郵便屋ウイリー事件
郵便屋ウイリー事件
年の瀬も押し迫り、年賀状を書いているという方もいらっしゃるでしょう。今回は年賀状に直接まつわるわけではないが、やはり年賀状というとこのことを思い出さざるをを得ない話です。
タイトルを見て某バラエティー番組のパクリだと思われた方もいらっしゃるかもしれないが、事実は事実なのだから仕方ないのです。
私の通っていた高校の吹奏楽部は、よほど都合のつかない人間以外(原則アルバイト禁止だったがたくさん近所の神社の巫女さんがいました)は元日の郵便局の年賀状配達出発式で生演奏するというしきたりがあるらしく、前年1月中旬に入部した私はそのしきたりを知ったのは高校2年の冬でした。とりあえず、「サンダーバード」を演奏すればいいらしく、とはいえ初見演奏ができない私は練習をこなして出発式の演奏に臨みました。
その郵便局は出発式をするというぐらいなので集荷も配達も行う大きな局で、たくさんのバイクや自転車が出発を待っています。バイクや自転車が出発する前から演奏を始めているので、最終的に屋根はありながら寒い中何度同じ曲を演奏したか記憶はもうありません。
その、何度も繰り返される演奏、大量に排出されるバイクや自転車…あれ、あのバイク…動きがなんかおかしい…
そう、そのバイクはエンジンがうまくかからず、ウイリーして転倒こそは免れたものの、結局すべてのバイクや自転車が出て行ったあと、とぼとぼと押されて戻ってきました。
楽器のポジション的に最前列で私はそれを目撃してしまったわけです。笑いをこらえながら演奏するのに必死でした。まだまだ排出される車列は中盤、演奏をやめるわけにはいきません。笑いと「どうなったんだあの人!?」という思いで頭はいっぱいでした。
演奏終了後、数人の友人と「見た?」と話をしたような気がするのですが、角度で気に見えなかったのか、見えなかったのか、会話の内容を思い出せません。
しかし。私が大学4年生の頃のことです。大学6年生(もちろん4年制大学です)の人と知り合いになり、その人が郵便局で配達の仕事をしていることを知りました。知らないだろうと思ってこの「郵便屋ウイリー事件」の話をしてみると「それ俺」とあっさり返されました。
今となってはその人が郵便屋ウイリー事件の張本人かどうか丸々信じていいかどうかはわかりませんが、その人は現在ある世界では世界一有名な郵便屋になっているだろう、と思うのです。
二〇十二年も、『花鳥風月』をご愛読いただきありがとうございました。二〇十三年もご愛顧の程どうぞよろしくお願いいたします。
どうぞ、よいお年を。




