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私はねこになる!?  作者: 夢辺 流離
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飛び入りはご遠慮ください

 若干の気だるさはあるけど、なんとか筋肉痛から逃れられた翌日、朝ごはんを食べつつ、困っていた。


             臭い


どうもこの世界では「お風呂」は一般的ではないようです。ですが!私には我慢できません!普通のねこのように全身舐めて毛づくろいというのも抵抗がありますし!しかし(元)年頃の乙女としてはこれはないということで、


           そうだ!川に行こう!


 魚も食べたい!たんぱく質が不足がちなので。




 エイファは前回の雑草料理を見て以来、何かとマーニ家のことが気になって仕方なかった。とりあえず、スープの作り方を教えたのだけど、そもそも料理自体から教えないといけないのでは?とひとまずの差し入れを持ってマーニのところへ向かったところ、ヒョコヒョコ歩くアリスの姿が見えた。とりあえず差し入れを家に置いて後を追いかけることにした。幸い、アリスはゆっくりと歩いていて、見失うことはなかった。が、向かう先はどうも森の中のようで、一人で行くのはちょっと躊躇われるのだが、頭の中はすっかり「アリスちゃん、なでたい」でいっぱいだったのだった。



 ねこボディになってわかったこととして、耳が非常に良いのだ。右に左に耳を動かせば探していた場所はすぐ見つかった。小川。いやでかいだろ!体高が低い分、川は深く感じるし、大きく見える。ともかく川端まで寄ってみると、前世の川とは違い、澄み切っていて底まで見える。ジッと見ていると魚もそれなりにいるようだ。チロチロっと水を舐めれば冷たくおいしい。水を買うなんて信じられない!まぁ前世の意識があるので煮沸したいという思いもなくはないのだが。なんとなく身を屈めるようにして集中、右手をシュパッと振り切る。思ったより早く手は動いたものの、結果は失敗。木彫りの熊のようにはいかんのです!実際に鮭とってるところ見たことないんですけどね!その後も試行錯誤しつつ魚を狙うもうまくいかず、半分自棄になって川へと飛び込んだのでした。



 アリスちゃんは何かをさがしているようだったが、特に迷うこともなく近くの川へと着いた。川べりに寄ってしばらくじっと見据えて水を呑み始めた。ふふふ、まだ飲み慣れていない様子がかわいい。

落ち着いてきたところで、体勢を低くして獲物を狙う構えです。そういえばこの川には魚が結構いたような気がする。親猫が居なくても狩の仕方とか身体が分かっているのかしら?流石に最初からうまくいかないようだけど・・・。ってええっぇ!?なんで飛び込むの!?はぁ?思い切り良すぎでしょ!慌てて駆け出すとバタバタして、落ち着きながら前足で水をかいてこちらへ寄って来ると、何事もなかったかのように陸へ上がった。あ、やばい!




 半分本能も暴走して、川へと飛び込んでしまったわけだが、これはまずい。耳のついている位置からして水が入ったら困る!顔より上は水の中に入れちゃダメ。あとアレだ、身体の構造的なものか、後ろ足が泳ぐのに向いていない気がする。とそのへんまで理解したところで身体をリラックスさせて前足で水をかく。ねこがやっても犬掻き!魚もとれなかったし、この深さでは身体を洗うのもなかなかにしんどい。というか背中に手が届くのかな?と頭のなかが一杯一杯の状態で岸に上がるほとんど反射的に・・・全身を震って水気を弾いたところでびしょ濡れのエイファさんがいるのに気づいたのでした。

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