幕間
気づいたら上からかかる力が無くなっていて、慌てて跳び退いた私は体勢を整えると声のした方に顔を向ける。
「全く。大精霊様がこちらで不穏な気配を感じるというから急いで駆けつけてみれば何をやってるんだか」
そう言ってアリスを見るのは四精の一人、カノっであった。
しかし、アリスに反応はなく、何故かフルフルと震えていた。
私の登場に感動して声も出ないってわけね、無理もないわフフン、とカノがほくそ笑んでいた。
アリスは後ろ足で立つと、両手?で尻尾を抱える。
「カノ、尻尾の毛先が焦げてるんだけど」
涙目のアリスである。
「し、仕方ないじゃない!あいつを退かせるにはある程度狙って撃たざるを得なかったんだから!」
クロエがねこパンチを振り降ろそうとしたとき、炎の塊を飛ばして退かせていたのであるがその一撃は若干の悲しい結果をもたらしていたようだ。
「アリス様、アリス様!」
「あ、ラグズも!こんにちは、元気そうだね」
「はい、アリス様もって、そうじゃなくて。カノはですね、前回来たときにアリス様に教えてもらった方法で懸命に練習して操作というか、加減できるようになってきたんですよ」
「私の・・・尻尾」
毎日お風呂上がりに丁寧に(手、爪?櫛で)梳いていたのである。
付け根のほうは届かなかったけど、先の方はお手入れ万端、撫で回そうとして尻尾を追いかけてしまうほどには。
うん、目の前を動いていたら追いかけてしまうの、分かるわぁ~とは追っかけ回して汗をかいたので再び温泉に浸かった時のアリスの弁である。
目の前を何かが動いたら何であれ反応してしまうのだ。
これはもはや本能レベルだ、慈悲はない。
「ふん、もういいわよ。私の魔法が大ざっぱなのは事実だし。」
そしてもう一人ダメージを受けているものがいた。
「あはは・・・」
アリスとしてもしめやかに笑うしかない。
「イングズとスヴィもお久しぶりだね」
「ども。」
「コココ、コンニチハですヨ?」
「スヴィ、どうしちゃったの?」
「前回来たときのアリスさまへの態度で大精霊様に大目玉くらったようでして。」
ああ、確かに手をワキワキとさせて興奮をかくしきれていない辺りはスヴィらしい。
「スヴィ。前みたいにおいで。そんな他人みたいな態度をされたら寂しいな」
2秒ほど躊躇いがあって、
「うん~♪」
遠慮なく飛びついてくるスヴィ。早っ。
そんな様子をイングズは微笑ましそうに、ラグズはそれに少し”仕方ないですね~”成分を加えて、カノはちょっとうらやましそうに。
「いつまでそうしているつもりだ!」
クロエが声をあげるが、みゃおう!っという鳴き声が聞こえただけだったのである、残念。




