表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私はねこになる!?  作者: 夢辺 流離
24/136

はじめてのたんさく!

 一般に、嗅覚の優れた動物、と言われれば"犬"を想像する人が多いことは考えるに難しくはないだろう。

 だが、"犬"には及ばずとは言え"ねこ"も人間と比べれば圧倒的に嗅覚が優れているのである。そしてその優秀さは必ずしも利点であるとは限らない---。


 地下へと伸びる、石造りの階段。地下迷宮への入り口である。湿度の増加、かび臭さと微かに混じるすえた臭いが洩れ出ていて、アリスは早速"回れ右"しそうになるのを必死でこらえねばならなかった。すぐに鼻がバカになったのが若干の救いだったが、そんあ臭いが身にまとわりつくのはゴメンだった。地下へと踏み込む小さな一歩には、前世を含めても最も多くの勇気が必要だった。


 思ってたよりもキレイなのね・・・。石造りの壁が周りを覆い、幾重もの出入り口を作り、そして迷路を作り出していた。まぁ、地下迷宮なんだからそれほど想像とかけ離れた様子ではないが、圧倒される光景には違いない。

 「壁は結構高いのね。上を行くのは無理か」

さっそく姑息なことを思いつつ様子を伺う。入り口の近くだからか、モンスターの姿はまだ見えない。通路の幅はそれなりに広く、どう考えても地下にこんなものがあるのはおかしい。"異世界"を実感しつつ、恐る恐る歩き出す。目的は"マジックバッグ"、迷宮の踏破ではない。が、そのほうが困難かもしれない。どこか引き気味にヨタヨタと探索中である。耳はひっきりなしに前後左右に向けられているし、カロリーの消費についての心配はいらないだろう。

 なんて考えていたら、前方より地面の擦れる音が聞こえてくる。ズルズル、ズルズルと。その分、動きは早くなさそうだ。私は周りをキョロキョロして小さな小路に忍び込み、先の音が通り過ぎるのを待つことにした。壁に手を添えて顔だけひょこっと出して様子を伺う。もちろん耳は全力で周囲を警戒中だ!・・・来ない、まだ来ない。スローボールを投げられたバッターはこんな気持ちだろうか、じれったい。そんな思いを身体に表さないようにジッとしながら様子を覗う。ゲームの、デフォルメされたのとは違う、現実のスラ・・!実際に目の前を通り過ぎて行ったのは、ナニアレ?プリンの形のゼリーの、ここまではまぁ想定内、左右が抉れてる?括れてる??パルテノン神殿の柱をもうちょっと極端にしたような?どれだけ呆けていたのか、気づいたらスライム?は大分遠くに行ってしまっていた・・・。

 

 手に汗握るバトルシーン!なんてものはないです^^;

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