エイファさんと一緒 後編
未知の金属板に恐る恐る触れた瞬間に光が発せられ、徐々に光が強くなりそして弱まっていくとそこにあったのは基の金属板と比べて大分小ぶりの・・・私が身につけるのにも不都合のなさそうなドックタグもといキャットタグ(丁寧に紐の通し穴つき)だった。表面にはにくきう含む私の手形が彫込まれ、裏面には「アリス」の名前と飼い主の名前、「マーニ・フリームノート」そして私の職種「御つかい猫」と刻まれていた。ふ~ん、マーニ君の家名ってそんなんだったんだ、かっこいいじゃないの!というかお遣いねこってなんですか!魔○の宅急便みたいなやつかよなんて思ってたら、
「まさかできるなんて」
と心底ビックリのエイファさん。なんでも昔勘違い甚だしい貴族がペットのネームプレートを作らせようと無理やり押しかけたことがあったそうだが、できなかったらしい。リボンを一旦解いてプレートを通しながら話してくれる。
「やっぱりアリスちゃんはただ猫じゃないのね♪」
くすくす笑いながら私の鼻先を指でチョンとつつく。
「このことが例の貴族にばれたら面倒くさいことになっちゃうから内緒ね」
人差し指を口元に当ててそう言うのだった。
しかし、この金属なんなのかね?ちっさくなったこともあるかもだけど全然重くない。うん、かわいいし?気に入った。お風呂も入れたしご機嫌さんな私。しかし、飼い主がマーニ君と出て良かったよ。すっかりエイファさんのところで飼われてる判定されなくて良かった。いや良かったのか。むぅ。と考えてたところで
「アリスちゃん、これ、マーニ君におつかいよろしくね!」
と、手紙?をリボンに挟むと来るとき同様、人目につかないようにされながら、村のはずれマーニ君の家に続く山道の側で下ろされバイバイと手を振られ私もそれに合わせて手を振るフリフリ。せっかくお風呂に入ったのに・・・靴はきたい。4足か~倍出費が・・・なんてくだらないことを考えながら帰宅。マーニ君に抱っこされて
「どこいってたの!?・・・というかなにそれ?」
首にかかるリボンとプレートを見ておお!と感嘆の息をもらすと、首の紙に気づき、それを見るマーニ君。
マーニ君へ
アリスちゃんをお借りしました。
とっても可愛くなったでしょ?
ちゃんとお世話してあげないようなら私が連れて行きますからね!
ときどき差し入れにもいくのであまり無理しないように!
G.M エイファより
それほど長くない、メモのような伝言だった。一緒になって私も覗き込んでいたのだ。エイファさん、連れて行く気満々じゃないこれ?と他人事のように思いながら今日も過ぎていくのでした・・・
じゃ、なーい。
日本語おかしいから。エイファさんところ(たぶんギルドのバックヤード)から出るときにちょっと聞こえたんだけど(耳が良いので表の受付の説明が耳に入った)このプレートに触れながら「ステータス」と唱えると自身の特技とか見られるらしい。無論、発音はそこまではっきり出来ないけど。「にゃにゃにゃ!(ステータス)」念じながら言ってみる。うおっなんだこれは!頭の中に別のウインドウが開くような感じだろうか。ふむ、私のクラスは「おつかいねこ」じゃなくて「みつかいにゃ」らしいです、なんだそりゃ。