名言
名言
最近、日本を代表する言葉の使い手たちが偉人の名言を超える言葉を生み出す異色のバラエティー(引用:同サイト)、『世界は言葉でできている』がゴールデンタイムに進出した。
バラエティーというより教養番組に近いと私は思っている。鬼籍に入られた偉人に限らず、聞き覚えのある偉人の名言も聞くことができ、それを見ながら自分なりに名言を作ることができるため、楽しみにしてみている。
数回前の放送で、よしもとばなな氏の『ムーンライト・シャドウ』より、「それが最後かと思えない程度の恋なんて、女にはヒマつぶしにもなんない」という名言が取り上げられていた。
あれ、『キッチン』は嫌というほど読み返したのに、『ムーンライト・シャドウ』は読んでなかったかな、と思いつつ自分でも穴埋めを考えていたが、久しぶりに実家で『キッチン』を引っ張り出してみると『ムーンライト・シャドウ』も収録されていたではないか。
小説の詳細な内容はここでは割愛するが、文脈をたどっていけばもしかしたらこの解答にたどり着けていたのかもしれない、と思えた。この文章は悲しみを内包しながらそれから解放されていく「癒し」のような要素を持つものであった。
この番組の目的は偉人の名言を当てることではない、それを超える名言を生み出すことであることはわかっている。だがしかしどうしても正解を知りたくなってしまう。そして正解を知ったところで、自分の名言など到底偉人には及ばないな、とがっかりしてしまい、そして同時に偉人の名言を超えた出演者に敬意を表するのである。
出演者が偉人の名言を超えた際に贈られる「超ニーチェくん」を獲得するために出演者は必死で名言を生み出すのであろうが、「神は死んだ」という有名な言葉のあるニーチェであるため、「超ニーチェくん」の前での「神」の話はどうなのだろうか、と余計なことも思ってしまうのである。




