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Trick or Treat ~笑顔の魔法は料理から~

作者: haney

ル「お母さん、今日も畑に行って来ていい?」

母「ええ、ルナはいい子ね。」

ル「えへへ・・・///」

今日も畑に行けることになって

すっごくうれしいあたしは、

お母さんにもっとほめてもらいたくて、

お山に山菜を取りに行った。

そして。。。

変なお家を見つけたんだ・・・

ル「だれかいらっしゃいますか?」

お家の中からは、誰の声も聞こえてはこなかった。

すると・・・

お庭の方から、賑やかな声が聞こえた

グ「おいっ、それよこせ!」

ミ「ちゃんと合言葉言ってくれないとあげないよ!!」

グ「っ・・・」

マ「やーいやーい恥ずかしがり屋ー」

グ「てめっ!」

ア「その辺にしなさいお化けちゃんたち。」

ミ「えー、せっかく楽しいところだったのにぃー・・・」

ア「ミセスがお怒りになるでしょー?」

ミ「はぁい・・・」

・・・そこで目にしたものは

ハロウィンの仮装??をした人たちだった。

ル「あのぅ・・・」

ア「!!?」

ミ「何していらっしゃるんですか?」

ミ「・・・人間?」

ル「??はい。ルナといいます」

するとその人たちは集まって

何かをこそこそと話し始めた。

ア『・・・人間が来るなんて』

ミ『誰か結界の力を緩めたんじゃないの!?』

ム『ミセスが知ったらお怒りになるかなぁ?』

ア『・・・でも一人来るかもって』

ミ『ミセスが言ったのぉ??』

グ『俺も、そう聞いたぞ』

ア『確かお孫さんとか・・・』

・・・何の話をしているのだろう、

聞いちゃったら失礼かもしれないし

と思っていたところへ、優しいおばあさんの声がした。

M「おまえたち、何をしているんだい?」

ア「ミセス!?」

グ「人間が一人この中へ・・・」

ア「その、ミセスのお孫さんでしょうか?」

M「・・・」

ル「???」

M「あぁ、そうだよ」

ア「やはりですか!」

M「でなければこんなところへ入れるわけがないだろう?」

ル「あの・・・」

M『これからおまえは私のことをおばあちゃんとおよび』

ル「え?」

M『でないとあそこの吸血鬼に血を抜かれちまうからねぇ~』

ル「へぇぇ!?」

私は、ミセスと呼ばれるその人に

驚かされてしまって変な声を出してしまった。

ル「あの、ここの人たちって?」

M「みぃんなおなじ、外れ者同士さ。」

ル「・・・かわいそうですね」

M「そんなことはないさ!みんな楽しくやってるよ?」

ル「なぜ??」

M「ハロウィーンが近いからね、たのしみなのさ」

ル「活躍する時期だものね!」

そう、ハロウィーンにはお化けたちや魔女や

ヴァンパイアだって

楽しく脅かしたりできるんだものね

M「ただしいつも問題があってねぇ・・・」

ル「なぁに?」

M「あそこのヴァンパイアさね」

ル「彼がどうかしたの?」

M「恥ずかしがり屋でねぇ、合言葉を口にしないんだよぉ」

ル「う~ん・・・わたしにできることある?」

M[そりゃあおまえは明るいからね!できることはたくさんさ!!」

そう言われてわたしはとてもうれしくなった

そして、お母さんに渡すために摘んできた山菜を

料理し始めた。

ル「仕上げは愛情の魔法~で~♪」

グ「・・・良い匂いがする」

ル「さっきね、ハーブを摘んでから山菜を採りにお山に入ったの」

グ「ふーん・・・」

ア「ちょっと、いい?」

ル「?なぁに??」

ア「よかったらその、料理を教えて欲しいの・・・」

グ『・・・アーベルンの料理はまずいからな』

グレスさんの耳元でのつぶやきに

思わず笑みがこぼれてしまった・・・

ル「ふふっ」

ア「・・・グレス、あんたまた余計なこと言ったわね!!」

ル「アーベルンさん、わたしも昔はお料理が下手だったんです」

ア「そうなの?」

ル「はい、お母さんに教えてもらってやっと美味しく作れたんです」

ア「あたし、不器用だから・・・」

ル「いいえ、お料理は笑顔の魔法です。不器用とか、関係ないんです!」

ア「・・・うん、がんばるね!ありがとう!!」

あたしは、ありがとうって言われるのが好きだ

だから、辛いときでも明るく振る舞うようにしている

お母さんが、笑顔でいられるように。

M「あんたは良い子だよ、ルナ」

ル「おばあちゃん・・・」

M「悩み事かい?」

ル「・・・うん」

M「お母さんのことだろう?」

ル「なんでわかるの?」

M「あたしは占い師だからねぇ」

ル「おばあちゃんはすごいなぁ、取り柄があるから・・・」

M「あんたにも取り柄はあるよ?」

ル「本当?」

あたしはおばあちゃんに取り柄があるといわれてちょっぴり、嬉しかった

だって、占い師のおばあちゃんがそう言ってくれると、

なんか、そう思っちゃうでしょう?

