私はスヴィプル~。風の精霊だよ。今度の御使い様はとってもかわいらしいの~♪」
緑の子が近寄ってきてスリスリとすり寄ってくる。
その際にローブはずれ落ちてようやく姿が見え・・
これぞ妖精!ってかんじ。ティンカー○ルっぽい羽付きで宙に浮いている。金髪に碧の水晶のような瞳は人形のようだ。
普通すり寄ってくのはねこの方だと思うんだけど。
度々羽が顔に触れてくすぐったい。
「あ~んもうちょっとだけ~」
興奮気味なスヴィプルを捕まえて引きずっていく茶色い子。
「ボクはイングズ、地の精霊だ。スヴィは里を出たときからこんな状態で、御使い様を驚かせるんだってローブで姿を隠したりしてたのも悪気があるわけじゃないので許してやってください。」
おお!ボクっ娘だ!中性的な顔つきであまり表情は変わらない。
ん?ちょっとほっぺが赤いかな?
「さあ、あんたの番よさっさと名乗りなさいよ」
カノは本当にツンツンだなぁ、疲れない?っと睨まれた、何この子怖い。
「私はアリス・・・気づいたらこの世界に放り出されてたから、何がどうなってるのかさっぱりだけど、ギルドカードによると"御使い猫"らしいわ。」
首のキャットタグを見せながら話す。
「って!」
私は気づいて驚く。
「何よ!何かあったの!?」
カノの反応超早い!
「私喋れてる!!」
「「「「 今更なの!? 」」」」
4人の声がハモった。




