御使い 3
なんとなくわかった気がした。
人間は”肉体”と”精神”、そして”魂”で構成されるという。
もちろん、本当にそうなのかはわからないし、魂の証明ってどうやってできるのかわからない。
生前?人が死ぬとき、数グラム体重が軽くなるのは魂が抜けるからだなんて話を聞いたことがあったっけ。
まぁ、今はそれはどうでもよくて。
恐らく先代の御使い(お母さん?お父さん?になるのかな)は”肉体”
を司るクロエと”精神”を司る私とに分けたのだろう。
記憶は肉体に宿るものだったから私の方にはあまり残っていないのではないか。最も、”肉体”も”精神”もそれぞれ単体で存在できるものではないのは先に述べたとおり。お互いにお互いの要素を残り香ほどは持っている。さながら太極図のように。
そしてそれは白いの(神様)にとっても想像の外(但しそれすらきっと楽しんでいる)だったのだろう。2体の御使いに対し、一つの”魂”。
てきとうにどちらかに宿らせることもできずに朽ちるのはこの世界の管理者にとって間違いなく問題だったので、相性の良さそうな新鮮な死者こと私の、魂を利用したと。
まぁ想像でしかないんだけど。
まぁ確かに存在感としては人間より上なのかもしれないけどさぁ、アイツいつか絶対叩くから。
峰打ち(肉球)じゃなくて刃(爪)のほうな!
またつまらぬもの(神様)を斬ってしまうなフフフ。
むしろ私を連れてくるためにわざと事故に巻き込んだんじゃなかろうな。
このあたりで黙り込んでプルプル震えて怒りSHI☆N☆TOな私に周りは疑問と不審をない交ぜにした表情をしていたりする。
「裏の”生還の儀”を執り行うのにはアルルカナンが必要だ、アリスだったか、お前自身に恨みはないが、その力のために死んでもらう」
クロエは怖気を漂わせて笑む。
よく見れば毛並みは荒れていて、所々怪我をした痕があり、耳も欠けた部分がある。
彼の生活が楽なものではなかったのだろうことは明らかだ。
「アリス、さっきはああ言ったけど、アイツの言うことが本当なら私たちは下手に手を出せないかもしれない。」
「カノ?」
「「御使い様は世界の意志であり、世界を担う存在。我らはかの方を支えるためにあり、かの方の判断を見守るものなり。」かつて大精霊様から伺った伝承。御使い様が二人、というかつてない現況だけど確かに私たちの手が出せる次元じゃないかもしれない」
「ふん、ようやく己の分をわきまえたか。そこで黙ってみているがいい”この世界の意志”とやらをな」
こうして第2ラウンドが始まろうとしていた。
アリスは無意識に拾っている記憶の残滓からおおよその予想を立てています。説明できないけどなんとなくこうな気がする、という実態のない理解です。




