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らしくない戦い

「ねぇアル、あなたがもし自分より強い人と戦うことになったらどう対処するの?」


 それは昔ネット世界での唯一のフレインドに言われた言葉。

 その返答は今でも覚えている。


「それは……」



―――――――――

―――――

―--‐

















「さて試合も最終試合を残すだけとなった! ではこれより最終試合を行う、選手はステージへ!」


 べべリアが声を上げ、アルは舞台袖からゆっくりと歩き出す。

 試合は進み最後の試合となりその配役に選ばれたアルと対戦相手の少女はステージに上がる。 アルはだるそうに、少女はカチカチに緊張しながら。


「では試合前に8英雄が一人、覇王TTYMSさんから一言!」

「緊張せずにリラックスして自分らしく戦ってくださいね?」

「はひ…」

 

 と緊張している少女に向かって微笑むその人が原因であった。 

 TTYMSは隠れ桜の試合、13試合目が終了すると共に観覧席から出てきてステージ付近でべべリアと焔らと一緒にステージを見るようになった。 その影響で一時期大混乱がおき試合にも少し集中できないなどと言ったことが起きたがそのたびにTTYMSがやさしくマイクで声をかけ緊張をほぐさせると言った場面も何度か見られた。



「君も…ね?」


 そういって今度はアルに言葉を向けるが、アルはどうでもよさそうに、


「はいはい、さっさと下がれって緊張してそこの少女が目ー回すぞ」


 そう言って少女を見ろとあごで示しTTYMSが見た少女は目を回しかけ「はわわわわわ…」と言っている様子だった。


「これはすまない事をしているみたいだね、さて彼に言われたようにメインじゃない私は降りて試合を見させてもらうことにするよ」


 そう言ってべべリアにマイクを渡すと潔くステージを下りていった。

 べべリアはマイクを受け取ると少女に一喝。


「しゃきっとしろ! 馬鹿者!」

「はひぃ!」


 おっかなびっくりで正気に戻った少女をみて満足げにうなずくと一言。


「ではこれより、ⅢクラスからⅥクラスまでを対象とした合同模擬戦の最終試合を開始する、お互い準備はいいか?」


 べべリアが両者の顔を見る。


「はい!」

「…」

「よろしい、では尋常に…」


 そして少女が高らかに言う。


「Ⅳ組、魔剣士ルサルカ! いざ尋常に行きます!」

「…Ⅲ組、魔法使いアル、尋常にはいかねえぞ」


 それにアルが答え、べべリアの腕が振り落とされる。


「始め!」


 最後の試合の火蓋がきって落とされた。







■□□■






 魔を操る剣士と、魔を操る術師。 根本は似ていて扱うも同じなれどまったく違う両者。 

 この世界に来てさまざまな解釈の仕方が変わった。 ゲームでは簡単に考えていたことも現実となればそれは違う見方が見えてきたのだ。 例えば魔剣士、これはゲーム内において速度が遅く魔法を使いまた剣も使う近~中距離とされた職業であった。 魔を使う職業はどれも速度が遅くソロ活動向けではないというものだったが、この現実においてはその本人の潜在と言うものがあり速度が遅いままの者もいれば速度が速い者もいた。

 つまりこの現実においては職業で相手の弱点が判断されにくくなり、ゲーム内で此処が弱いや此処が強いと言ったものが逆になっている者もいる、と言うことだった。

 そして今TTYMSの目の前で戦っている少女ルサルカはとても速く・・アルも遅く・・はなかった。


「当たれ!」

「んなものあたるか」


 ルサルカの鋭い攻撃を紙一重といわんばかりに体をずらし避け、時にはその手に持つ1メートル弱の棒で流す。 とてもじゃないがTTYMSの目にはルサルカは魔剣士らしくなくアルは魔法使いらしくなかった。

 ルサルカは魔法系統のスキルをほぼ使わずにアルを攻め続け、アルは魔法系統の防御スキルをほぼ使わずに身だけで避け攻撃魔法を放つ。


「これは…」

「不思議ですか? TTさんよ」


 そんな不可解な何か詰まるような試合を見ていたTTYMSにいつの間にか隣にいた焔がそう言う。


「ああ、そうだ。 不思議なんだこの試合は」


 何かのどに突っかかっていたような感覚が取れるTTYMSはそう言う。


「それは何故なんです?」

「んーまぁ簡単なことさ」

「簡単…?」


 そう簡単。 と言い焔がステージを見る。 それにつられ目線を戻す先には肉弾戦に近い戦いが続く試合が目に入る。


「あいつらはお互いが得意なはずなスキルが苦手なんだよ」

「苦手…ですか。 ……つまりあの二人は魔法が苦手…と?」

「そゆこと。 まぁ厳密に言えばTTと同じな魔剣士であるルサルカはレベル412であるが、魔剣士特有の中距離から近距離にかけての魔法攻撃スキルが初期段階のブレイズあたりまでしか使えない。 んでその相手のアルは334のFUフォースユーザーで防御スキルが皆無と」


 そこまで焔が言い、とある単語が引っかかる。


「重力使い…ですか? あの青年が…」

「そ、このゲームの全体の1割程度のマゾ職のFUフォースユーザーだ。 そのせいかあいつは1年でレベルが10とちょっとしか上がらない」

「10レベ程しか…」

「そ。 まぁ何でかは分からないんだよ、他のFUフォースユーザーはすでに600越えしかおらず理由は解明できないままっと」


 そして今話題の二人の試合に眼を向けると攻防の均衡が続いており試合の流れはなんともいえないままだった。


「この試合組んだのもべべリアの指示なんだがな」

「それは何故です?」

「面白そうだから、とのことだ」

「それはまた…彼女らしいですね」

「だろ?」




 _to be continued.

ここでなぜか区切って試合本編は後半へ~続く。 状態になってしまったが別に反省も後悔もしてる。 

次はきっともう少し長くなる…てかそうしたい2ページは悲しいね。内容薄いよ、でも反省m(ry

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