ストーキング・ミッション!
よく考えたら、そもそも地下迷宮の場所知らない。
筋肉痛になった翌日、ようやくそのことに気づいたのだった。とは言え、マーニ君がお仕事?で毎日通っているのだから、こっそりついていけばいいだろうと思い直して、そのときを待ってコロンと横になった。
「アリス、じゃあ行って来るね。あんまりお転婆してちゃだめだよ」
と言い残してマーニ君は通勤です。一体私のことをどう思っているのか問いただしたいところではあるが、ゆっくりとしている余裕はない。少し間を空けて、後をつけていく。いつも家放置してるけどいいのかな?まぁ盗られて困るものなんてなさそうだけど・・・。そう思ったのはここだけの秘密だ。
ときどき木陰に潜みつつ、ちょこちょこ歩いていく。この姿を見る人が見たら、飼主の後に連れ立って歩く懐いたねこにみえたかもしれないが、その実絶賛ストーキング中である。肉球のおかげか、足音がすることはなく、尾行などしたこともないが、気づかれている様子はない。家から村へと歩き、マーニ君はギルドへと入っていく。何か用事かな?裏口から進入し、聞き耳を立てる
「エイファさん、僕の昇級はまだなんですか!?」
「んー、依頼受注の数では問題ないんだけどね。達成した数と同じくらい失敗してる現状、上のクラスの依頼を任せるのはちょっと無理があるわ。」
おおう、仕事中のエイファさんはなかなか手厳しい模様。というかマーニ君は調子わるいのかな?
「とりあえずいつもの依頼、お願いします」
そういってほどほどの大きさの紙をエイファさんに手渡すと、エイファさんはそれを一睨みして何かを記入しマーニ君に返却する。
「気をつけていってらっしゃい」
先ほどのやりとりのせいか、少々肩を落したマーニ君が出てきて、私は慌てて後を追う。村を出てしばらく家とは反対の方向へと歩くと、小さな賑わいを見せる集落?へとたどり着いた。と言ってもそれほど人が多いわけではない。アリスは知らないが、ここは初心者でも行ける、低級の地下迷宮であり、ある程度なれたものは次の迷宮へとさっさと行くことが多いので見習冒険者が数人いればいいところ、といったこのあたりでは大きく集落が発展することはなかったのだ。この迷宮の常連のマーニ君は殆ど初心者支援といった風な商人にからかわれつつも、迷宮への入り口へと向かうのだった。幸いにも、この低級の迷宮では、ギルドカードを入り口にかざしさえすれば入れるようだ。マーニ君が入ったのを見計らい、しばし間を置くと、誰にも見咎められないようにアリスも忍び込んだのだった。
名 前 アリス
飼 主 マーニ・フリームノート
クラス 御つかい猫
ステータス
生命力:006(±000) 魔 力:005(±000)
筋 力:???(±000) 知 力:012(±000)
器用さ:004(±000) 精神力:010(±000)
敏捷性:010(±000)
特技
ねこぱんち(Lv03) 発想 飛び(Lv11)樹上 走行(Lv02)
畑 ワーク(Lv03) ねこ かき(Lv02)狩猟豹走行(Lv02)
尾 行(Lv01)
取得称号
飼い 九死一生 キレイ好き 果物大好き 鮭獲 重箱の隅
チャレンジャー 野良 畑の番人 蛇 New! 冒険猫見習 迷い
山 ランニャング・ハイ