ア「ま、また失敗した!」

ル「アーベルンさん?」

ア「ルナちゃぁん・・・」

ル「どうしたんですか!?」

ア「お料理がぁー・・・」

アーベルンさんはもうすでに半泣き状態で

後ろからグレスさんやお化けちゃんたちが走ってきているのが見えたから

何があったのか事情を聞くことにしてみた。

ル「なにがあったんですか??」

グ「またアーベルンがドジ踏んだんだよ・・・」

ル「ドジ??」

ミ「お菓子の材料を床にぶちまけちゃったのよ」

ル「・・・材料は、何?」

わたしはとっさに聞かなくては、と思った

用意できるものならば、すぐに用意する。

それに、アーベルンさんを笑顔にしたいから。

M「アーベルン、おまえまたやったのかい?」

ア「ミセス・・・ごめんなさぁいーっ!」

M「ルナ、力を貸してくれるかい?」

ル「おばあちゃん、材料はなぁに?」

M「アーベルン、何をこぼしたんだい?」

アーベルンさんは、こぼしたものの名前を3つと

その量を詳しく話してくれた。

M「相当な量をこぼしたねぇ・・・」

ア「ごめんなさぃぃぃ!!」

ル「おばあちゃん、このくらいの量なら用意できるけど・・・」

M「どうしたんだい?」

ル「人手がないと、材料を運べないわ・・・」

M「人手ならここにたくさんいるだろぅ?」

ル「えっ?」

うしろをみると、

皆さんやる気満々な様子で・・・

ル「で、でもさ・・・」

M「この子たちは大丈夫さ」

グ「まぁ、まかせろ。」

ミ「お金も払わずにお菓子を手に入れられるしー」

ム「楽しいことしたいしねー」

マ「僕らで力になれるならなんでもするよぉー」

ル「・・・じゃあ、頼んじゃおうかな?」

皆「「「「やったぁー!!」」」」

ア「あたしも、行っても良い?」

ル「もちろんだよ!」

と、言うことで町に出かけることになった。

わたしには、ちょっとした不安があった。

それは何かというと・・・

子「ママーあの人達の仮装かっこいいー!」

母「本当ね、でもハロウィーンは明日なのに・・・変な人たちねぇ」

と、通りすがる人たちの視線と言葉が刺さってくる

時には仮装仲間だと思って声掛けてくる人とか・・・

お菓子をくれる人もいたりする・・・

ル「いい人達もいるんですけどねぇ・・・」

ア「・・・お菓子美味しい」

グ「餓鬼かよ・・・」

ア「いいじゃないべつにー!!」

ル「あ、着きましたよー!ここです!!」

・・・わたしがみんなを連れてきたのは

ちょっと古びた(?)感じが素敵なお菓子屋さんだった。

グ「本当にやってんのかよ?」

ル「おじいさーん!」

爺「・・・なぁんじゃ?」

ル「おじいさん!わたし!!ルナでーっす!!!!!」

おじいさんはとても耳が悪い、

だから耳元で大きな声で言ってあげないと聞こえないときがある。

爺「おぉー・・・ルナか、なんのようじゃね?」

ル「小麦粉を3kgと、バニラビーンズをたくさんもらいたいの!」

爺「・・・あったかのぅ?」

少し、不安がよぎったのは言うまでもない

この時期はお菓子を大量に作らなければならない時期だ

だから、小麦粉もバニラビーンズも切らしているかもしれない。

爺「おぉ、あったぞー」

ル「ほんとうに!?」

グ「やったなぁ、ルナ!」

ル「うん!!」

これで後残すはカボチャだけ・・・

カボチャはうちの畑になっているけれど果たして30個もあるかどうか・・・

ル「次はわたしのお家の畑に行こう!」

