小さな訪問者たち
エイファさんに挨拶して(本は重たくて片づけられない)
ギルドを後にすると、村の中をキョロキョロと見て回る。
そんなねこを村の人が見てザワザワと騒がしい。
村の家々は、木を寄せ集めて作られている。
マーニ宅よりはるかにマシだが、それでもやはり建築水準はこの程度かと言ったところだ。無論自分も建築の方法など分からないのだが。
前世においても周りの物についてなんにも知らなかったんだなぁと思う。
ウロウロしてようやく見つけた木材屋さん?ではイタズラするなと追い払われてしまった。
失礼な・・・まぁ冷やかしなのは間違いない。
金額見ても高いのか安いのか、そもそも何がどのくらいなのかもわからないのだ。
しょんぼりと肩を落として(肩があるのか?)帰宅すると
座り込み、顎に手を当てて件のポーズだ。
考えがまとまらないままに時間が流れていくのであった。
今日は朝早くから出かけたので、まだ日が高い。
銀露の実をかじりながら無力感に打ちひしがれていたところ、
玄関(という名の家の隙間)から
「ごめんくださ~い」
と何人かの声が入り交じって聞こえた。
いやいや待て待て!
声が大気をふるわせて届いたという感じじゃなかったぞ!?
直接頭に響くような・・・。
「もう、いつまで待たせるのよ。だいたいこんな朽ちかけたようなところに本当に居るの?」
「ちょっとカノ!失礼なこと言わないでよ!あんたの性格はわっかてるけど私たちまで巻き込むのはいい加減やめてよね!」
「なんですってー!ラグズのくせに生意気なのよ!!」
「えっと、どうしよう」
「・・・。」
壁に手をかけて顔だけちろっと出して見ると4人?の姿がある。
どちらも私の身長よりちょっと大きいくらい、つまりちっさい。
と不穏なことを考えていたら、
「そこにいるのは誰よ!さっさと来なさいよ」
小さいことを気にしてるのかな?妙に鋭いんだけど。
仕方なく彼らの前に行く。私の体はしっかりと引き気味である。
「遅参のことまことに申し訳なく。四精霊参上しました。」
うちの一人が畏まってそう言う。右手を左胸の前に当てお辞儀状態だ。
は?この子は何を言ってるの???私は身体ごと首を傾げる。
「「「「あれ?」」」」
4つの声がハモった。