グ「カボチャあるのか?」

ル「30個もあるかはわからないけど・・・」

グ「・・・おまえら先帰って良いぞー」

ア「えっ?」

グ「カボチャ30個くらい俺一人でももてるしな」

ミ「でもさぁ・・・」

グ「おまえら全員でそれ運んだ方が楽だろ?」

ル「そうだね、こっちは大丈夫だと思うし」

ア「んー・・・じゃあ、任せようかな」

そういうことになったので、わたしはグレスさんと

お家にある畑に向かった。

ル「グレスさんってなかなか笑わないですよねー」

グ「・・・まぁ、いろいろあるんだよ。」

ル「わたしいつか笑わせて見せますから。」

グ「はぁ?」

ル「おばあちゃんのお願いでもありますしぃー」

グ「せいぜい努力するんだな・・・」

ル「はい!絶対に笑わせて見せます」

とか言う話をしていると、

意外と話が楽しくってお家に着くのは早かった。

ル「あの、お母さんに挨拶してきて良いですか?」

グ「あぁ、いってこい。」

ル「ありがとうございます!」

わたしは、お母さんに山菜を摘みに行ったという話だけした。

そして少しの山菜を手渡し、またでてくるとだけ行って、お家を後にした。

ル「ちょっと遅くなってごめんなさい」

グ「母親思いなんだな」

ル「そんなことないですよ?」

グ「あれカボチャ畑だろ?30個あったぞ」

ル「本当ですか!?」

グ「さぁ、戻るか。」

ル「はい!!」

そうしてあたしは、グレスさんの持っている袋のうち

少ない方を持たせてもらってみんなのいるところへ向かった。

M「お帰りルナ、どうだったんだい?」

ル「あったよ、おばあちゃん!」

M「それじゃあつくろうかねぇ」

ル「おばあちゃん、みんなで、お料理しない?」

グ「・・・なにいってんだよ」

ア「そ、そうよ・・・あたし達になんてできるわけないわよ」

ル「そんなことないよ!それに作業は分担した方が早くすむし!」

M「そうさねぇ、ルナの言う通りかもしれないねぇ」

ア「ミセス!?」

ル「ね!みんなもさ、お料理するのってとっても楽しいことよ?」

わたしはそう言ってみんなを無理矢理キッチンにひっぱりこんだ

おばあちゃんの言うとおりに、みんなで作業を分担して

一人一人がとっても楽しそうだった。

M「やっぱりおまえを入れて正解だったねぇ~」

ル「??どうして?」

M「あんたは綺麗な心の持ち主さね、でもいつも寂しそうだったからねぇ」

ル「おばあちゃんは全部知っているのよね・・・」

M「全部とまでは行かないさ、人の心の鍵までははずせないからね」

ル「そうなの?」

M「あぁそうさ、だからおまえに一つ頼み事をしただろう?」

ル「あたしにも、難しそう・・・」

M「大丈夫、見てごらん?」

わたしはおばあちゃんの指さした方向を見てみると、

そこには笑顔のグレスさんの姿があった。

周りのみんなも、すごく楽しそうに笑っている。

ル「あんなに楽しそうに笑ってる・・・」

M「おまえのおかげさね」

ル「ううん、あたしじゃないわ・・・」

それはお料理の魔法。

ハロウィーンに見た奇跡の魔法。

朝になったらお別れでも、また来年も会えると良いな・・・


みんなで祝おうハロウィーン、

あまーいあまーいお菓子の魔法。

「Trick or Treat! お菓子をくれなきゃいたずらするぞ!」

みんなで唱えよ、お菓子の魔法。。。


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